窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「カムカムエヴリバディ再放送」(025)

  • 第05週「1946-1948」(金)

概要

安子の前に突如現れた千吉。安子に、るいを連れて雉真家に戻ってくるよう説得するためでした。しかし、安子の固い決心は揺らぐことはありません。安子は一層おはぎ作りに精を出し、大口の顧客を増やすために営業にも回るようになりました。これまで安子とるいの日々の楽しみだったカムカム英語を聴く余裕すらないほど、忙しい日々を送っています。息つく間もなく、作業に没頭する安子でしたが……。(NHKオンデマンドの解説より)

感想

  • オート三輪の運転手は、交通事故を起こしたのに逃げるとは酷い、と思っていたが、「ラジオで! カムカムエブリバディ」(2022年の英語講座)によると、安子は軽トラックをよけようとして転倒したとある。接触しなかったから気付かず去ってしまったのか。
  • この時点でるいは痛がっても怖がってもおらず、安子に懐いているのは救いだ。
  • さすがに、その日のうちに岡山へ帰ったわけではなかろう。配達する予定だったところへは安子が事情説明と謝罪に行ったと信じたい。

カムカムイングリッシュ

  • Workmates.(仕事仲間)

ラジオ講座などではcolleague, co-workerはよく使われるが、workmateは初めて。辞書を引くと主にイギリスで使われるとのこと。

「カムカムエヴリバディ再放送」(024)

  • 第05週「1946-1948」(木)

登場人物

概要

1947(昭和22)年。米や砂糖、小豆など菓子作りの材料が少しずつ手に入るようになり、安子はおはぎやおまんじゅうを作って売り、るいとつつましく暮らしていました。カムカム英語は日本中で爆発的な人気を誇っています。倹約して買ったラジオから聞こえるカムカム英語は安子とるいの毎日の楽しみでした。そして一年の時がたった頃……安子のもとにおはぎを毎朝200個仕入れてほしいという依頼が舞い込みます。(NHKオンデマンドの解説より)

年代背景

  • 1946年、全国中等学校野球大会が西宮球場にて再開。1947年、甲子園にて全国大会が再開。優勝は福岡の小倉中。

感想

  • 安子がおはぎの歌を歌う。おはぎを売るようになったのだ。「たちばな」も名乗るようになった。
  • オープニングロールで「雉真稔」に「回想」がつかなかったから「え?」と思ったが、稔、安子、るいの三人が幸せに暮らすシーンが……。夢想だが、安子が、そして視聴者みなが望んだシーンだ。こういうシーンがあってよかった。
  • るいもわずか一年で著しい成長を見せたが、この間は、安子は大変ではあっただろうが、商売は順調、暮らし向きも少しずつよくなり、ラジオが買えるまでになった。よかったよかった。幸せなのは何より。配達時に雨が降らず、るいが病気になることもないのはご都合主義だが、それは許容範囲だろう。
  • カムカム英語、オープニングとエンディングでは歌詞が違うのだな。

カムカムイングリッシュ

  • Sing along!(一緒に歌おう!)

「カムカムエヴリバディ再放送」(023)

  • 第05週「1946-1948」(水)

概要

安子は試行錯誤を繰り返しながら芋あめを作っていますが、そう簡単には売れません。るいを守る一心で自分はろくに食べもせず、働きづめの日々です。そんな中、安子は住宅街の民家から漏れ聞こえる英語の歌に出会います。それは平川唯一という講師の『英語会話』第一回放送でした。それから毎日仕事終わりに民家の軒先に立ち寄り『英語会話』に夢中になって聴いていました。しかしある日、空き巣に疑われてしまい……。(NHKオンデマンドの解説より)

年代背景

  • 平川唯一の「英語会話」は1946年2月1日開始。

感想

  • 親切な人に巡り合い、芋飴も評判を呼び、繕いの仕事もできるようになって、少しずつ生活に余裕が生まれる。ようやく安子にも道が開けてきた。よかった。今日は安心して見られた。
  • るいが「カムカムエブリバディ……」と喋った。これがるいが初めて喋った言葉だと安子は思っているし、ナレでもそう言っていたが、本当はその前に「シックス!」と叫んでいた。これが最初に発した言葉だ。
  • 「英語会話」は18時30分に始まるのだそうである。2月だったら17時半くらいには日が沈む。18時半なら真っ暗なはず。しかしまだ日が出ていて明るい。まるで15時か16時くらいに感じる。この「時刻と明るさが合っていない」のは本作の「粗」のひとつだ。

カムカムイングリッシュ

  • Here comes the sun!(太陽が昇ってきた!)

「カムカムエヴリバディ再放送」(022)

  • 第05週「1946-1948」(火)

概要

千吉からるいを雉真家の養子にすることを求められた安子。その姿を見かねた勇は、るいを連れて岡山を出るよう安子を説得します。勇の援助を受け、るいと二人きり大阪へと向かったのでした。たどり着いたのは稔が学生時代に住んでいたおぐら荘。大家の計らいで安全に暮らせる部屋を手に入れた安子は、お菓子を作って売ることで生計を立てようとしていました。(NHKオンデマンドの解説より)

感想

  • 前回の感想でも書いている通り、勇と安子がなぜこんなに急いで家を出たのかは謎。
  • 「カムカムエヴリバディ」は良い作品だが、一分の隙もない、完璧な作品というわけではない。むしろツッコミどころの多い、いうなれば粗の目立つ作品でもある。そんなことが気にならないくらい大きなものでねじ伏せられ、圧倒されるのであるが、これなどは比較的大きな「粗」のひとつだろう。本来は、春になってからでもよかったし、せめて落ち着ける場所の当てを付けて、荷物を密かに送り付けておくくらいの事前準備はしておくべきところだ。もしおぐら荘のオバチャンが受け入れてくれなかったら野宿しなければならなかった。冬に赤子を抱えてそんなことをしたら、最悪、死ぬ。
  • 半年で100年を描くため、話の展開を急がなければならない、というメタ的な事情はあっただろうけど。
  • 冒頭、いくら家族とはいえ、深夜に安子の部屋に勇が忍んでいくのも倫理上よろしくない。事情説明の前に手を握られて、安子も驚いただろう。視聴者をミスリードさせようとしたのなら、セコイ。

カムカムイングリッシュ

  • Turn the page, please!(次のページめくって!)

南こうせつがSONGSに出演

放送日

  • 2024年12月12日(再放送:12月16日)

雑感

大泉洋は「神田川」が世に出た1973年に生まれたのだそうである。世代が違うから致し方ないが、この時代のフォークソング、あるいはミュージックシーンには詳しくなさそうで、やたらとこうせつを持ち上げるばかりで全然突っ込んでくれなかった。

例えば、紅白歌合戦に初出場したのは1992年とずいぶん遅い。紅白というのは憧れであり、ヒット曲が一曲くらいの駆け出しが出ていいものじゃないと思っていた、との話もあったが、「神田川」がヒットした1973年に当然出場の打診があったものの、歌詞の「クレヨン」を「クレパス」に替えて歌ってくれと言われたことを拒否して出場を辞退したはず。そこは敢えて言わない黒歴史なのか? 突っ込んでほしかったところだ。

神田川」「赤ちょうちん」「妹」が「三畳間三部作」と呼ばれていたらしいのは初耳。「妹」とも三畳間で暮らしていたのか? 親と一緒に暮らしていた家で、父が死に母が死に兄妹二人が残ったのではないのか? 三部作というなら「おまえのサンダル」になるのではと思うが……


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「カムカムエヴリバディ再放送」(021)

  • 第05週「1946-1948」(月)

概要

安子は稔のことを思い続けていました。すくすくと育つるいの成長が安子にとっての心の支えでした。そんな安子を勇は気にかけ続けています。そんななか、美都里は安子にひどくきつく当たるようになっていました。とうとう美都里は安子を雉真家から追い出すよう千吉に持ちかけます。(NHKオンデマンドの解説より)

感想

  • 稔の戦死の知らせから半月、安子は泣いて暮らしたと語られるが、具体的な年月はわからない。週タイトルから、稔の戦死は1945年の暮れで、今話の一連の話は1946年1月の出来事というあたりか。
  • 千吉はるいを置いて再婚しろという。勇はるいを連れて家を出ろという。一時金を渡しても生活の糧がない以上、安子の未来は暗い。勇は今こそ安子に結婚を申し込むべきだった。安子の弱みに付け込むことにはなるが、家を出て行かずに済む、るいとも離れずに済む、もちろん勇はかつて恋焦がれた人と一緒になれる。もっとも、そんなことになったら美都里はさらに怒り狂うか。
  • 千吉は、勇に退学させ、すぐに後継ぎとしての修行を始めろという。なにをそんなに焦っているのだろう。千吉はまだ若く、元気だし、大学を卒業するまで待ってやってもよかったのではないか。

カムカムイングリッシュ

  • Wash, wash, wash my face!(さあ、お顔を洗いましょう!)

(48)「物語の先に」(最終話)

題名

  • 「光る君へ」第48話「物語の先に」

放送日

  • 2024年12月15日

登場人物

概要

まひろは倫子から道長との関係を問いただされ、二人のこれまでを打ち明ける。全てを知った倫子は驚きと共に、ある願いをまひろに託す。その後、まひろは「源氏物語」に興味を持った見知らぬ娘と出会い、思わぬ意見を聞くことに。やがて時が経ち、道長は共に国を支えた公卿や、愛する家族が亡くなる中、自らの死期を悟って最後の決断をする。まひろは道長が危篤の知らせを聞き……。(NHKオンデマンドより)

倫子は最初はまひろに妾にならないかと持ち掛けるる。そうすれば殿も元気が出るのでは、と。が、まひろは7歳で出会ったこと、母の仇の弟だったこと、などを話してしまう。二人の結びつきの深さ、長さを知った倫子は取り乱し、「そのことは死ぬまで誰にも口外しないで」と言って去る。もちろん妾の話はなし。

が、いよいよ道長の具合が悪くなってきたら、倫子はまひろの許へ百舌彦を使わし、「殿に会いに来て」と頼む。魂を繋ぎとめてほじいと。まひろは道長に会い、その手を握り、「サブロー物語」を語って聞かせる。

偶然知り合った娘(菅原孝標の娘)が「源氏物語」の大ファンで、まひろを作者と知らず、作品の魅力を熱く語る。

まひろを訪ねてきたききょうは、自分たちの書いたものがお上に読まれ、政にも影響を与えたことを言い、「私たち、結構すごいことをしましたよね」と言って笑う。

まひろの家では、いとが為時を惟規と思い込んで「若様」と呼び、乙丸はまひろを「姫様」と呼ぶ。いとが話しかける下働きの女はきぬではない。まひろが「私もまた旅に出ようかしら」と言い出すと、乙丸が「私を置いて行かないでください、どこまでも、どこまでもお共しとうございます」とすがる。

乙丸を連れて旅に出たまひろは、双寿丸らの一行とすれちがう。東国で戦が起き、自分らは朝廷軍に加わるのだ、と。彼らを見送るまひろは「道長さま、嵐がきます」とつぶやき、カット・アウト。

感想

  • 今日は満月(コールドムーン)。さすがにこれは狙っていたわけではないだろうけど。
  • 倫子は二人の仲を察していたとはいえ、ここまで深い結びつきがあったとはさすがに想像しなかっただろう。「あなたは殿だけでなく娘も私から奪ったの」と叫ぶ。倫子は彰子とも必ずしもいい関係を結べておらず、いろいろなものに奪われたと感じていたのか。まひろも、何もそこまで言わなくてもと思ったが、訊かれた以上、せめて正直に語ることが誠意だと思ったか。が、賢子のことは口にしなかった。
  • 最後の最後で倫子はまひろを呼び、道長はまひろと極上の時間を過ごすことが出来た。そのシーンに感動した人も多かっただろうが、その時の倫子の心境を考えると切ない。結局倫子って、赤染衛門という忠実な従者はいたけれど、友もおらず夫からも愛されず、最後まで孤独だったな……。
  • 一話から登場していたのは藤原為時、いと、乙丸、百舌彦の四人。実資は二話から。乙丸、よくぞ最終話まで生きていてくれた。「どこまでもお共しとうございます」に泣く。まひろにとっても本当のバディは乙丸だった。
  • きぬは亡くなったのだろう。そのためもあって、乙丸の頭の中はきぬと出会う前に戻ってしまった。だからまひろのことを「お方様」ではなく「姫様」と呼ぶ。姫が出かけるなら自分がお共せねば、と思ったのだろう。
  • よいドラマというのは、役者がみな名演技をするものだ。お互いに触発され、いいものが引き出されていくということもあるのだろう。MVPを選ぶのは難しい。吉高由里子柄本佑黒木華ら中心人物は無論として、ファーストサマーウイカのききょうも当たり役だったし、秋山竜次藤原実資もよかった。凰稀かなめ赤染衛門高杉真宙藤原惟規、塩野瑛久の一条天皇、見上愛の藤原彰子など枚挙に暇がないが、一人あげるなら矢部太郎をあげたい。乙丸役は矢部太郎にしかできなかったし、乙丸がいたことで本作は輝きを増した。大家さんはきっと今ごろ、「矢部さん、いい仕事をなさったわね」と微笑んでいるに違いない。

今日のtwitter


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ファンミーティングリポート

放送日

  • 2024年12月14日

出演者

雑感

  • 12月2日に開催されたファンミーティングの録画。参加はもちろん抽選で、約18倍の競争率だったそうだが、チラと見た限りでは空席も目立った。理由はわからないけどドタキャンの人がいたのだったら、誰か入れてあげてもよかったのではと思う。それをやるとドタキャン待ちの人が大勢集まって騒ぎになるからできないのかな。
  • ダイジェスト放映だったことを残念がる声もあったが、見ている側としてはこのくらいがちょうどいい。
  • 公任くんが練習なしで馬に乗れたとか、望月の時はせり上がるような演出も試したとか、そういう撮影裏話が訊けるのはある程度は楽しいが、特に見上愛などはしゃべりかたが完全に現代語で、イメージが崩れるなあと思う。別のドラマで全く違う側面を見せて「前作のイメージを崩す」のは大いにやっていただきたいが、これは違うよなと思う。もちろん見上が着物を着て、劇中のような喋り方をしたらよかったなどと言うつもりはない。
  • つまり、終わった後にやるならいいけれど、まだ終わっていないうちにやるなということ。終わっていないからこそ、最後を盛り上げようとこうした企画を立てているんだろうけど。そのあたりの感覚が合わない。
  • 明日の予告編が流れ出したのでテレビを消した。

NHK「土スタ」俵万智

放送日

  • 2024年12月14日

出演者

雑感

  • 財前直見、玉置玲央、凰稀かなめ泉里香などが続々と登場し、豪華なゲストだなーと思ったら、俵万智がパーソナリティーを務める「NHK短歌」とのコラボで、そちらのゲスト(のVTR)だった。
  • 俵万智が高校時代は演劇部で、別役実やつかこうへいをやったというので、この人いくつなの? と思って調べたら、同い年だった! 時代というか、世代というか……
  • 「土スタ」は「土曜スタジオパーク」かなんかの略だと思っていたら、正式名称は「土曜にスターがやってくる!」だとか。

沼ル音楽会

大河ドラマ「光る君へ」コンサート ~沼ル音楽会~

開催日

  • 2024年11月9日

開催場所

放送日

  • 2024年12月8日(再放送 12月14日)

出演者

  • 冬野ユミ 他

雑感

  • 11月9日に開催されたコンサートのダイジェスト。
  • オープニングは冬野ユミ自らがオルガンを演奏する「Xmas Night」。冬野ユミも弾けるんだーと思ったが、あとで調べたら冬野ユミは14歳でハモンドオルガン走者としてプロデビューを果たしたというキーボーディストだった。それにしてもテレビ画面で「X'mas」と表示されたのは恥ずかしい。誰か気づく人はいなかったのか。
  • 続くは「Primavera - 花降る日」。これは劇中何度も挿入されたお馴染みの曲だが、今回の演奏は知っているものと違った。
  • それから続く曲はどれもあまり印象にない曲ばかり。ひとつのドラマのために随分と多くの曲を作ったようだが、同じ曲をあまり何度も多用しなければ、こちらは覚えていないのは仕方ない。
  • 最後はタイトル曲で締めた。
  • なかなかよかったけど、こういうのは「生で聴いてこそ」だな……



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「カムカムエヴリバディ再放送」(020)

  • 第04週「1943-1945」(金)

概要

菓子作りに命を燃やした金太。その突然の死を見守ったのは、おはぎを持ち逃げしようとした男の子でした。金太におはぎ売りを託された男の子は商いの楽しさを知り、新たな人生を歩みはじめます。そして戦後から三か月半。四年ぶりに「基礎英語講座」が復活しました。安子は、稔の帰りを心待ちにしながら英語の勉強を再開。るいをあやしながら家事をしていると一人の復員兵の姿が現れ……。(NHKオンデマンドの解説より)

年代背景

  • 勇が配属されていたのは小笠原の何処か? 硫黄島は有名は激戦区で、日本軍は全滅したはずだから違うだろうが、近隣の島も、恐らく負けず劣らずの激戦区であり、相当に嫌な思いをしたに違いない。だからこそあえて「小笠原」とぼかした言い方をしたのだろう。
  • 1945年11月、「基礎英語講座」再開。日付まではわからず。区切りのよい月曜日からスタートしたとしたら、26日ということになるが。

感想

  • 空襲で祖母を失くし母を亡くし、戦争を生き延びたと思った父を昨日亡くし、今週は安子にとって辛いことが続いた。が、勇は復員。これからはいいことが少しずつ起きるだろうと思った矢先に、止めを刺すように稔の死がもたらされる。ちょっと持ち上げておいて突き落とす、というのは本ドラマの常套手段だが、もうやめて! 視聴者のライフはとっくにゼロよ!
  • 稔の死を知った安子が、朝丘神社へ駆け出していく時に、すべての音が消え、視界がぐらぐら揺れたのが、彼女の心象風景をよく表していた。すごい演出だった。しかし、安子はなぜ神社へ行ったのだろう。取り乱した姿を義両親の前では見せられないのか。それは安子の矜持か、そこまで打ち解けられていないということか。

今日の語り

「安子にとって、ラジオの英語講座を聞くことは、稔を思うことでした。When Yasuko listened to the English Conversation Program on the radio, she thought of Minoru.」
➡English Basic ProgramではなくConversation Programなんじゃね。

カムカムイングリッシュ

「カムカムエヴリバディ再放送」(019)

  • 第04週「1943-1945」(木)

概要

「たちばなの菓子で救われる人が、きっとおるはずじゃ」再び、菓子作りへの意欲を取り戻した金太。戦後焼け野原となった岡山の町も、少しずつ復興に向け動きだしていました。安子は材料集めに奔走し、幼い頃からの憧れだったあんこ炊きを金太から教わります。そうして出来上がったおはぎを売りに町へ出ると、持ち逃げしようとする小さな手が……。その男の子を引き止めた金太は、とある賭けをします。(NHKオンデマンドの解説より)

年代背景

  • 岡山の百貨店、天満屋は「6月29日の岡山空襲により全館焼失するが(中略)10月10日に1階南半分を売場として営業再開、当時商店がほとんどなく、市民の間に大きな話題となった」(天満屋のサイトより)
  • 金太がたちばなの復興を口にする直前に米兵の乗ったジープが走り、それを子らが追いかけていた。米兵の配るチョコレートやキャンディ目当てであろう。それを見て、「日本にはチョコレートはなくてもおはぎがある」と思ったのではないか。

感想

  • 一体何回見返したかわからない。全112話で最も泣ける回。
  • 自分は登場人物がめそめそ泣き始めると泣けない。「自分は泣かずに客を泣かすのが芝居だろう」と思う。この回は、ラジオの漫才を聞いて家族が笑い転げているシーンがいい。でもそれはかつての茶の間ではなく、掘っ立て小屋だ。回想シーンではないのだ。彼らが屈託なく笑っているのを見ていると、とめどなく涙があふれて来るのだ。
  • 冬に隙間風の入る掘っ立て小屋での寝泊まりは、身体によくないに決まっている。雉真に対する遠慮かと思ったが、金太を待つためだったとは。金太は安子が雉真に嫁いだことも知らないわけだし、自分がいなかったら困るだろうと。
  • 改めて見て思うが、ラジオを囲んで金太の左側に小しず、ひさ、杵太郎、その後ろに職人さんたちがいて、右側に安子、算太。金太と安子の間は少し空いている。この隙間の向かって左側が彼岸で右側が此岸という意味なんだろうな。職人さんは三人とももう亡くなられているんだろうな。
  • 千吉と金太が会社経営のこと、召集された息子のことについて語り合うシーンもさりげないがとても良い。二人とも、尊大ではなく卑屈でもなく、互いにリスペクトしていることが伝わって来る。
  • 安子に褒められて照れる金太がカワイイ。

カムカムイングリッシュ

  • Where should I park this thing?(どこに駐車したらいいかしら?)➡this carではなくthis thing。まあ写真で見る限り、確かにcarと言っていいものなのかどうか疑問。thingの方が適切だということか。

「カムカムエヴリバディ再放送」(018)

  • 第04週「1943-1945」(水)

概要

空襲で心に大きな傷を負った金太は、空襲からひと月経っても床に伏せ続け、心と体は回復しないままでした。落ち込みながらも父の世話を献身的に続ける安子。そして8月15日、ラジオからは玉音放送が流れ、日本は終戦を迎えました。ある日、安子はお供えのおはぎをつくろうと、金太にあんこの作り方を教えてほしいと声をかけますが……。(NHKオンデマンドの解説より)

年代背景

  • 玉音放送の直前にアナウンサーが聴取者に起立するよう促す(のをドラマや映画で描く)のは恐らく本作が初めて。陛下の言葉自体は記録に残っているが、その前に何が話されたかはこれまでわかっておらず、起立の件は本作の直前にわかったことらしい。
  • 天気予報が再開されたのは1945年8月23日。
  • 1945年9月17日、台風16号が鹿児島県枕崎市に上陸、日本を縦断して三陸沖に抜けた。これは観測史上二番目(当時)の大型台風であった。広島で最大風速30.2m/s(最大瞬間風速45.3m/s)を観測、期間降水量も中国地方では200mmを超えたところもあった。終戦直後で防災体制も十分でなかったため、各地で大きな被害が発生。広島では2000人を超える死者・行方不明者が出た。

感想

  • 今の我々は、金太は心が壊れていると理解できるが、当時は精神医学は今ほど発達していなかったし、一般の人たちにその理解はなかったから、こうした人たちはただ「怠けている」と見做され、二重につらい思いを味わっていただろう。安子も、唯一生き残った肉親が話相手にもなってくれない、というだけではなく、大の男が怠けてばかりでは雉真のご両親に申し訳が立たない、という気持ちもあったのではないか。
  • 安子は餡作りは素人だし、砂糖もないのでは、おいしいわけがない。ただ、「おいしうなあれ、おいしうなあれ」と心を込めて作った餡は、父の心を動かした。これが「たちばな」の味。安子は免許皆伝だ。

カムカムイングリッシュ

  • Larger than life!(実際より、大きいね!)

「カムカムエヴリバディ再放送」(017)

  • 第04週「1943-1945」(火)

概要

1945(昭和20)年。安子は赤子のるいを連れて橘家に帰り、久々にひさや金太、小しずたちと思い出話に花を咲かせ、温かな時間を過ごしていました。しかしその頃、戦況は悪化の一途をたどり、B29による爆撃は東京、大阪と次々に市街地を襲っていました。そしてとうとう岡山でも空襲が始まりました。安子はるいをおぶって、焼夷弾が降る中を必死に逃げ惑い……。(NHKオンデマンドの解説より)

年代考証

  • 東京都は1944年11月24日から1945年8月15日まで合計106回もの空襲を受けたが、特に1945年3月10日の夜間空襲が最悪の被害となり、「東京大空襲」と言われている。死者数10万人、焼失家屋は27万棟、罹災者は100万人を超えた。
  • 1945年9月29日、岡山も大規模な空襲に見舞われた。死者数1700人、罹災者は約12万人、市街地の7割以上が焼け野原と化し、岡山嬢も焼失した。

感想

  • 安子が帰省しひさ、金太、小しず、安子、るいの幸せなひとときを過ごす。安子が生まれた日を回想。その直後に岡山大空襲。ひさ、小しずは焼夷弾に焼かれて死んだ。安子、るいにとってこれがひさ、小しずとの最後になった。
  • 疎開したタバコ屋から家財道具を安く買い叩いたと上機嫌の吉兵衛に吉右衛門は「あんたは阿漕なケチべえじゃ」と非難。その直後に空襲が起き、吉兵衛は吉右衛門をかばって死ぬ。
  • 金太は、自分がひさと小しずに「ここの防空壕に入っているように」と言ったから死んだ、自分が殺したようなものだと放心状態。吉右衛門も父親に最後に「阿漕なケチべえじゃ」と言ったことを生涯後悔して過ごすのか。そもそも吉右衛門は母親ともはぐれてしまい、ここから生き延びることができるのか。

カムカムイングリッシュ

  • My mom and dad!(僕のママとパパです!)

「カムカムエヴリバディ再放送」(016)

  • 第04週「1943-1945」(月)

概要

稔の出征を見届けた安子。稔の子を授かっているとわかったのは、稔が出征したふた月後のことでした。ラジオからは連日アメリカからの攻撃の知らせが流れ、勇も徴兵が決まり、戦争はさらに安子たちの日常を変えていきました。時が経ち、安子は元気な女の子を出産しました。名前は『るい』。稔が考えた名前です。しかしその名前に込められた本当の意味は、周囲には明かせないもので……。(NHKオンデマンドの解説より)

年代考証

  • 1944年6月、北九州の八幡製鉄所を目標にB29来襲、これが初の戦略爆撃
  • その後アメリカはマリアナ諸島に大規模な航空基地を建設し、日本本土の大半がB-29の攻撃圏内になった。
  • 11月29日には、東京工業地域を第一目標とした最初のレーダー照準による夜間爆撃が行われた。
  • 徴兵対象が20歳以上だったものが1944年10月以降は19歳に引き下げられた。
  • 天気予報は重要な軍事情報という事で1941年12月8日~1945年8月22日まで発表されなかった。

感想

  • 安子はるいを出産。恐らく1944年9月ごろ。
  • 稔に引き続き勇までが戦争に駆り出され、美都里の精神は変調をきたし、何かといえばヒステリックに泣き叫ぶようになる。勇は「つらいのは母さんだけじゃないんだよ」と諭すが、考えてみれば美都里こそが最も正しい反応をしているのではないか。とはいえ、ことここに至っては、唯々諾々と国の方針に従うしかないわけだが。
  • 「るい」という命名の意味は、安子にはわかったが、口外できない。勇は「野球の塁じゃ。みんなで塁を守るんじゃ」と叫ぶ。勇の能天気さが救いだ。
  • 勇はこれまで安子のことをからかうばかりでまともに口を利いたことはなかった。今初めて穏やかに、楽しく会話をすることができるようになった。勇にとっては、これはこれでよかったのではないか。安子にとっても、同年代の人がいない家の中で、短期間とはいえ幼なじみと一緒に過ごせたのは救いだっただろう。
  • 徴兵されると急遽結婚することが多かったと聞く。稔がそうだった。が、勇は独身のまま出征していった。若過ぎるから、雉真に見合う適当な相手が見繕えなかったから、など理由はあろうが、ちょっと気の毒な気がした。ありていに言えば、雉真としては誰でもいいから嫁をあてがって後継ぎを作ってもらうべきだったであろうし、勇にしても、女子と付き合ったことのないまま戦地に赴くのは心残りもあったろう。

今日の語り

「決して誰にも聞かれてはいけない子守歌を、安子は毎夜、るいに歌ってやりました。Even though it was forbidden, Yasuko sang a song to Rui every single night.」

カムカムイングリッシュ

  • Welcome to the world, little one!(この世界へようこそ、赤ちゃん!)