窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「顔」第8話「運命の再会」

出演

粗筋(ネタバレあり)

西島は銃で撃たれた傷はさほどでもなかったが、撃たれた反動で階段から落ち、その時に頭を撃った傷が意外に重くて昏睡状態に。しかし、捜査一課の懸命な努力(と、箕田刑事の勇み足ともいえる発奮によって)箕田・平野は犯人の家を発見し、鈴木真寿美を追いつめることに成功。

拳銃を構えて鈴木と向き合う平野。鈴木は撃ち、右手を撃たれたが平野は発砲しなかった。その時、うしろから箕田が発砲、やがて警察官の備品などを横流ししていた芥川智行も捕らえられ、事件は解決したかに思えた。

その後の調査で、西島は芥川に撃たれたわけではないことが判明。撃った拳銃は西島の改造モデルガンではなく神崎が奪われた銃と思われたが、拳銃を取り戻してみると、鈴木が平野を撃った一発しか撃たれた形跡がない。ということは、神埼の拳銃と同型の拳銃が使われたということ。……警察関係者か!?

コンビ捜査をしていた時に単独行動が目立ったこと、押収した備品から制服が抜き取られていたことから、それが可能なのは一人しかいないと判断し、平野は箕田の家に向かう。平野に問い詰められた箕田は犯行を自供するのだった……

平野は、幼い頃を過ごした教会に行き、シスターに絵のことを話す。シスターは、三浦茜が平野の母であること、教会の前に捨てられていたのではなく、赤ん坊の父に死なれ、自分も余命がわずかであることを知った茜が預けに来たのだということを(今ごろになって)話すのだった。

西島が頭痛に苦しむ。西島のトラウマは、幼い頃に、男が女の首を締めているところを目撃してしまったこと……?

感想

初の前後篇。ふたつのエピソードがどう絡むのかと思ったが、特に絡まないまま進行した。

話が長い分、どんでん返しがあって楽しめたが、設定の甘さも目立つ。結局箕田は警察の制服やら手錠やらの横流しをして小金を得ていたわけだが、鈴木が神崎の拳銃を奪ったのも、瀕死の重傷を負わせたのも無関係。もしバレれば懲戒免職は免れまいが、いわば微罪だ。共犯者の芥川や鈴木を、つかまらないように高跳びさせる(逃亡の手伝いをする)ならわかるが、口封じのために殺すのは全く理解不能。罪の重さが違い過ぎる。

箕田がやったのだろうと当たりをつけた平野が一人で箕田の家に行くのも理解不能。なぜ誰にも話をしなかったのか? 自分一人で解決したかったのか? 応援を求めなかったことを注意されたばかりだと思うが……。それに若い平野が(いくら正論とはいえ)箕田に延々と説教するのはいただけない。聞かされる(視聴者の)身になってみろ。

西島を撃ったのは箕田だったらしい。そもそも芥川は西島たちを撃とうとしたのではなく、そのうしろにいた箕田を撃とうとしたのであり、それに応戦した箕田の弾が西島に当たった、というのが真相らしいのだが。箕田が西島の後ろにいたのなら、なぜ撃たれた西島が後ろに倒れるんだ?

平野を育てたシスターが、両親の話を一切しなかった理由も不明。「明るく振る舞っているあなたを見て、ご両親のことは乗り越えていると思ったの」って、0歳児の段階で預けられたわけでしょ? 物ごころついてから、繰り返し話して聞かせなければいけないことなのではないの?

前回、篠原房子と平野が画廊を訪ねた時に山城が不在だったのは何かの伏線かと思ったがそういうわけでもなかったらしい。篠原と平野が二人っきりで話ができるように席を外したということ?

いろいろと杜撰なのだが、面白い部分もあった。第一話で平野は西島に「顔が見えないのはあなたで二人目」と言った。一人目は自分だった。長い間両親に棄てられたと思っていた平野は、自分のことが愛せず、自分に向き合う勇気がなく、だから自分の顔がわからなかったのだ。両親に愛されていたことを知った平野は、ようやく自分の顔が描けるようになる。こういう話の持って生き方は面白い。

そして西島のトラウマもいよいよ明かされるか……。残り3回。