なんで映画館に行かないの?

少し古い記事だが、興味深い内容が記されている。まずは元になった調査結果はこちら。

この調査結果は、自分自身の感じ方や周囲の人の言うことと合わせても、おおむね妥当な内容だと思う。が、これを元にしたサーチナニュースの分析は、少々疑問を感じないでもない。

映画館では映画を観ずに他の媒体でのみ観るという人が7.2%「も」いる、と問題視し、「映画館市場が不調」との話をちらほらと耳にするが、と出典のあやふやな説と強引に結びつけているが、そもそも映画業界としては、映画館の売上げで利益を出そうとは、あまり考えていないのではないか。それは儲かるにこしたことはないけれど、劇場公開そのものが一種の「番宣」であり、その後のDVD/BD販売で儲けることを考えているのではないだろうか。あまりにも早い公開打ち切り、あまりにも早いDVD/BDリリース、そしてディレクターズカットなどと称して公開されたものに映像を追加したり、中にはストーリー自体も公開版とは変えたものをリリースしているのを見ていると、つくづくそう感じる。

僕は、映画館で観たものが映画である、と考えているので、観たいと思う人がいる限りは劇場公開を続けてほしいし、DVDは公開されたものと同一の内容であってほしいと思っている。ただ、映画界の上記の方針に加え、レンタルであれば劇場へ行くよりはるかに安い値段で見ることができるのにも関わらず、レンタルやテレビ放映だけでよしとしている人が「たった」7.2%しかいないことに、僕はむしろ驚き、安心(?)したくらいだ。

それにしても、制作側の、公開まではこれでもかというくらいに宣伝を行ない、テレビをはじめあちこちで予告編を流し、チラシを配っているのに、いったん公開されてしまうと、潮が引いたように興味を失くしてしまう(次の作品に興味が移ってしまう)あの落差は、なんとかならないか。

映画館に行っても、館内に貼ってあるポスターや看板はこれから公開されるものだけ。今上映中の作品の案内はどこにもない。チラシも置いていない。だから、たとえばちょっと映画館に立ち寄って、今何をやっているのかな、面白そうなものがあれば観ようかな、と思っても、題名や時間はわかるけれど、内容はわからない(それは手許の携帯を使ってインターネットを見ろということか)。映画を観終わって、余韻を反芻すべく、ポスターを眺めたりチラシを読んだりしたいと思っても、それは叶わない(800円出してパンフレットを買えということか)。

せっかく映画を観に行っているのに、劇場の側で、「どう? 面白かったでしょ!」というような雰囲気が感じられないのは寂しい。ポスターや予告編の場内放送などはスペースの問題もあろうが、チラシを置いておくぐらいのことは、やろうと思えば今日からでも実行できるはず。もし「映画館市場が不調」というのが事実ならば、来場した客をもっと大事に扱ってほしいと思う。