第六週「1948」(水)
放送日
- 2021年12月8日
概要
花屋の女性は、将校が怒っていると思いひたすら謝り続けるが、安子が事情を訊くと、将校は花を買いたいだけのに困っているという。安子の通訳で無事、将校は花を買うことができた。安子は相手の言っていることが理解できたこと、自分の英語が通じたことが、嬉しくてたまらない。
一方、家に置いて行かれたるいは一人寂しく過ごす。雪衣に不満をぶつけると、雪衣はるいの傷を見、るいを雉真に返すと決めたのだろうと答える。
安子は定一と再会。アメリカ人のクラブで演奏するバンドの斡旋業を務めていた。演奏するにも曲を知らないと話にならない。というわけでアメリカの曲を聴くためにバンドのメンバーはDippermouth Bluesに入り浸るというわけ。うまくやっているように見えるが、定一は「酒でも飲まなきゃやってられない」と昼間からバーボンを口にする。小さな男の子が何に興味を示したのか、店の様子を伺っているが、定一は追い払う。
るいは美登里とあやとりをしている。18時になった。るいがラジオをつけ、カムカム英語を聴き、テーマ曲を一緒に歌っていると、美都里がラジオを切る。アメリカの歌は聞きたくないんだと。るいは自分の部屋で一人でラジオを聴く。安子はまだ帰ってこない。
今日のナレーション
「Yasuko was overjoyed that he could understand her English.」
今日の定一
「なんの因果じゃろうのう、稔を殺した、健一を殺したかも知れん国の音楽を、わしゃ今日もかけとる。アメリカ人を喜ばせるためにバンドの世話をしよる」
今日のるいと美都里
「ごめんねえ、おばあちゃん、聞きとうねえんじゃ、稔を殺した国の歌は聞きとうねえんじゃ」
雑感
初めての英会話
初めて外国人と会話をし、相手の言っていることがわかった時、こちらの言わんとすることが伝わった時は、他にたとえるもののないほど嬉しいよな。自分にも経験があるのでよくわかる。
日本人の葛藤
美都里と定一の葛藤。敗戦国の人間が戦勝国の人間と対等に付き合うのは難しい。身内が死んでいたらなおさらだ。
しかし美都里は立派だ。「英語の歌は聞きたくない」とは言うが、るいが英語番組を聞くことは禁止しない。自分の前ではしないでくれと言うだけ。しかも怒鳴ったりはせず、「ごめんねえ」と謝っている。以前の安子とのことがあるためについ美都里を悪く見てしまうが、この人は本当は高潔な人格者なのではあるまいか。安子に対する態度は稔かわいさのあまりのことだったのだろう。
雪衣の怪しい行動
るいから、なぜ母といっしょにおはぎを売ってはいけないのか、なぜ自分はこの家に連れてこられたのかと突然訊かれた雪衣は、困ったかも知れないが、普通なら、子供はお仕事をしなくていいんですよとか、ここはるいちゃんのおじいさんおばあさんがいる家ですから、とか言えば済むところ。なぜ「女手ひとつでるいを育てるのを諦め、雉真に返すことにした」などと話したのか? それに、わざわざ髪をめくって傷を確認したのは何のためか? よけいなことをしよるなあ。勇が好きで、勇はどうやら安子が好きらしいから、安子(とるい)に意地悪をしたくなった? もしそうなら、小学生ではあるまいに、あまりに幼稚過ぎる振る舞いだが……
12月なのに明るい……
カムカム英語は間もなくクリスマスであることを告げている。それなのにあたりは明るい。12月の18時なんてもう真っ暗ではないのか? それに、そんな時間まで安子は帰ってこないのか? 雉真家の夕食は何時なのだろう?