窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「タリオ 復讐代行の2人」(NHK)(4)

サブタイトル

  • パパ活相手へ復讐! 潜入捜査開始?

放送日

  • 2020年10月30日

登場人物

  • 穂志もえか(杉本涼子、パパ活をするOL)
  • 堀部圭亮(平山一良、涼子のパパ活の相手)
  • 小松利昌(本村、會桄出版社員)

概要

公式サイトより引用:

白沢真実と黒岩賢介の元を訪れた今回の依頼者は、OLの杉本涼子。奨学金600万円の借金を抱える涼子は生活のためパパ活をしていて、一番最初に会った男(平山一良)とデートを重ねるうちに恋愛感情を抱いた。だが男は二週間前のデート中に財布の入った涼子のカバンごと姿をくらませ、電話もメールもブロックされてしまった、気持ちを弄んで裏切った男に仕返しをしたいと言う。

雑感

奨学金パパ活など、話題の現象を取り入れて、つなぎ合わせてみました、ということか。話をひねり過ぎた印象。

平山一良の立場から見ると、こういう展開である。

  1. かつては小説家志望で定職に就かず、生まれたばかりの子供がうっとうしいと離婚
  2. 20数年後、本村がパパ活をしていてこれからOLに会うというので見てみると、相手は我が子(SNSで顔を知っていた)
  3. 本村に因果を含めて、その人の名を騙り娘に会う。以後二年間、単なるパパ活の振りをして娘と逢瀬を続けた
  4. 娘が小説家志望であると知って、いろいろとアドバイスする。自分と違って才能があると確信
  5. 大きな文学新人賞を取ることがわかったため、パパ活がマスコミに漏れたら一大事だから、電話とLINEをブロックして連絡を絶つ
  6. 復讐代行と名乗る男女がやってきたので、真実を説明
  7. 復讐代行の手引きで文学新人賞の受賞記者会見の場に潜り込み、インタビューで自分に感謝しているらしい発言を聞いて涙ぐむ。名乗り出るつもりはないと言って去る

4番目まではわかるとして、5はなぜ事前に受賞がわかったのか謎だし、7は晴れの場面を見たかったのだとしても、あんな目立つ場所に立っていたらバレバレで、自分の存在をアピールし脅迫しようとしているのかと思ったほど。

杉本涼子の立場からみるともっとわからない。

  1. お金に困ってパパ活を始めたら、やってきたのは父親だった。
  2. 相手は自分が気づいていないと信じているようだったので自分からは何も言わず、単なるパパ活のふりをしてお金をもらい続ける
  3. ある日突然連絡が取れなくなったため、恨みを晴らしたいと嘘をついて復讐屋に依頼
  4. 本名と現住所を教えてもらったところで調査を打ち切る
  5. 平山が実の父であると復讐屋が気づくように仕向ける。結果、記者会見の場に平山を連れて来ることまで織り込み済み
  6. 平山が妻子を捨ててまでなりたいと願い、ついになれなかった小説家に、自分はなった。それが自分の本当の復讐

3、何も嘘をついて復讐屋に依頼しなくても、連絡先だけを探してくれる探偵屋さんはそれこそいくらでもいると思うが。
5、白沢真実が指輪を売りたいと言い出す→傷があるからこのままでは売れないといい、知り合いの修理屋を紹介→白沢真実がその情報を真に受けて杉本の知り合いの修理屋を訪問→杉本の紹介だと言い、さらに、本村への復讐を依頼されたと喋る→店主から真実を聞き出す……という、これだけのステップを踏んでようやく目的が果たされるわけで、一言で言って「あり得ない」
6、たかが新人賞をもらっただけで、小説家になったつもりでいるのはいくらなんでも早計。デビューできただけで、プロになれるのかどうかはまだまだこれから。小説家とは呼べなくても、プロのライターとして20数年を業界で生きてきた平山を「抜いた」と断じるのもまだ早い

6に関しては涼子の若さゆえで、脚本が悪いわけではないが。

白沢真実の口が軽過ぎる。今回に関してはそうでないと話が転がらないのだが、それにしても依頼内容を他人に漏らすなど言語道断だろう。

というわけで今回に関しては脚本には感心しなかったが、浜辺美波のコミカルな演技と喋り方、突然白目を剥いたり、黒岩におちょくられて突如中国人みたいな喋り方をしたり、とにかく飽きない。このドラマはもうそれだけでいいのかと思う。


映画ランキング

(2020/11/14 記)