題名 | 劇場版タイムスクープハンター -安土城 最後の1日- |
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監督・脚本 | 中尾浩之 |
出演 | 要潤(沢嶋雄一、時空ジャーナリスト)、杏(古橋ミナミ、新人時空ジャーナリスト)、夏帆(細野ヒカリ、タイムナビゲーター)、竹山隆範(谷崎勉、第二調査部部長)、宇津井健(一ノ瀬忠文、局長)、時任三郎(矢島権之助、織田家の家臣)、上島竜兵(島井宗叱、博多の豪商)、小島聖(志乃、夜盗に捕らわれていた遊女)、嶋田久作(伴山三郎兵衛、織田家の家臣)、他 |
公式サイト | 『劇場版タイムスクープハンター 安土城 最後の1日』公式サイト |
制作 | 日本(2013年8月31日公開) |
劇場 | 新宿ピカデリー |
内容紹介
タイムワープ技術を使い、教科書に載らない真実の歴史をスクープするのが「時空ジャーナリスト」。今回は沢嶋が本能寺の変のあとの京都の様子を取材しているうちに、楢柴肩衝が現代人(元タイムスクープ社の人間か?)に奪われ、それの奪還の指令を受ける。そして安土城が焼失したとされる日の前日に安土に入るが……
雑感
歴史上の出来事をイベントに仕立て、名もなき町民や農民にインタビューしその結果をテレビで流す、というのは現在多くのニュースやバラエティ番組でやっていることであり、それと同じ手法を取っているのが、いかにもなるほどと思わされると同時に、強烈な皮肉にも感じられた。
つまり、現代のジャーナリストやマスコミ人が過去に行って事件を取材すれば、まず間違いなくこういうスタイルになるだろう、と思わされる点は「なるほど」であり、とりあえずその辺の通りすがりの人の声を集めて一丁上がりというのがいかに安易な手法であるかを認識させられるという点が皮肉になっているのでは? とも感じられたのだ。
初登場の人物や、物にテロップがつくのは、観客に対して非常に親切であると同時に、いかにも現代風な演出であり、こうした細かい点もよく作られていて、興味深かった。
このような取材の仕方をしていれば、命が危険にさらされる場面はしばしば訪れると思われるが、それに対する防衛手段としてはフリーズガン(36秒間だけ相手の時間を止めることができるもの)程度しかないのは、ちょっと「じぇじぇじぇ」である。歴史を変えてはいけないから、相手を殺傷することはできないとしても、もう少し護身具を持っていないと……
中世にはそれほど詳しくはないが、「へうげもの」を読んでいたおかげで、島井宗叱が後生大事に持っていた茶器を見た時、楢柴肩衝では? とわかったのは嬉しかった。
「安土城の焼失の謎を追え」というサブタイトルにも関わらず、安土城が焼失した理由はわからなかったな、と思っていたら、エンドロールのあと、まさかまさかのサプライズ。気を抜いていたため気づくのが遅れた。もう一回劇場へ行くのは時間的に難しいが、エンドロール後の映像はもう一度確認したい。