窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

筒美京平からの贈りもの

タイトル

  • 筒美京平からの贈りもの 天才作曲家の素顔(NHKスぺシャル)

放送日

  • 2020年10月31日

概要・雑感

内容は下記の三本立て。

  1. 筒美京平が作曲した歌をいろいろな歌手が歌うパート
  2. 筒美京平の作曲法のについての解説
  3. 筒美京平と親しかった人による回想

50分とコンパクトにまとめたのはよいと思う(2時間なら見ていない)。

1は、たくさん紹介できないのは仕方ないが(岩崎宏美郷ひろみも出て来なかったのは驚いたが)、尾崎紀世彦の「また逢う日まで」や太田裕美の「木綿のハンカチーフ」は何度も(同じシーンを)流したのは疑問。一回でよいのに。

2は、「木綿のハンカチーフ」のコードにセブンスが入っているとか、イントロが一番大切だとか、それは作曲ではなく編曲やろと思った。編曲も筒美京平がしているわけだから、いいけど……

3で、松本隆のインタビューが一番長かったが、一番見応えがあった。

1973年に初めて会った時に、筒美から「趣味で音楽ができていいわね」と言われたとのこと。ジーンズにTシャツ、長髪姿だった松本は、「趣味で音楽やっちゃいけないの?」と言い返したという。筒美33歳、松本24歳のことだ。

大ヒットとなった「木綿のハンカチーフ」は、松本の詞に当初は筒美が「これじゃ曲がつけられない」と断わるつもりだったが、松本がつかまらないため、仕方なくしばらく預かっているうちに曲想が湧いてきた、というのは有名なエピソードなので知っていたが、この話を聞いた時は「プロは曲先が多いと聞くが、この曲は詞先だったのね」ぐらいに思っていた。

今回の話によると、太田裕美のデビュー曲からずっと組んでいるが、歌謡界の慣例に従って曲先だったのだそうである。しかしなかなかヒットが生まれない。この状況を打破したいと考えたが松本が、(フォーク界の慣例に従って)詞先でやらせてほしいと頼み込み、渡したのが「木綿のハンカチーフ」だったのだそうだ。

松本隆の話が聞けたのはよかった。このような企画はどんどんやってもらいたい。


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(2020/11/15 記)