窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「麒麟がくる」第三十三回「比叡山に棲む魔物」

出演

あらすじ

1570年、織田は宇佐山城に陣を張り朝倉と対峙したが、比叡山に陣を張った朝倉とは膠着状態に陥った。光秀は山崎吉家に話をつけて朝倉義景に会い、間もなく越前に雪が降る、その前に戻りたいでしょうと和議を持ちかけるが、比叡山を支配する覚恕は信長に京の町を荒らされたことを許さない。

その間に尾張の小木江城を守る織田信興(信長の弟)が、石山本願寺にけしかけられた伊勢長島一向一揆の衆に討たれた。窮地に立たされた信長は京を捨て終わりに戻ろうとするが、光秀に「再度和議を」と止められ、正親町天皇に和議を願い出る。

覚恕は正親町天皇の実の弟だったが、兄に対するコンプレックスを極限まで肥大化させていた。金を貯めこみ、金の力で権力を握り、酒を飲み女色に溺れ博打にうつつを抜かすありさま。

信長に助けを求められた正親町天皇は、どんなに御所が荒れ果てても弟は金を出そうとしなかったが、信長は修理をしてくれた、信長を助けてやろうといって和睦の仲立ちをし、双方、兵を引く。

翌年、今度こそ比叡山をつぶすと戦力を整え、改めて攻め込み、片端から焼き払う……

今日の朝倉義景&十兵衛

「昔、美濃の国を追い出され、越前へ来た若侍がおった。妙な男で、公方様に気に入られ、どこぞの田舎大名を巻き込み、上洛まで果たした。今では幕府もこの男の顔色をうかがうほどの大物じゃという。出世をした者は、昔世話になった者に恩を返すというが、仁義も礼も廃れた今の世では、望むべくもないか」

今日の朝倉義景&十兵衛(その2)

「わしはな、越前で勢いを伸ばしてきた一向宗徒たちと長年戦うて、ひとつだけわかったことがある。お経を唱える者との戦に勝ち目はないということじゃ」

今日の公方様と摂津晴門

「では、なにゆえ戦がやまぬ」
「わーかーりーまーせん」

雑感

印象に残ったのは平吉のエピソードだ。第25回で登場した平吉が再登場。駒に薬を売らせてほしいと頼みに来た。聞けば、あまりの貧しさに親が妹を売ってしまったのだとか。だから金を稼いで妹を取り戻したい、比叡山の僧たちは金持ちで芳仁丸を持って行けばいくらでも高く買ってくれるからという。なお妹を買ったのも延暦寺の僧だということだ。

話を聞いて驚く駒だが、後日、平吉は比叡山で芳仁丸を売っていたから、仕入れを認めてやったのだろう。が、残念ながら織田の軍勢に攻め込まれ、一緒に殺されてしまう。

人間も金で売買されていた時代に、金に困って子を売った親を責めることはできない。妹を取り戻したければ買い戻すほかはないから、特別に転売を認めてやったということだろうか。

薬を連日売り歩いたところでいくらにもなるまい、長い時が経てば妹はどうなるかわからない。まずは妹を取り戻すことが先決ではと思うが、駒がため込んだ金はこういう時に使うべきではないのか。あるいは公方様におすがりして、その子を返してもらうよう交渉することはできなかったか。

公方様と親しい駒には、比叡山と織田がきな臭いのはわかっていたはずだ。また信長の言を信用すれば、攻め込む前に、関係ない人は比叡山には行かないよう再三にわたってアナウンスをしていたとのこと。そんな中、比叡山の僧に売りに行くという平吉をなぜ止めなかったのだろう。ここでの駒の行動は解せない。

覚恕は信長や藤吉郎とはまた違った意味のサイコパスであった。

摂津は覚恕と組んで信長の追い落としを画策しており、公方様からの停戦の指示を握りつぶしていた。

森可成が宇佐山城を守り切った話(宇佐山城の戦い)は描かれなかった。

ようやく1571年になった。このままずっと元亀元年をやって本能寺の変は起きないのではないかと思ったよ。

菊丸再登場。21回以来、5ヶ月ぶり。


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(2020/12/10 記)