窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「らんまん」(105)

第20週「ノジギク」(金)

放送日

  • 2023年8月25日

概要

寿恵子は植物採集へ出かける万太郎にキクを探してきてほしいとお願いする。そして迎えた“菊くらべ”当日。みえや菊千代らが持ち寄ったキクを岩崎が品評する。華やかなキクが並ぶ中、最後に寿恵子が差し出したのは白くて小さな「ノジギク」。寿恵子は花の魅力を堂々と語り出す。その言葉は岩崎の胸に響いて……。(NHKオンデマンドの解説より)

“菊くらべ”で選ばれたのは菊千代が持ってきたものだったが、岩崎はみえに、野路菊も書いとる旨を伝える。その頃、万太郎の許には徳永教授から、助手として正式に雇いたいとの連絡が来ていた。

今日の寿恵子

「どちらの菊にも優劣はございません。ですが、野路菊とこちらの菊たち、ともに揃えば、大陸と海、それから幾成層にわたる日本の人々の創意と工夫に、思いを馳せることができましょう」

今日の岩崎弥之助

「花のみならず、昔の誰ぞを思い出すのう」
「あの花、300で買い取っちゃる」

感想

菊くらべはもう少し派手な会になるのかと思ったが、メンバーは前回と同じで、大隈様が列席したわけではなかった。菊を持ち寄ったのは店のスタッフだけ。

寿恵子以外の者は花屋から高価な菊を買ってきたのだろう。賞金が入らなかったら全部持ち出しだ。

寿恵子が提出した野路菊は他の見事な菊と見栄えでは比較にならない。恩田大佐が「なんだその貧相な花は、下げさせろ」と言うのを岩崎が押しとどめて話を聞く……というのは「美味しんぼ」しぐさだな。

菊は中国(唐)が原産。それを長い時間をかけて日本人が見事な花に変えたけれど、原産そのものの菊もある、それが野路菊だと。みな感心して聞いていたが、優勝は菊千代が持ってきたもの。話を訊けば面白いけれど、見事さでは話にならない。その上、芸者を差し置いて入って来たばかりの寿恵子が優勝したらいろいろと差しさわりがあろう。この審査は正しい。

そして他の人には内緒で、みえにだけ、野路菊も買い取ることを伝える。このあたりの機微はさすがである。もしかしたら弥之助は土佐でこの花を見たことがあったのかも知れない。また、菊千代の持ってきた花は、見事ではあるが珍しくはないから、これだけでは大隈様は喜ばないかも知れないと考え、野路菊とセットで(寿恵子の講釈付きで)贈呈したら面白がるだろうとの計算もあったかも知れない。

冒頭で万太郎が、八犬伝を質に入れたことを知ったと寿恵子に伝えるシーンはよかった。寿恵子が八犬伝を手放すのは相当だということを万太郎がわかっていて、ほっとした。こういう事態に追い込んだのは自分だが、八犬伝だけは手放さないでくれ、と懇願するのもよかった。万太郎が自分が「好き」なものを大切にしてきたから、寿恵子にも「好き」なものを大切にしてほしいのだ。

それにしても、みえから100円(給料の先渡しだとしても)、岩崎から300円、万太郎は定職に就いた。もうお金の心配はしなくてもよい……のか?


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