窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「舞いあがれ」(075)

第16週「母と私の挑戦」(木)

放送日

  • 2023年01月19日

概要

舞が藤沢と会社へ戻ると、仕事を終えた社員たちが食堂に集まっていた。舞が本当に仕事を取れたのかどうか、図面を見るまで信じられないと二人の帰りを待っていたのだ。舞が図面を広げると、にわかに沸き立つ社員たち。数量も多く、なかなかに大きい取引だからだ。ただ、結城がいない中で、そのネジの設計を誰がするのかと不安になる。(NHKオンデマンドの解説より)

章が辞めた後は尾藤が設計を受け持つようにと、章は特訓を施していた。しかしいざ試作を始めてみると、うまくいかない。実務はさまざまな要因が絡む。計算通りには行かないのだ。舞は章にヘルプを要請、章は恩返しのために自分の仕事は終わったあと、無償で手伝うことになる。ただし工員の中には「だったら結城を雇えばいい」「それで品質が保てるのか」と疑問を呈する人も。

めぐみは悠人に連絡を取り、土地と建物を買ってもらうよう、なおかつ、その後も毎月家賃を払って工場そのものは継続稼働できるよう依頼。悠人は承諾したらしい。そのお金で借金を全部返せることになった。

感想

ああっ、そうきたか――というのが新鮮な驚きだ。

舞が頑張って新規案件を受注する、めぐみは値上げを敢行する、それはいい。それはいいけれど、そんなことをちまちまやったところで、借金返済には遠く及ばないだろうと気を揉んでいた。悠人の「土地を売ってマンション経営」提案を逆手に取って、こういう話に持って行くとは。

悠人の側からしてみたら、マンションにしようが、工場を続けようが、地代さえきちんと支払ってくれたらそれでいいわけで、この逆提案はアリだ。とはいえ、本当はこの土地に、借金を全部返すだけの価値は、本当はないのだろう。もしあれば、信用金庫の人があんなに気を揉むはずがない。担保に取っているはずなので、会社がうまくいかなければ、土地を押さえて売ってしまえばいいからだ。借金を全部返せるだけ払うのは、悠人の「気持ち」なのだろう。

それはよいが、そこに至るまでは問題ありだ。

章と浩太がいなくなって、今のIWAKURAには設計できる人がいないのか。だったら新規案件なんか受けられないではないか。その話がこれまで全く出て来なかったのは後だしじゃんけんのようで面白くない。めぐみは把握していたのか。舞も知らなかったのだとしたら、営業と技術の風通しが悪過ぎる。

章がIWAKURAに来て、図面を見せてくれと言った時に、めぐみは最初は躊躇するが、結局は見せてしまう。これ、機密保持契約(当然交わしているはず)に違反するのではないか? 背に腹は替えられないということかも知れないが、これから先も新規設計のたびに章に来てもらうのか? もしカワチ鋲螺から設計変更があったらどうする? 設計担当の人と打ち合わせをしたいと言われたらどうする? 「だったら結城を雇えばいい」「それで品質が保てるのか」という意見は至極もっともである。

IWAKURAとして、結城の勤め先に設計を業務として依頼することはできなかったのだろうか。要は、きちんとお金を払って「仕事」にするのだ。そして守秘契約もかわせば、経常上の問題はなくなる。章の人間性は信頼できても、こういう仕事の仕方はよくない。まあ、よくないことがわかるから、抜本的な手を打たなければいけないと考えたのだろう。



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