東京芸術劇場で行なわれた「ピアノの森コンサート」を観て来た。
4人の演奏者のうち、橋本健太郎くん、野上真梨子さんは映画で修平、誉子のピアノを弾くので、まあ意味はわかるが、肝心の清水和音氏、高橋多佳子女史が映画にどう関係するのかわからず、どういうイベントなのか今ひとつわからないままの参加だったが、結果的にはとても楽しめた。S席4000円は高くなかった。
結局、映画を盛り上げるためのプレイベントのひとつで、盛んに「映画は感動的」「ぜひ観にいきましょう」などと繰り返していたMCはお気の毒だったが、イベント自体は割と気楽に聴けて、かつ、それなりに堪能することができた。
簡単なメモ(敬称略):
- 年齢による演奏の違いをかなり強く感じた。清水和音、高橋多佳子はちょっと自分の色を出し過ぎるきらいがある。それに比べると、橋本健太郎(14歳)、野上真梨子(15歳)の演奏は素直で、比較的楽譜に忠実だった……ように感じた。僕としては、あまりひねくらない演奏の方が好きだ。少なくともこういう場では。(高橋多佳子のリサイタルに行ったならば、また感想は変わったであろうが)
- 「エリーゼのために」、この曲はそれこそプロ・アマチュアを含め、いろんな人の演奏を耳にしてきたが、感心したことがない。今日の高橋の解釈も、僕のイメージとはかけ離れていた。野上真梨子だったらどう弾くだろう。
- 4人によるショパンの競演はかなり楽しめた。本当に弾く人によって変わるものだ。
- 若い二人は何を考えてショパンを弾いていたのだろう。彼らはまだまだ語るべき人生経験もほとんどなく、込められる「思い」があるとも思えない。しかし、変に演奏者の思いなんかこめずに、淡々と弾くのもまたいいのかも知れない。
- いつも思うのだが、女性ピアニストはほとんどの場合ノースリーブの衣裳だ(今日もそうだった)。キャバクラじゃないんだから、過度な肌の露出はどんなものかと。堂々と肌を晒せる人はいいけれど、つらい人もいるだろう。薄手のブラウスあたりが定番になるといいのに。
- また、男性ピアニストは上着を着ている(今日もそうだった)が、自分の経験では上着はかなり重たいもので、長時間の演奏となると、負担がバカにならない。腕を軽やかに動かすのが仕事なのに、重石をつけてどうするのか。上着は脱いでワイシャツ一枚がいいんじゃないかなァ。なんで上着なんか着ているんだろうなァ。
- 高橋多佳子と野上真梨子の年齢の差は、胸の大きさにも如実に現れていた。あら、お下品。でも高橋さんは立派な胸をお持ちのようで……