昨年10月4日に放映されたテレビスペシャル版。テレビドラマ編の3年前、湯川学が草薙俊平に頼まれて初めて刑事事件に手を貸すエピソードに、さらに学生時代の湯川が草薙の疑惑を晴らすべく、謎解きに挑むエピソードが絡む。
出演
感想
草薙は若い。弓削志郎は新人刑事で、死体を見て吐く。監察医の城ノ内桜子はこの事件で草薙と知り合う。特筆すべきは栗林宏美(渡辺いっけい)だ。湯川が学生時代に既に助手だったが、髪を妙に長くのばした渡辺いっけいが本当に学生に見えた。この時点では将来を嘱望されている……かどうかはわからないが、本人はそう思っていた様子で、それを鼻にかけているのが笑える。メインの事件では既に湯川に抜かされているが、振りまわされつつも忠誠心にあふれる、実直で人のいい姿は感涙を誘う。レギュラー陣の中では栗林に最もスポットが当たった話ではないか。
テレビ本編では先輩としてチラリと顔を出すだけの草薙も、今回は出ずっぱり。ようやくレギュラーになれたか。当然のことながら、内海薫(柴崎コウ)は登場しない。
話はよくできていた。テレビ本編がどんどんぐだぐだになっていたことを考えると驚くが、このレベルの話に仕上げてくれるのなら、なにも文句はない。
意外と(?)女好きな湯川先生が、「ビキニの女の子」につられて現場へ行く気になるところ。草薙とともにビーチバレーで活躍し、一躍、浜辺の人気者になるが、集まってきた女の子に物理の話しかせず(できず)、結局イロっぽいことにはならないあたりのギャグもまずまず。
被害者は、誰に殺されてもおかしくない人だったが、実際に手を下したのは? 登場人物の中では可能性のあるのはわずかしかいないのだが、最後まで(僕には)わからなかったし、動機もひとひねりしてあって意外性があった。これは蟹江敬三、香里奈の演技力の賜物と思う。
トリックも特に破綻はなく、また絵的にも見栄えがして、悪くなかった。強いて言うと、謎を解く鍵になったレーザーポインタだが、金属発射装置に照準器としてついているならわかるのだが、杖についていても意味がないのではないだろうか。
ところで、塩野谷あかりって何のためのキャラだったんでしょうね。湯川研にくるような性格には見えないし、ドラマの中でもずっと浮いていた気がする。大学の理学部を出ても、特に女性の場合はなかなか就職先がないとはよくいわれることである。自分のやっている研究が、世の中のなんの役に立つのか疑問を持つのはわかるが、彼女の出した答えが「警察官になる」では……ね。
ドラマとしてはよくできていたのだが、なんとなく退屈だったことも正直なところである。やっぱり、内海薫とのお約束の掛け合いがないと、ガリレオじゃないってことなのかなあ。
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