スケールの大きな日本映画「藁の盾」

題名藁の楯
原作木内一裕
監督三池崇史
出演大沢たかお(銘苅(めかり)一基、SP)、松嶋菜々子(白岩篤子、SP)、岸谷五朗(奥村武、警視庁捜査一課)、永山絢斗(神箸正樹、警視庁捜査一課)、伊武雅刀(関谷賢示、福岡県警)、本田博太郎(大木係長、銘苅・白岩の上司)、余貴美子(個人タクシーの運転手)、藤原竜也(清丸国秀、殺人事件の被疑者)、山崎努(蜷川(にながわ)隆興、資産家)、他
公式サイト2013年4月26日公開|映画『藁の楯 わらのたて』公式サイト
制作日本(2013年4月26日公開)
劇場新百合ヶ丘:ワーナー・マイカル・シネマズ

内容紹介

少女が強姦された上惨殺された。遺留品のDNA鑑定から犯行は清丸国秀によるものと断定され全国指名手配された。清丸国秀は8年前にも女性を暴行殺害してつかまり、仮出所したばかりだった。処罰が甘いのではないかとの批判も起きる中、この男を殺したら10億円払うという広告が主要新聞に一斉掲載された。広告主は日本有数の資産家・蜷川隆興。殺された少女は蜷川の孫娘だったのだ。

清丸国秀の潜伏先を知る仲間が清丸を殺そうとする。これをなんとか退けたものの、身の危険を感じた清丸は福岡県警へ出頭。未遂に終わった人には1億円が贈呈されると発表があった。殺害を成し遂げた暁だけでなく、未遂でも大金が支払われると知って日本中が俄然、色めき立つ。留置所の署員や病院の看護師などが次々に殺害を企てる。彼ら・彼女らにはそれぞれ1億円が贈られることになる。

送検のために清丸を48時間以内に警視庁に移送する必要がある。捜査一課の奥村、神箸、警護課SPから銘苅、白岩、福岡県警から関谷の5人が護送に当たることになった。が、賞金を狙って襲ってくる人が後を絶たない。なぜこんなクズを、という疑問を胸に秘めつつ、5人の護送チームは命懸けで清丸を護るが――

感想

一生をかけても見合うと思われる大金を賞金を首にかける。未遂でも大金を支払うというのがミソだ。もともと相手は、司法では裁けない人間のクズであり、表向き正義は成り立つ。これによって多くの人が清丸殺しに参加することになった。この設定はうまい。何をいわれても普通の人は人を殺したり傷つけたりはしないし、できない。でもこうした条件のもとでなら、やろうと思う人が次々に出てきてもおかしくない。おかしくないと思わせるだけの説得力はある。

また、「一般人は怖くない。彼らは武器も持っていないし、訓練も受けていない。怖いのは、武器を持ち、訓練された者たち……」と途中で銘苅がつぶやいた時にはっとさせられる。警察官や機動隊員も信用できない。いや、被疑者を護るためと称して警備の人数を増やせば増やすほど、危険が増すという矛盾を抱えることになったのだ。この設定もうまい。

この先は何を書いてもネタバレになってしまうので控えるが、邦画にしてはスケール感があった。
一点だけ。

松嶋菜々子って、いや松嶋が演じた白岩篤子って、間抜けだな。容姿端麗成績優秀、格闘術・射撃術に優れる……という設定だったが、どこが? と思う。まあ、容姿端麗はいいとして。SPには最も不向きな人間と思う。それが残念だった。