第16週「1983」(木)
放送日
- 2022年2月17日
概要
高校の夏休みの間、条映映画村でアルバイトをすることになったひなたは、休憩所で映画村職員の榊原と知り合います。榊原は、虚無蔵がひなたを見込んでいることや時代劇が大好きなことを知り、ひなたを大人気時代劇「破天荒将軍」の撮影現場に案内します。そこにはあの無愛想な男・五十嵐もいて……。(NHKオンデマンドの解説より)
雑感
舞台の裏側を見てしまったひなた。黍之丞シリーズのかつてのレギュラーで、お茶屋の娘「おゆみ」演じた美咲すみれが、良い人ではなかった(と、ひなたの目に映る)。気に入らない仕事を断わったり、引き受ける代わりに役を要求したり、というのは役者として当然のことと思われるが、アトラクションの仕事を「客寄せパンダ」と言ったり、榊に「私のお願い、聞いてくださる?」とちょっと甘えた声で言ったのがハニトラに聞こえたりしたためもあるのだろうが。
何度か顔を合わせてやりあった五十嵐が、撮影所の隅で撮影をじっと眺めていた。まだ養成所を出たばかりで役がもらえないから、見学して勉強をしているのだが、ひなたは「偉そうなことを言っていたけど、要は下っ端で、役ももらえないのか」と思ったようだ。
その上、帰宅したらその五十嵐くんがちょうど回転焼きを買ったところで、上記の感想を口に出してしまったのはいただけない。まず第一に店の客だ。そういう人が日々買いに来てくれるから、自分の生活が成り立っているのだ。第二に、映画は、スターさんだけいてもできない。脇役がいて、大部屋俳優がいて、修行中の人がいて、もちろん大勢のスタッフが動いていて、それでようやくひとつの作品ができる。少なくとも映画に関わる人が、下積みの人を莫迦にしてはいけない。
ちょっとひなたにはお説教が必要だが、ただ、もともとはひなたに、店の娘なのに焼けないの? とか、引き算はできるんだね、とか初対面で莫迦にしてきたのは五十嵐の方なので、売り言葉に買い言葉になってしまっているだけだ。そこは割り引いてあげないといけない。ただ、日をまたいでもそれが続いているのは普通じゃない。勇が安子をずっといじり続けていたようなものか? とも思うが、小学生ではなく、高校生だしな……