窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「カムカムエヴリバディ」(71):ひなた編スタート

第15週「1976-1983」(木)

放送日

  • 2022年2月10日

登場人物

概要

時は流れて1983年。ひなたは18歳になりました。高校三年生になり、同級生の一恵も小夜子も、ガキ大将だった吉之丞ですらも卒業後のことを考えていましたが、何も考えていなかったひなたは焦るばかり。そんなある日、るいに回転焼き屋の店番を頼まれたひなたの元に無愛想な客がやってきて……。(NHKオンデマンドの解説より)

雑感

このドラマは岡山編、大阪編、京都編と三つのパートに分かれていて、京都に引っ越してきた時から京都編が始まっている、というように考えていたが、ただしくは安子編、るい編、ひなた編と分かれていて、今回からひなた編が始まったということのようだ。オープニングロールでは、これまで最初に表示された深津絵里が最後になり、川栄李奈がトップに。その他、新しい(成長後の)人が続々登場。

概要で「ひなたは18歳になりました」とあるのは間違い。高校二年生が終わった春休みから今回は始まるが、ひなたは誕生日が来て18歳になるので、現時点では17歳のはずである(たぶん4月生まれだから、すぐ18になるけど)。相変わらず寝坊しているところを母親に起こされるシーンで始まりポンコツぶりを示しているが、ちょっとひなたがかわいそう。春休みなんだから、少しくらい寝坊したって大目に見てあげていいんじゃないか。

弟の桃太郎が今年から小学生と聞いてびっくり。もっと大きく見えたから……だが、演じている春くんが10歳だから、ここは致し方ない。その桃くんは、どうも小夜子が好きらしく、小夜子が家に来たら熱っぽく見つめていたかと思うと、姉と小夜子の間に割り込んで、算数を教えてくれとねだったりする。このくらいの年齢の男の子が年上の女性に憧れるのはよくある話。まして姉の友人は、姉と違ってやさしく接してくれるから……

さて、一恵は短大進学を希望しており、小夜子は学校の先生になりたいという。吉之丞は、父から店を継ぐよう言われているが、安売りの大型電機店が登場しつつあり、こんな店を継いでも仕方がないという。みな、それなりに将来について考えているのだ。ひなたは進学も就職も何も考えておらず、友人の話を聞いて驚く。

家が商売をしているのだから、店を継ぐことは考えなかったのか、と思うが、全く考えなかったのだろう。

  • るいは、子供の頃のたちばなや雉真の後継ぎ問題で関係者がみんな傷ついている経験から、子どもにあとを継ぐことを匂わせるようなことを言ったことがない
  • 回転焼き屋は、設備も回転焼きの機械くらい(たぶん、たいした金額ではない)で仕入れも限られており、あとを継ぐことのメリットがあまりない(始めるのも店仕舞いをするのも手がかからない商売)
  • ひなたは、回転焼きを食べるのは好きだが、作ったり売ったりすることに興味がなかった
  • るいはまだ若く(38歳)まだまだずっと店を続けるだろうし、店主が二人になったからといって売り上げが二倍になるわけでもない

なにをしていいかわからず、悩むひなただが、安子、るい、ひなたと三代見てきた視聴者として思うのは、迷うというのは選択の範囲が広いから。安子もるいも、それなりに選択の余地があって、それを自分の判断で選び取ってきたと言えなくもないが、安子には実質的に二択(雉真の嫁として生きるか、そうでないか)しかなかったし、るいはそれよりは可能性があったがそれほど大きな自由があったわけではない。ひなたの代になって初めて自由が手に入ったのだ。そういう世界になればいいと、安子もるいも懇願し続け、実現したら、自由を享受しているひなたは、何をしていいかわからず悩む。若者よ、大いに悩むがよい。



映画ランキング