出演
粗筋
すずが周作と出会ったエピソードから嫁入りまで。
雑感
- 連続ドラマで尺があるせいか、原作で「この世界の片隅に」という作品の連載が始まる前に描かれた三つの話(すずが周作と出会ったエピソード、りんと出会ったエピソード、水原哲とのやり取り)をきちんと描いていた。原作ではこれらのエピソードの位置づけが曖昧で、本作との関連が薄く(第一のエピソードは、本編では言及されることはない。第二のエピソードは、そもそも座敷童が誰なのか明記されていない、など)、ほんやりすずの夢の中の出来事かも、とも解釈できる。ドラマでは、事実あったことだと明確にしたわけだ。
- 人買いから逃げる方法はよい改変。原作のやり方でうまく逃げられるとはとても思えない(だから、むしろ夢の中の出来事かもとおもわせる理由のひとつになっている)。事実なので現実的な方法を採用したのだろう。また、新婚初夜で周作がそのエピソードに触れるのも良い。ただし、兄が風邪をひいたから代理ですずが届けるのに、兄が元気ですずを殴っていたのはいただけない。
- 尾野真千子の小姑っぷりが良い。
- 新婚初夜、松坂桃李が松本穂香にキスするシーンにドキドキ。周作がすずに対する思いをはっきりと告げたのは良かった。ただし、その気持ちは本物であろうが、女を知らないわけではない、とわからせる松坂の演技は見事。原作を知っているから、「誰と」経験したのかに思いを馳せてしまうのだが、このドラマではりんをどう描くのか楽しみである(映画では、尺の問題か子どもに対する配慮か、りんのエピソードがばっさり削られていたのが残念だった)。
- 現代編の榮倉奈々が何者なのか不明。すずの曾孫とでもいうのか? なんのためのエピソードなのかも不明。恐らく前半は気を持たせるだけで明らかにはされないのだろう。
- 伊藤蘭は、いくつになっても美人だなー。
(2018/8/5 記)