大げさ過ぎる作戦

沖田管理官は、被疑者確保にあたって、SAT(警視庁特殊急襲部隊)とSIT(警視庁特殊捜査班)を動かそうとした。実際に映画に登場したのはSATだけだったが、途中で「SATは下がって。SITは何をやっているの!?」のようなセリフがあったと思う。

しかし、そこまでするほどのことだったのだろうか。

お台場の封鎖もそうだ。日曜日ともなれば何十万人という人が訪れるということだから(冒頭で年間4,000万人と紹介があったはず。単純に365で割れば一日11万人、日曜は平日の数倍と考えれば……)、小さな商店でも100万円単位、大きなアミューズメントパークなどでは数千万円規模の売上げを期待しているのではないだろうか。

一日封鎖なんかされた日には、商売としては致命的で、下手したら潰れる店が出てきてもおかしくない。そのくらい社会的な影響の大きなやり方である。

レインボーブリッジを封鎖するには関係各省庁の承認が必要で、すごく時間がかかっていたけど、これも、各担当者が「そこまでするほどのことか?」という気持ちを持っていたために、遅々として進まなかった、という側面もあるのではないだろうか。

一応、平和国家日本では、常時テロリストの動向に備える必要はない。また、恐らくは同一犯によって立て続けに二人殺されたということになると、相当悪質なテロリズムともいえるわけで、それでSATの出動を(沖田管理官の強い希望もあり)本庁は認めたけれど、決して名作戦だと支持しているわけではなかっただろう。

このあたりは、犯人が捕まる=自分の点数が上がることが優先事項で、周囲の迷惑など関知しない、沖田管理官の傲慢さがあふれている。

ただし、いくら傲慢で自分勝手であっても、このスケールの大きさは並大抵ではない。

一般に、女性がリーダーになった場合、とかく目先のことに追われがちで、大局を判断できないことが多いといわれる。彼女にはそれがない。これは、彼女の優秀さを表わしているともいえるのではないか。ちょっと沖田の肩を持ち過ぎかも知れないけど(笑)。