窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

40人以上を殺す冷酷な殺人鬼「悪の教典」

題名悪の教典
原作貴志祐介
監督・脚本三池崇史
出演伊藤英明(蓮実聖司・ハスミン、英語教師)、山田孝之(柴原徹朗、剣道部顧問)、平岳大(久米剛毅、美術部顧問)、吹越満(釣井正信、物理教師)、染谷将太(早水圭介、集団カンニングを先導)、西井幸人(高木翔、アーチェリー部キャプテン)、KENTA(蓼沼将大、不良・柚香と両想い)、浅香航大(夏越雄一郎、早水の親友)、林遣都(前島雅彦、美術部)、尾関陸(渡会健吾、東大を目指している)、二階堂ふみ(片桐怜花、夏越・早水と仲がいい)、水野絵梨奈(安原美彌、柴原にセクハラされる)、山谷花純(三田彩音)、滝藤賢一(清田勝史、清田梨奈の父親)、矢島健一(刑事)、他
公式サイト「悪の教典」公式サイト
制作日本(2012年11月10日公開)
劇場新百合ヶ丘:ワーナー・マイカル・シネマズ

雑感

伊藤英明が次々と人を殺しまくる。その数、40人以上という、日本映画にはなかなかない作品。前評判ではものすごく衝撃的らしかったが、それほどでもなかった。まあ、それなりに面白かった。

蓮実聖司が、冒頭では人気教師のように映していて、途中で冷酷な殺人鬼であることがわかる……というあたりがひとつの肝と思われるが、英語の発音はイマイチ。また、やたらに女生徒の身体(特に髪)に触るのもいただけない。さほど嫌がられてはおらず、人気はあるようだが、あれは完全なセクハラで、見ていてもちょっと嫌だった。

蓮実が人を殺すのは、邪魔な人間を排除するためか、殺人自体を楽しんでいるのか。ほとんどの場面で無表情に手を下していることから、前者かと思われるが、それであればあまりに簡単に殺人の判断を下し過ぎる。抵抗されたり発覚した時のリスクを考えれば、最後の最後の手段であるべきなのはわかるはず。一方、早水圭介を殺す時は身体中に火箸(?)を当てていくという残忍な方法を取っていた。となると後者なのか……?

わざわざ文化祭の前日、クラス全員が泊まり込みで準備をしている夜に美彌を殺そうとしたのは謎。それを見つかって、隠蔽のため全生徒を殺そうと考えるのもすごい話だが、凶器に使った鉄砲をどこから入手したのか不明。

生徒たちが、ただ泣き叫ぶだけで(一部、逃げようとする生徒もいるが)何もできないまま順に撃たれていくのはちょっと解せない。信頼していた先生が……と最初は唖然としていたかも知れないが、何人も殺すのを目撃して、我らが先生は殺人鬼であることがわかってもなおぼーっとしているとは。鉄砲は二連発でマシンガンのように連射が効くタイプではない。高校生5〜6人が一斉に飛びかかれば、押さえつけて銃を奪うことも可能では。少なくとも、こんなに簡単に殺されることはなかったろうと思うが、誰も反撃しないのは不思議だ。でも素人の反応はこんなものかも知れない。何も考えられず、足がすくんで動けなくなってしまうのかも。

柴原は厭な教師の設定のはずだが、ドラムがうまくて生徒の喝采を浴びる場面がある。あれは山田孝之の素の腕前なんだろうか?

殺されたクラスメートを身代りにして生き延びる夏越と怜花だが、なぜ彼らが裸だったのかが謎だ。みんな制服なのだから、(身代りにするために)自分らの服を着せる意味はなかったと思うのだが。

配役

二階堂ふみはもちろん平徳子である。が、全くわからなかった。観終わったあとで役者を調べていて知り、驚いた。言われてみれば確かにそうかも……認知力、低いな。

久米先生は趙萊和(「平清盛」で鎌田正清役の)だと思い込んでいた。実際は平岳大だったが。そういえば鎌田正清を見た時に平岳大かと思ったのだった。似ているよね……? 自分の認知力が低過ぎるのか? 平岳大は「江」で佐治一成(最初の夫)役で知った。映画の「SP」にも登場。「外事警察」では陽菜の昔の同僚として登場するが印象なし。趙萊和は鎌田正清で知ったが、TVドラマの「SP」でも病院に立てこもったテロリスト役で登場している。藤原竜也主演の「おかえり、はやぶさ」にも出ていたようだが印象なし。

悪の教典 -序章- [DVD]

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