サブタイトル
- 父は正義か悪なのか? 最後の復讐
放送日
- 2020年11月20日
登場人物
- 遠藤憲一(白沢正弘、真実の父)
- 殺陣剛太(橘道三、巨大詐欺事件の犯人)
- 須藤公一(橘明義、橘道三の甥)
概要
公式サイトより引用:
真実は黒岩と共に、巨大詐欺事件の首謀者と疑われ、行方をくらました父の謎を追うことに。そしてかつて父の同僚だった弁護士・鮫島を訪ね、思わぬ情報を手に入れる。果たして父はぬれぎぬを着せられた正義の士なのか? それとも悪の首謀者だったのか? シリーズ最大の事件に二人が挑む。
ネタバレを無視して経緯を説明すると次のようになる。
真実の父・正弘は初回から登場している。真実にはいい父だったが、巨大詐欺事件に関わっていると疑われ、警察に追われると失踪してしまい、以来音信不通である。
白沢正弘と旧知の間柄である鮫島良平は、巨大詐欺事件の被害者弁護団の団長を務めており、被害者の救済に当たっている。前回の終盤で真実に会い、この事件は橘道三が犯人ということで捕まったが、彼を動かした黒幕がいる。それが君のお父さんだという。何よりの証拠は、行方をくらましていること。無実なら、堂々と姿を現わし潔白を示せばよいのだという。
橘道三が10年の懲役を終えて出所してきた。そもそも白沢正弘が首謀者だと証言したのはこの男である。が、出所後、「正義の士」を名乗る男に殺害されてしまう。
ふとしたテレビの報道番組に父らしき人が映っているのを見た真実は、現地を訪ね歩き、津笠町の水産加工の会社で住み込みで働く岸田という男を見つける。瀕死の重傷を負って津笠町に流れ着き、地元の人に助けられてこの地で働くようになったが、それ以前の記憶を失っていた。持っていた荷物の中にあった遺書や書類から、自分が相当な罪を重ねた人間であることだけ自覚している。この岸田が白沢正弘だ。
岸田から遺書や当時のお金の流れを記した資料を盗み取った真実は、それを鮫島に渡し、岸田の居場所を教える。これで真相が解明されると思いきや、鮫島は記者会見で「橘が死に、すべては闇に葬られてしまった」と語る。訝しむ真実だが……ここまで真実は単独行動だったが、ここで黒岩から連絡が入る。お父さんは潔白だ、この事件の真の黒幕は鮫島なのだと。
鮫島は白沢正弘を真犯人に仕立て上げ、偽の遺書を持たせて崖から突き落とした。死体と遺書が発見されれば一件落着のはずだったが、死体が発見されず、ずっとやきもきしていた。最近になって、白沢は生きているらしいということがわかったため、真実に情報を流し、発見させるように仕向けたというわけ。
岸田が危ない! と真実は慌てて岸田の許に向かうが、暴漢に襲われ重傷を負っていた。駆け付けた真実に岸田は、自分と共通する癖を指摘し、君は俺の娘ではないのか、と訊くが、真実は否定する。そして短刀を忍ばせ鮫島を襲う決意をする。が、いざ実行しようとした瞬間に黒岩に止められる。
お前はお父さんの許に行けと言われて戻るが、岸田は身の危険を感じたのか再び失踪したあとだった。なお鮫島は黒岩の細工により、被害者の救済に当たるふりをして被害者から集めた金を不当に着服している資料を警察につかまされ、人生が終わる。
という話であった。
雑感
うげーっ、つまんねー。これがシリーズ最大の謎で最終回かよ……というのが正直な感想。
父が被疑者として警察に追われる、失踪して以後連絡なし、親しくしていた弁護士から父こそが黒幕だと教えられる、これだけのことで敬愛していたはずの父を犯人だと信じ込む真実にまず疑問。まあ瀕死の重傷を負って記憶を失っているとは思わないから、一切の連絡なしで失踪した時点で信頼をなくしていたのかも知れないが、(元)弁護士として、何の証拠もないのに父が真犯人だと信じてしまうメンタリティも納得いきかねるものがあるが、黒岩から、お父さんは潔白だ、真犯人は鮫島だと言われて、これまた何の証拠もないのにそれを信じてしまうのも納得がいかない。
そもそも真実の父が極悪人だということはないだろうと思っていたので、まずまず妥当な結末ではあるのだが、僕がそんなところだろうと思っていた通りだった、ということは捻りがなさ過ぎる。
また、復讐するのに短刀で襲うなど最も愚劣な方法で、同期の中で一番頭が良かったんじゃないのかよ、と情けなくなる。
ドラマ全体を通してあまりいいところのなかった黒岩が鮫島を陥れるのはちょっと爽快感があったけど。
真実の子役の子までが、あのシュシュシュッ、という忍法のような不思議な仕草を完璧に真似していたのはよかった。が、全体としてはユーモラスなシーンは少なく、といって真面目なシーンはあまりにもご都合主義でボロがぼろぼろ。面白い回もあったんだけどなー。ちょっと残念な最終回だった。
(2020/12/01 記)