窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

テレビドラマよりはるかに面白い「真夏の方程式」

7月1日に観に行く。実に面白い。

題名真夏の方程式
監督西谷弘
脚本福田靖
出演福山雅治(湯川学)、吉高由里子(岸谷美砂)、北村一輝(草薙俊平)、杏(川畑成実、環境活動家)、豊嶋花(川畑成実・幼少時)、青木珠菜(川畑成実・高校時代)、前田吟(川畑重治、成実の父、旅館「緑岩荘」を経営)、風吹ジュン(川畑節子、成実の母)、山粼光(柄崎恭平、成実の従兄弟)、田中哲司(柄崎敬一、恭平の父)、西田尚美(三宅伸子、16年前に殺害されたホステス)、白竜(仙波英俊、三宅伸子殺人事件の犯人)、塩見三省(塚原正次、仙波英俊を逮捕した刑事)、根岸季衣(塚原早苗、正次の妻)、神保悟志(中川雅人)、綾田俊樹(鵜飼継男)、他
公式サイト映画「真夏の方程式」大ヒット上映中
制作日本(2013年6月29日公開)
劇場イオンシネマ新百合ヶ丘

内容紹介

美しい海の残る玻璃ヶ浦からほど近い海底にレアメタルが大量に存在する可能性があることがわかり、開発計画が進んでいた。川畑成実らは美しい海こそが何より玻璃ヶ浦の財産であり、それを残すべく開発阻止に動いていたが、地元はこれといった観光の目玉もなくさびれていく一方で、地元にも開発に意欲的な人が多く意見は割れていた。開発会社による説明会の際に、アドバイザーとして湯川が呼ばれ、玻璃ヶ浦を訪れることに。

柄崎恭平は、親が仕事で忙しいため夏休みを利用していとこである成実の家に一人で行き、しばらく滞在することになった。移動の列車の中で年寄りに絡まれた時に助け船を出してくれたのが湯川だった。その湯川が緑岩荘に滞在することになったため、湯川に親近感を持つ。湯川は子供が嫌いで子供扱いしないが、子供扱いされるのにうんざりしていた恭平は、ますます湯川にまとわりつくことになった。

そんな矢先、観光客が酔って堤防から落ち、亡くなるという事件が起きた。どうやら緑岩荘の客らしい。が、これは事故だったのか……?

雑感

よかった。面白くてほっとした、というのが率直なところ。テレビドラマがあんなだったんで、映画もあんなだったらどうしようととても不安だったのだが、二つの事件が輻輳し、伏線はきちんと回収され、謎解きはそれなりにしっかりしており、湯川先生の物理学者らしさも示されていた。なにより吉高が魅力的だった。

ガリレオ映画第二弾とテレビドラマのシーズン2は同時に企画され、撮影は映画が先だが、ストーリーとしては映画はテレビドラマの後日談になるということだったため、予習のつもりでテレビドラマをずっと見ていたわけだが、吉高は鼻につくわ脚本はぐちゃぐちゃだわで、正直映画がこのレベルだったら観てもしょうがないなと思ったのだ(実際、自分の周囲には映画を楽しみにしていたのだが、テレビドラマを見て映画をやめた人がいた)。

特に今回は、「容疑者Xの献身」と違い、テレビドラマのレギュラーで登場するのは湯川、岸谷、草薙のみで、太田川刑事や監察医のアイザックはもちろん、栗林クリちゃんも登場しないのだ。遠征先での出来事だから致し方ないといえば致し方ないが、たとえば電話をかけてきて「先生! いつまで玻璃ヶ浦にいるんですか。説明会はもう終わったはずでしょ。そろそろレポートのチェックをしていただかないと……えっ、捜査? 捜査ってなんです? また警察の仕事を手伝っているんですか!?」みたいな形で登場させる手だってあったのではないか。

ドラマとのリンクは基本的に何もないので、ガリレオシリーズを初めて観る人も問題なく楽しめたと思うし、少なくともシーズン2を見ておく必要性は全くなかった。先に映画を観てあとでDVDでまとめて観れば十分だったよ。

配役

吉高由里子が美人だった。もともと彼女は、年が若く小柄なせいもあって、可愛いとは思うけど美人だと思ったことはなかった。本作ではお化粧のせいもあり、妖艶というか、テレビドラマとは全く違う色気を感じてちょっとゾクっときた。性格も(ドラマとは違って)抑え目でいい感じだ。もっとも、逆にいえばキャラクターとしての存在感はなかったが。

麒麟の翼」の中井貴一、「容疑者Xの献身」の堤真一などのように、キーになる人がずばぬけた演技力で存在感を発揮すると全体の面白さが大きく変わってくるのだが、今回は残念ながらそういう人はいなかった(前田吟にちょっと期待したけど、そこまでではなかった)。白竜の演技はすごかったが、登場時間が短過ぎ、作品全体の印象を左右するところまではいかなかった。

あとは杏が惜しげもなく水着姿をさらしてくれたから、よしとするか。ああいう健康的な肢体はいいね。

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