2月3日(日)放映。津川雅彦の遺作。津川は昨年8月に亡くなられているので意外だ。撮影後、なぜ放映まで半年近く空けたのか。
原作
出演
- 米倉涼子(佐原卓子)
- 黒木華(白河球磨子)
- 中村梅雀(白河福太郎、球磨子の夫)
- 伊武雅刀(木下保、白河福太郎の友人)
- 勝村政信(前田健次、球磨子の元夫・家をだまし取られる)
- 永山絢斗(豊崎勝雄、球磨子のマネージャー?)
- 堀田茜(大木暁子、キャバクラ嬢・かつて球磨子に顔を焼かれた)
- YOU(野田さかゑ、球磨子の秘密を知る女)
- 平泉成(加藤正義、裁判長)
- 余貴美子(小田秀子、静岡地方検察庁の検事正)
- 板尾創路(秋谷茂一、ゴシップ記者・検察とずぶずぶの関係)
- 津川雅彦(原山正雄、弁護士)
- 依田司(佐原淳彦、卓子の亡夫)
- 萬田久子(大貫由紀、美容クリニック「オオヌキ・クリニック」の院長)
- 前野朋哉(藤原好郎、事件の目撃者)
- 遠藤憲一(ナレーション)
雑感
- 映画はよく知っているが、過去4回もテレビドラマ化されていたとは知らなかった。そうなると毎回特色を出さなければならず、今回の見どころは「白河球磨子が佐原卓子に恋をする」というところか。まあ、米倉涼子と黒木華の路チューは確かに見物ではあったが。
- TVドラマとしては十分楽しめた。ただ、粗もたくさん目についた。
- このドラマの肝は、誰がどう見ても球磨子が犯人だろうと思うが違った、という点にある。だから無罪を勝ち取った佐原は批判されるし、自身も葛藤を感じるのである。誰がどう見ても、というのは、動機もそうだが、球磨子なら人ひとりくらい平気で殺すだろう、と思える人間であることが必須だ。しかし本ドラマにおける球磨子は、確かにホステスの顔を焼いたり家を騙し取ったりする程度には「ワル」であるが、人が平気で殺せるかというと、そこまでには感じられない。黒木華は悪ぶってもどうしても人の好さが顔に出るし。
- 真相解明がお粗末。靴とスパナは実はこのように使われたのです、といくら佐原が力説しても、それは「そういう可能性もあり得る」という程度に過ぎず、とても藤原好郎の目撃証言を覆せるとは思えない。それを裏付ける証拠が提出されなければ意味がなく、この点はいくらなんでもお粗末であった。
- 佐原卓子は黒いものでも白くする敏腕弁護士という設定のようで、それはそれで面白いと思ったが、大貫由紀の存在が中途半端。公式サイトで説明されているエピソードは本編では語られず、何のために登場してきたのかわからなかった。
- 白河福太郎が球磨子を見初めたのがキャバクラ、というのは今風なのかも知れないが、話が安っぽくなってしまう。銀座のクラブだからこそ地方からでも通うのであり、キャバクラだったら何もわざわざ都心まで通わなくても熱海にだってあるやろ? と思ってしまう。
(2019/3/8 記)