窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「虎に翼」(038)

第08週「女冥利に尽きる?」(水)

放送日

  • 2024年5月22日

概要

猪爪家に召集令状が届き、兄・直道の出征が決まる。はるは直道のためにできるかぎりのごちそうをふるまい、花江も精一杯の笑顔で送り出そうと努力する。寅子は弁護の仕事のほかに、久保田が担当していた婦人雑誌の法律相談の連載を引き受けることに。さらに、穂高から明律大学での講演を依頼されるが、講演会当日に倒れてしまう。(NHKオンデマンドの解説より)

山本五十六戦死。直道と轟に召集令状が届く。

今日の直道

「おれにはわかる。お前が元気な男の子を生むと」
「お兄ちゃんがそう言うなら女の子だね」

今日の寅子と穂高先生

「本当は、辛くて辛くてたまらないんです。でも、私がここで頑張らないと、辞めて行った仲間の分もと思っているのですが」
「結婚した以上、君の第一の務めはなんだね? 子を産み、母になることではないのかね?」

今日の轟とよね(と寅子)

「死ぬなよ、轟」
「俺を誰だと思っているんだ」

今日のよねと寅子

「お前は一人じゃない」

感想

感想を書くのが追い付かなくて、今は10週目までを見終わったところなのだが、こうして遅れて再視聴すると、大きな布石があっちにもこっちにも落ちていることがわかる(こういう見方を排除したいからできる限り初見で書きたいのだが)。

寅子は講演会の直前に倒れ、心配する穂高先生に妊娠していることを打ち明ける。この時に確かに「辛い」と言った。これは、弁護士を続ける女性が自分一人になってしまったことに対する責任感やプレッシャー、孤独、現実に多忙でゆっくり寝られないことなどを意味しているのであり、法曹界で仕事をすること自体が辛いと言っているわけではない。が、穂高は別の意味に受け取ったようだ。女は何より子を産み、育てることが第一であって、そうなると弁護士のような激務との両立は所詮は無理だと感じたのだろう。

初見では、貧血で倒れるようでは母体に影響がある、今はゆっくり休み、無事に産まれたら、復帰の件はその時にまた考えよう、というつもりの言ではないかと思ったが、改めて見てみると、復帰のことは頭にないようだ。穂高家にも子がいるなら、子育てが大変なのはわかっているから。

しかし、その昔、寅子が言うことに「続けて」と聞く耳を持つ姿勢を見せた穂高が、今回は「大きな声を出したらお腹の子がびっくりしてしまう」と、発言を遮るようなことさえ言ったことで、寅子は失望してしまったのだろう。小さく「なんじゃそりゃ」とつぶやく。

穂高先生はまたよりによって、寅子の妊娠を雲野先生(や事務所のみんな)にバラしてしまう。まさか知らなかったとは思っていなかったのか、それとも知らせて仕事を辞めさせなければと思ったのか。こういう微妙かつ大事な話は、勝手にペラペラと吹聴していいことではない。配慮がなさ過ぎるが、穂高や雲野にとっても、当時の女性の扱いはそんなものなのか。

直道を送る食事会では、本テーブルに直言・はる、直道・花江、寅子が着き、補助テーブルに優三、直人、直治が座った。普段は子の面倒を見るために花江がそこに座るが、今回は花江を直道の隣に座らせるために優三が替わったということだろうか。優三が書生の扱いから変っていないようにも見えた。
(2024-06-08 記)



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