窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「舞いあがれ」(079)

第17週「大きな夢に向かって」(水)

放送日

  • 2023年01月25日

今日のめぐみと雪乃

「うちの貴司なんか、一生独身と違うか。短冊に短歌書いてもてるのは平安時代までやちゅうねん」

概要

舞が営業から帰社すると思いもよらぬ客が、めぐみを訪ね来ていた。それは航空機産業参入支援セミナーで出会った、菱崎重工の荒金だった。彼は舞とめぐみに、ある提案をする。それは航空機の部品を試作してみないか、というものだった。設備的にIWAKURAでは難しいと、めぐみは断ろうとするが、舞はまずその部品の図面を見せてほしいと申し出る。(NHKオンデマンドの解説より)

感想

荒金が言ってきたのは航空機用のボルトの試作で、技術的に今のIWAKURAにはとても難しいが、舞はなんとしてもやりたいと皆を説得する。この話、ドラマの中でどういう展開になるかわからないけど、現実社会だったら、安易に受けたら大やけどをする話だ。

会社が何かに取り組もうとした矢先に、棚ぼたよろしく案件が振ってくることが(意外によく)ある。渡りに舟と飛びつきたくなる気持ちはよくわかるのだが、小さな組織は指向性がある。本来、案件というのはそれなりの時間と手間をかけて努力して取ってくるものだが、降って湧いた話は、往々にしてこの指向から外れる。そこを「せっかくだから」「いい話だから」と飛びついて、時間とエネルギーを大量消費したあげく、結局ダメになることが珍しくないからだ。

まずは業界動向を知るためのセミナー参加だったはず。何が何でも受注するぞと思っていたわけではなかろう。焦らず、手順を踏んで話を進めても遅くはないはずだ。

舞はめぐみのことを社内では「社長」と呼び、山田も舞のことを「お嬢さん」とは言わなくなったが、やはりお嬢さんなんだなあと思った。大手企業の重役が社長に会いに来たと聞いて、いち営業担当が勝手に会議室に入り、ちゃっかり打ち合わせに混ざるなど、考えられないこと。それが許されてしまうのは「社長令嬢」なればこそ。菱崎重工からの仕事を受けるかどうかの会議で、笠やんはじめ技術の人たちが舞に説得されるのも、舞を「社長令嬢」と見ているからで、いち営業担当なら「無理なものは無理」で終わりだ。

こうした振る舞いを認めるのならば、取締役の肩書をつけ、責任も背負うべきだろう。

ところで、雪乃の「短冊に短歌書いてもてるのは平安時代までやちゅうねん」というセリフ、これ自体が短歌だ、と喝破した人がいた。本当だ!(季語がないから厳密には短歌ではないが)



映画ランキング