第6週「ドクダミ」(月)
放送日
- 2023年05月08日
登場人物
- 中村蒼(広瀬佑一郎)
概要
東京に着いた万太郎と竹雄は、野田基善らがいる博物館へと足を運ぶ。野田から東京大学への紹介状をもらった万太郎は、名教館時代の学友・広瀬佑一郎の元へ。佑一郎に下宿先を紹介してもらっていたのだが、植物標本などの荷物が多すぎるから捨ててほしいと言われてしまい……(NHKオンデマンドの解説より)
せっかく佑一郎の父の家に書生として住み込むことが決まっていたのに、家を出て、新たな下宿を探すことにしたのだった。
今日の万太郎と竹雄
「峰屋を出た以上、おまんはもうわしの従者じゃない。相棒じゃ」
感想
住むところをどのように決めたのかは不思議に思っていた。旅館ならともかく、住む場所が決まらないまま東京に出て来ることはさすがにできないだろう。今なら現地の不動産屋に連絡を取って探してもらうこともできようが、当時そういうものはないだろう。野田基善や里中芳生は、そこまで頼めるほど親しくはないだろう。
ところが広瀬と連絡がつき、下宿先を探してもらえることになったという。広瀬ならば頼みやすいし、頼みを聞いてもくれよう。東京の事情に明るく、相談するにはもってこいだ。
しかし当然、書生部屋は狭く、自分の置ける荷物は限られている。「書生として住み込むからには、その家の流儀に従う必要がある」「もう峰屋にいた時のようにはいかん」という広瀬の言は、いちいちごもっともだ。
私だったら、頼み込んで一両日だけ置かせてもらい、野田の博物館か、これから仕事をすることになる東大の研究室に置かせてもらうよう交渉する。それがダメなら、いったん納屋に移動させて善後策を考える。いつでも見られるよう身の回りに置いておくという贅沢は、いったん封印する。
万太郎は我慢をしなかった。そして、下宿先も決まらないまま大八車に荷物を乗せ、家を出て来てしまった。ボンボンだなあ、と思う。