第7週「ボタン」(水)
放送日
- 2023年05月17日
概要
万太郎は、東京大学植物学教室の教授・田邊に大学へ出入りさせてもらえないかと懇願する。万太郎が小学校中退だと知った助教授・徳永と講師・大窪は猛反対。教室は不穏な空気に包まれる。そんななか、万太郎の「土佐植物目録」を見た田邊は万太郎に興味を示し…。どうなる万太郎!?(NHKオンデマンドの解説より)
東京大学には教授が十数人いるが、日本人は四人しかいない。黎明期の日本の植物学を世界に伍するものとしていくために、万太郎が必要だと田邊は判断した。彼は万太郎に言う。「I want you here.」
感想
万太郎が田邊らに切った啖呵に快哉を叫んだ人がネットにはたくさんおり、あさイチの鈴木アナもそう言っていたが、自分は逆の感想を持った。
田邊の「What do you want?」との問いかけに対し、万太郎は明確に答えることができない。照れたり、なんといえばいいのか、話せば長いことながら……と要領を得ないことを繰り返す。聞いていてイライラした。
やりたいこと、やらせてほしいことはこじゃんとあるだろうが、まず第一に、土佐の植物の生育についてまとめてきたこと、植物標本が500以上あること、図鑑や手に入る限りの文献を調べたが名前のわからないものがたくさんあり、新種の可能性があるから、東大の標本と突き合わせをさせてほしいこと。
新種の可能性がある標本が鞄一杯あるのであれば、それは学者としては興味津々のはず。本当に新種が混じっていたら、世界に発表できる。日本のレベルをあげるチャンスであり、それは東大の、田邊研究室の手柄でもある。万太郎は、学生として植物学を一から学びたいと思ってやってきたわけではない(学びたいかも知れないけど)。それを最初に言っていれば、他の人の態度も少しは違ったものになったかも知れない。
最終的に教授が受け入れてくれたからいいけれど、説得術という点では苦笑せざるを得ない展開だった。