窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「舞いあがれ」(074)

第16週「母と私の挑戦」(水)

放送日

  • 2023年01月18日

登場人物

  • 隈本晃俊(香川、斑鳩商事)

概要

舞はネジの勉強に没頭するあまり、会社に遅刻しそうになる。会社では売り上げデータを確認していためぐみが、営業担当の藤沢に、ある受注の確認をする。それは売れば売るほど赤字になるというものだった。藤沢はリーマンショックで仕事が減った際に、なんとか売り上げを出そうと、安く仕事を請け負ったと説明する。(NHKオンデマンドの解説より)

感想

新規顧客開拓が必要なのは言うまでもないが、いうほど簡単ではない。めぐみは受注内容の見直しを行ない、必要に応じて値上げを進めることにした。この目の付け所は悪くない。

ドラマとしてはそれでいいが、気になることは山ほどある。工場は、何も仕事をしなくても膨大な固定費がかかるから、赤字必須の業務の受注は、状況次第ではあり得る。リーマンショック後に空白を埋めるためそういう受注をしたのは、それはそれで評価されるべきだろう。ただしこうした案件を社長が知らないはずはない。もし何の相談もせずに見積書を出していたのなら問題。事情を理解した上で社長が承認したのなら、今藤沢くんを責めるのは筋違いだ。

ただし、受注が継続されるようになったら、当然価格の見直しは行なうべきだ。どうも今回のやりとりを聞いていると、一度受注した案件は、同じ価格で受けざるを得ないような雰囲気に見えるが、一回の受注ごとに当然価格交渉があってしかるべきだろう。それをしていなかったのは、注意されるべき点かな。

浩太がみんなに、利益率を改善するために何かいい手はないか、と訊いた時、すごく安く受注している案件があるんですけど何とかならないんですか、やればやるほど赤字です……と誰も言わなかったのも不思議。それとも技術の人は、これがいくらで売られているのか誰も何も気にしていなかったのか。

めぐみの交渉術、藤沢くんもネットでも絶賛されていたが、私に言わせれば二度とお客様のところには連れて行きたくないレベル。ピシャリと言い返したことに藤沢くんは爽快感を持ったようだが、営業が爽快になってはいけないのだ。こんな風に女を下に見る男は、プライドだけは高いことが多い。女にピシャリと言われて言い返せなかったことを、相手は屈辱に感じているだろう。勝負に勝って試合に負けた、となれなければよいが。

舞はカワチ鋲螺から見積依頼を受ける。受注に至るまでには超えなければいけない山があるが、営業としては一歩前進。ここはおめでとうと言いたい。客先へ飛んでいく舞をホワイトボードに記す山田が「営業!」と「!」をつけたのがかわいい。そろそろ「お嬢様」呼びはなくなるかな。



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