窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「ばけばけ」(047)

  • 第10週「トオリ、スガリ。」

放送日

  • 2025年12月2日(火)

概要

リヨによるヘブンへのアピールは続いていた。日本好きのヘブンのために琴を披露するリヨをヘブンは称賛する。一方、トキはタエのもとで三味線の稽古に励み、その上達ぶりを褒められる。そんな中、リヨとトキが再会。リヨはトキが三味線や花を生けると自分のアピールが台無しになると怒るのだった。それから数日後。慌てた様子の錦織がヘブンを抱えて現れる。(公式サイトより)

感想

リヨはヘブンとは好みが違うことを悟り、身を引いたかと思ったら、どっこい諦めていなかった。ヘブンを自宅へ招待し、琴を披露して喜ばれる。見事な腕だ(実際に北香那が弾いているという)。江藤知事は娘がまだ諦めていなかったと知り、憤慨するが、親の前で堂々と振る舞っているのだから、それはそれで立派だ。

トキはタエから三味線を習っていた。あの三味線は誰のものか気になるところ。物乞いになる前に家財はすべて売り払ったはずだが、三之丞が稼いでくるお金(!)で新たに買ったのか? それともヘブン先生に買ってもらったのか? トキの三味線の腕もなかなかのもの(実際に高石かおりが弾いているという)。

昨日から寒い寒いと言っていたヘブンが、松江を襲った寒波にやられ、気管支カタルを発症。確かに日本の家屋は壁が薄くて外気に影響されやすく、暖炉のような暖房はないが、少なくとも寝ている人には「湯たんぽ」という強力な暖房器具があることを、ぜひ教えてあげてほしい。

三之丞はついに就職活動で回るところが尽きたか、一日中何もせず、境内で石を積んで過ごしているようだ。このままでは本当にダメになってしまう。トキ、タエから華や三味線を習い、それは楽しいだろうが、いつまでも逃げてはいられない。タエに真実を告げるべき時が来ているのだろう。



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「ばけばけ」(046)

  • 第10週「トオリ、スガリ。」

放送日

  • 2025年12月1日(月)

概要

松江に冬がやってきた。トキは、はじめての松江の寒さに震えるヘブンを温めながら見守る。そんな中、松江中学の生徒・小谷春夫がヘブンの忘れ物を届けに現れる。寒さのあまりお風呂にいってしまったヘブンを待つ間に、交流を深めるトキと小谷。どうやらトキと話すのが目的だったようで……数日後、トキの家の前をウロウロする小谷をサワが目撃する。(公式サイトより)

今日のさわ(と小谷)

「怪談」
「かいだん?」
「そうそう。昇る方のじゃなくて降りる方の。……うそうそ、そっちじゃなくて」

今日のさわ(と小谷)その2

「どこに惚れたかね」
「まあそれは……顔です」
「顔かあ。……だって顔好きだけんねえ中学生は」
「そうなんですか」
「知らんけど」

感想

以前松江中学から三人が訪ねて来た時、小谷くんがやけにトキをじろじろ見ていたような気がしたが、どうも一目惚れをした様子。朝っぱらからトキの家を訪ね、窓から覗こうとするのはちょっと普通じゃないが、思い込んだら一直線というところか。

さわの一人コントは初めて聞いたが、面白かった。

小谷くん、毎回ヘブン先生の家を訪ねるたびにトキに英語の手ほどきをしてあげると、喜ばれると思うよ。挨拶や、This is ~./I like ~. くらいがわかるようになると、ぐっと世界は広がるだろう。

ヘブンが寒がるが、確かに当時の日本家屋は冬は寒かろう。しかしトキもウメも裸足なのが気になる。足袋は昔からあったはずだが、なぜ履かないのか? あれは寒そうだ。演じる役者も寒そうだ。

冒頭で久しぶりに森山銭太郎が登場。強面を装っているが、実は「健康第一、返済額は少し減らしてもいいから、暖かく過ごすように」ということを伝えたかったのだろう。それはそれとして、「おたくらの借金は、宍道湖を埋め尽くすほど、まだまだたっぷりある」というのに驚いた。

私は以前書いたように、毎月20円ずつ返していたら一年で、10円ずつなら2~3年で返せるのではと考えている。そのため、女中勤務が何年も続くなら安心だが、もし一年で終わるとするなら赤信号、残った借金をどうする? 雨清水家への仕送り10円をやめ、3円ぐらいに留めた方がよくはないか……というのが現在の問題だと思うのだが、「まだまだたっぷりある」のだとすると、話は全く変わって来る。しかし、司之介の甲斐性で、そこまで多額な借金ができるはずがない。

定期的に、このペースで返済すればあと何年何ヵ月、という清算状況を提示すべきだと思うが、実際、あといくら残っているのだろう? 本ドラマは実に緻密に作られていて、感心することが多いが、こと借金に関しては極端に解像度が悪い。しかしトキの行動指針も松野家の生活も、すべて「借金ありき」のものなのだから、そこがはっきりしなければ何も語れないと思うのだ。



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「ばけばけ」(045)

  • 第09週「スキップ、ト、ウグイス。」

放送日

  • 2025年11月27日(金)

概要

トキの願いもむなしくリヨは占いの結果に満足し、ヘブンにランデブーの約束をとりつける。もはや止められるのは錦織ただ一人。ヘブンとリヨのランデブーを錦織は陰から見張るのだった。一方、トキは花田旅館でツルや梶谷とランデブーの行く末を話し合う。梶谷の持つ情報を聞いたトキは、リヨのランデブーが成功するのではと次第に不安になる。(公式サイトより)

感想

リヨはヘブンに県庁を案内する(これは父親からの指示)。そして張り切ってランチを振る舞おうとするが、ヘブンは「まだお腹は空いていない」と辞退し、ヘブンの希望で城山稲荷神社へ。ヘブンはそこにあるキツネの像に夢中。リヨは「なにこれ、気味悪い」と顔をしかめ、ヘブンがキツネに夢中で自分の方を一顧だにしないことにガッカリし、ついに途中で帰ってきてしまう。

リヨの用意した弁当には糸こんにゃくが入っていたので(番組中は開けられることはなかったが)、それを見たらヘブンは不機嫌になっただろうし、ヘブンが不機嫌になればもちろんリヨも悲しいが、錦織とトキに嘘をつかれたこともわかるから、深く傷ついただろう。誰も不愉快にならず、傷つかない展開で本当によかった。

もちろんリヨにとっては残念なランデブーになったが、それはヘブンの好きなものをリヨが好きになれないからで、誰を責めるわけにはいかないことを本人も悟ったのではないか。

ヘブンはキツネや亀の絵に混じって、トキが壁に活けた花も絵に描いた。ヘブンに喜んでもらえたこと、喜んでもらえることが自分にできたことは、トキにとってどんなにか嬉しかっただろう。そう思ったら、自然にスキップができてしまった。

しかし、リヨとヘブンのランデブーがうまくいって、二人が結ばれるかも知れない? と思った時に、トキが複雑は表情でテッポウをかますのは何故だろう? 錦織の依頼を果たせなかったことを気にしているとも思えないし、既婚者かどうかもわからないヘブンが、日本で仲の良い女子ができでも、トキが気にすることではないと思うが……。そんな人ができたら自分がクビになると思ったのか?




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「ばけばけ」(044)

  • 第09週「スキップ、ト、ウグイス。」

放送日

  • 2025年11月26日(木)

概要

リヨをヘブンから遠ざけるため、トキはリヨに付き合って外出することに。リヨに連れられてきたのは、八重垣神社、恋占いの池だった。ヘブンとの恋がうまくいくよう恋占いに挑むリヨ。錦織から恋が上手くいかないよう頼まれたトキは、いい結果が出るように応援しつつ、悪い結果になるよう応援し、てんやわんや。リヨの恋占いの結果はどうなる?。(公式サイトより)

感想

トキはとにもかくにも錦織の要望に従って、ヘブンに会いに来たリヨを家へ上げずに面会を阻止したのだ。そのことに錦織は感謝し、ねぎらうべきだった。それなのに、リヨを追い払った後ろめたさもあって恋占いに付き合ったのに、「おい、君は僕に従うといったじゃないか!」などと文句を言うのは、いくらなんでも可哀想だ。

その上、ヘブンを松江の観光案内に連れ出すことに成功したリヨが、お弁当のおかずは何かいいかと相談に来たのに対し、ヘブンの好物は(ヘブンの毛嫌いする)糸こんにゃくだと嘘を言うのは、まずヘブンを不愉快な気持ちにさせる。こういう嫌がらせは見ていたくない。

トキが外出したのを、自分が怒鳴ったから出て行ってしまったのかと勘違いして探すヘブン。ヘブンにとって、今のトキは「いなくなると困る人」になっているのだ。「英語がわかる人に替えてくれ」「しじみ売り、女中、ナイ」などと言われていた頃と大違いだ。

おじじ様は自分の恋心をトキには正直に伝えるが、「司之介には絶対に内緒だ」とかたく口止めをする。息子に知られるのは照れくさいとか、からかわれたくないとかではなく、司之介が余計なことを吹聴してうまくいくものもいかなくなる可能性があると思っているんだね。



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「ばけばけ」(043)

  • 第09週「スキップ、ト、ウグイス。」

放送日

  • 2025年11月25日(水)

概要

トキのもとに錦織が訪ねてくる。錦織は知事にリヨがヘブンと恋仲にならないよう命じられ、そのサポートをトキに頼みに来たのだった。しかし、リヨにもヘブンとの恋の応援を頼まれていたトキは板挟みにあう。錦織とリヨ、どちらを手助けすればいいのか迷うトキ。そこにリヨがヘブンを求め訪ねてくる。(公式サイトより)

感想

錦織、江藤知事に無茶振りをされ困っているのはわかるが、それをそっくりトキに振るのはどうなんだ。そもそも色恋沙汰など、誰かがちょっと手助けをして、もしくは邪魔をして、それでうまくいったりいかなかったりするような、そんな簡単なものではない。錦織はこれまで縁がなかったようだから、わからないかも知れないが……

錦織に無茶なお願いをされたトキの、ヘブンを訪ねて来たリヨへの態度は子どもみたいというかコントそのものだというか、ちょっと極端で、あれでは「私は嘘をついています」と顔に書いているようなもの。リヨは気付かなかったようだが。なぜヘブンは家にいるのに不在だと嘘をついたのかわからない。「執筆中なので、誰ともお会いになりません」と言えば済むではないか。

リヨはヘブンがいないとなるとトキを強引に連れ出し、恋占いをする。なぜ自分を連れてきたのか? と問うトキに、いい結果が出なかった時に八つ当たりする相手がほしいから、としれっと言う。まあ、たいしたタマだ。

家でトキがリヨの話をすると、司之介は「いい年して仲のいいおなごがいるなんて、これだけんペリーは」などと悪態を吐くが、勘右衛門は「人生というのは何が起きるかわからん。いきなり春が訪れることもあるんではないかのう」。勘右衛門、上野タツのことを思い浮かべているね!?



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「ばけばけ」(042)

  • 第09週「スキップ、ト、ウグイス。」

放送日

  • 2025年11月25日(火)

登場人物

  • 木全晶子(江藤ルイ、知事の妻)

概要

トキとヘブンは、リヨにプレゼントされたウグイスを花田旅館でお披露目していた。なかなか「ホーホケキョ」と鳴かないウグイスに違う鳥ではないかと疑いはじめるトキとヘブンだったが、平太の解説でウグイスだと納得する。数日後、ヘブンはリヨに招かれて知事の家でディナーをする。積極的なリヨの姿勢に知事と錦織はヘブンへの恋心に気づく。(公式サイトより)

花田旅館にて、ウメは、ホーホケキョと鳴かないのはもしかしてウグイスではないのでは? と言い出すが、平太は、ウグイスは繁殖期にしか鳴かない、だから鳴かなくても不思議ではない、これはウグイスだと断言。そこへやってきた梶谷が、これはウグイスではなくメジロだと解説する。アバンで謎が解けた。ただしこの時点では、リヨは自分が贈った鳥がメジロであることを知らない。

江藤知事家でヘブン・錦織を招いて晩餐会。リヨは張り切って調理をすべて担当する。知事はこれも島根と松江の繁栄のためと信じていたが、ルイに「違いますよ」とあっさり断言される。リヨがヘブンに好意を抱いているからこそだと聞かされた知事は激怒し、思い直すように娘を説得するが、リヨは「本気なんです」ときっぱり。困った知事は錦織に、リヨとヘブンの仲が進展しないように指示を出すが……

感想

大騒ぎした割にウグイス・メジロ騒動はあっさりけりがついた。と思ったが、twitterでは、あれはメタファーなのではと読み解く人がいた。うぐいす色だからといってメジロをウグイスだと決めつけたように、英語を話すというだけでアメリカ生まれだと思い込んだり、既婚者でも日本では妾を求めるものだと決めつけたりすることの……。面白い説だが深読みのし過ぎではという気もする。本件は(週タイトルになっているくらいだから)もう少し引っ張るはずなので、次の展開を待とう。

娘の恋心に父親は全く気付かないが母親は気付いているというのがリアル。父がそれに反対するのは当然だろうが、頭ごなしに叱るのではなく、理を解いて説得しようとしたのが意外だった。いわく、ヘブンは一年契約だ、一年経ったら国へ戻る。もちろん契約延長の交渉はするが、決まった話ではない。国際結婚は皆無ではないがほぼ例がなく、さまざまなトラブルがつきまとう。そして結婚すると日本国籍を失う……

これは近い将来、トキが直面する問題でもあるのだ。

それにしてもヘブン先生は一年契約なのか。トキは、20円をすべて借金返済に当てれば一年で返し終わるかも知れないが、10円だと厳しいだろう。早く三之丞に仕事を見つけてもらい、仕送りは打ち切らないと。

リヨのヘブンへの好意について、昨日は次のように書いた。

うがった見方をすると、自分は英語が話せてヘブン先生ともお付き合いができるのよ、今松江で著名人であるヘブンほどの人物こそが、私に釣り合う相手なのよ、という感覚が感じられなくもない。

東京の女学校でいっとき「自由」を味わってしまった彼女は、松江の閉塞感が耐えがたいのではないか。ヘブンと付き合うことが唯一、そこから脱する道のように見えているのかも知れない。



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「ばけばけ」(041)

  • 第09週「スキップ、ト、ウグイス。」

放送日

  • 2025年11月24日(月)

登場人物

概要

ヘブンと錦織は、知事に案内されて月照寺を訪れていた。そこに、知事の娘・リヨが現れる。東京の女学校で英語を学んだリヨは、ヘブンと積極的にコミュニケーションをとり、錦織と知事は蚊帳の外に。数日後、女中仕事に励むトキのもとをリヨが訪ねてくる。「あなたは私のライバルなのかしら?」と問いかけるリヨにトキがだした答えは?(公式サイトより)

感想

美人で清楚で英語の達者な女性が登場。と思いきや、父親譲りで性格は悪い。

英語がペラペラなのは、確かにすごい。女学校で学んだというが、きょう日の大学生が外国人と顔を合わせてこれらの言葉がスラスラと出て来るかと言えば恐らく難しいと思うので、当時の人たちの貪欲さ、ないしはリヨの優秀さが窺える。

しかし、父親に、月照寺の大亀像について(英語で)説明せよと言われても、歴史なんか知らないし興味ないと言い放つ。父親が説教を始めるとシャラップとつぶやく。

この日の邂逅でヘブンに好意を持ったというリヨは、ウグイスを持ってヘブンの家を訪ねて来る。このウグイスをヘブンは気に入り、ホーホケキョと鳴くのか、鳴かないなあと関心を寄せる。自分は気にしていなかったが、あとでtwitterを見ると、これはウグイスではなくメジロだと多くの人が指摘している。なるほどホーホケキョとは鳴かないわけだ。リヨはメジロとウグイスの区別もつかない子だったか(自分もわからなかったけど)。さらにいろいろ見ていると、この時代はメジロのこともウグイスと呼んだとの説も出て来た。週タイトルにウグイスが含まれているから、このウグイス or メジロの件は、あとあと問題になるのだろう。

リヨがヘブンに好意を持ったのは、月照寺で、着物に下駄に日傘を差し、階段を昇りにくそうにしていても、父も錦織も知らん顔だが、ヘブンが気づいて手を差し出してくれた。この紳士的行動にハートを奪われたのかと思う。が、うがった見方をすると、自分は英語が話せてヘブン先生ともお付き合いができるのよ、今松江で著名人であるヘブンほどの人物こそが、私に釣り合う相手なのよ、という感覚が感じられなくもない。出会ったばかりだから当然だが、ヘブンの性格や嗜好を知った上でのことではない。

ヘブンは日本の文化や歴史に強い興味を持っているが、リヨはその時、話せることがあるか? この恋の行方はいかに。

一方、トキは梶谷に「何かニュースはないか」と訊かれ、ヘブンがアメリカ人ではなくギリシャ生まれであることや、かつてレストランを経営していたことなどを嬉々として話した。梶谷は全く興味を示さなかったが、トキはこうしたヘブンの経歴におおいに興味を寄せていることがわかった。

ところで梶谷がしれっと登場したが、自分は彼が三之丞から一円受け取ったことに今でも怒っている。このまま返さないつもりなのだろうか? 新聞記者として最もやってはいけない行為だと思うし、少なくとも今日の基準で言えば、これが表沙汰になったら懲戒免職ものだろう。またジャーナリストとしての倫理問題とは別に、母親が物乞いまでしている貧しい人から大金を巻き上げて、何とも思わないのも腹立たしい。この問題は納得の行く形で決着をつけてほしい。

配役

北香那というと「バイプレイヤーズ」のジャスミン役を思い浮かべる人がいまだに多いようだ。単発ドラマ「こもりびと」では松山ケンイチ演じる倉田雅夫の姪、「いだてん」では第二高等女学校の生徒・梶原(黒島結奈とテニスでダブルスを組む)、「鎌倉殿の13人」では頼家の正妻・つつじ、「どうする家康」では家康の側室・お葉(同性愛者)……などを演じたのが記憶に残るところだ。


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「あの星の向こうに」


雑感

誘われて予備知識なく見に行った。アマチュア劇団なのかと思ったが、初めて行ったキンケロ・シアター愛川欽也と内海みどりの造った劇場だというし、主宰の山村佐智子はそれなりの人物らしいし、出演者の一人の七瀬美菜は現役のアイドルらしい。しかし山村佐智子はWikipediaには項目がないし、公式サイトは二年前で更新が止まっているしtwitterは年に一度しか投稿がない。七瀬美菜が一人で熱心にブログやtwitterを更新していた。5回公演のチケットは完売していたようだから、宣伝は十分足りていたという判断なのかも知れないけど。

ホリゾントに画像をいろいろ映し出すのはさほど珍しくはないが、どんちょうに画像を映し出す演出は初めて。通常の舞台はどんちょうにはごてごて模様が縫い込んであるからできない。ここの劇場は白一色だからそれが可能なのだ。そこで映画よろしく冒頭で主題歌が流れ、登場人物の紹介があり、エンディングはスタッフロールが流れる。ちょっとカッコよかった。ちなみに主題歌は七瀬美菜が歌っており、入り口でCDも販売されていた。買わなかったけど。

2100年、第三次世界大戦南海トラフ地震が起きたあとのディストピアを描いたものか……と思いきや、アバンのあとは2025年に移り、ここでのドラマが進行するのでほぼ現代劇だ。佐藤さん、最後に親子であることを告白するのはいいが、ひばりの夢がかなわなかったことをバラしちゃダメでしょう……

七瀬美菜を除くと、恐らく出演者の年齢は50代以上。芝居はお金もかかるし時間もかかる。若い時は時間はあってもお金がない。ある年齢を過ぎるとお金はあっても時間がない。両方が揃うのは、この年齢になってしまうということか。

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「ばけばけ」(040)

  • 第08週「クビノ、カワ、イチマイ。」

放送日

  • 2025年11月21日(金)

概要

スキップをマスターしようと、錦織はこっそり練習中。しかし、生徒の小谷、正木、弟の丈、そしてヘブンにバレてしまう。ひょんなことから、スキップの発祥はヘブンが生まれたアメリカのものではないかと話になるが、ヘブンはアメリカ生まれではなかった。錦織たちにトキも交えた、ヘブンのことを知るための大クイズ大会が始まる。(公式サイトより)

クイズ大会で、錦織はなんと正解ゼロ。生徒たちには錦織の逆張りをされる始末。クイズが終わっても「あと一問」と食い下がり、机の上にある写真に目を留め、その人が誰かという問題を……と粘る錦織をトキが止める。あれはヘブンさんにとって恐らくとても大切な人、大切な人のことは触れてほしくないものだと。

それを聞いていたヘブンは、日本語はわからないがトキが言わんとしたことは伝わったようで、トキが優勝だと言ってブードゥーの人形を商品として渡す。トキは「早く呪いたい」と喜ぶ……

月が変わって、ヘブンはトキに、これからもよろしくと頭を下げる。

感想

今週はコメディ週だったが、とはいえ、トキが女中という仕事に慣れておらず、また、言葉が通じないながらも、必死にヘブンを理解しようとし、そして恐らく、現時点では誰よりもヘブンを理解しており、ヘブンもまたそのことに理解を示すという、非常に重要な回でもあった。

ヘブンはギリシャ生まれ、2歳でアイルランドへ行き、アメリカ、フランスなどで育った。母はギリシャ人で父はアイルランド人。40歳。

ヘブンの英語の質問は、学生はちゃんと理解できていたようなのに、錦織がいちいち日本語に訳すのはなぜだろうと不思議だったが、あれはトキへの配慮だったんだな。

今日の英語

ヘブンクイズ第三問、I want to run a restaurant. にしか聞こえないんだけど、何と言っているんだろう? これだと「レストランを経営したい」であって「経営していたことがある」にはならない。


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「ばけばけ」(039)

  • 第08週「クビノ、カワ、イチマイ。」

放送日

  • 2025年11月20日(木)

概要

女中としてはまだまだ未熟なトキだが、気遣いや武家の娘のたしなみで覚えた生け花などで、徐々にヘブンの評価をつかみ始めていた。トキは生け花やお茶を習い直そうと、タエを訪ねて稽古の再開を願う。ある日、ヘブンのシャツをアイロンがけしていたトキだったが、そこに急な来客が訪れる。ヘブンの仕事の邪魔にならないよう、トキは慌てて来客を迎えることになる。(公式サイトより)

感想

今日のあさイチでは、大吉が「三之丞、本当のことを言っていなかったのか、いまだに社長ってなんだよ」くらいのことをかましてくださるかと思った。

というわけで、先週最大の懸案事項、三之丞は本当のことをタエに言えるか? については、全然本当のことを言えず、胡麻化し続けていることが判明。ともあれ、ちゃんと寒さをしのげる家に住み、物乞いをやめられたようで、ほっとした。トキもそれは嬉しいだろう。そのために堂々と会いに行かれるようになった。が、「三之丞が社長をやって稼いでいる」というタエの説明に、思うところはあったのではないか。とはいえ、真実を告げることはなく、即座に話を合わせた。

それにしても、松野家の住む長屋よりはるかに立派な家に住んでいるのは、トキがどう思ったかはわからないが、少なくとも自分としては不愉快である。三之丞よ、見栄や体面のためトキの援助の申し出を断わる、トキの申し出を全面的に受け入れる、の二択ではなく、「援助はありがたいけど10円もいらない、3円だけもらいます」というような選択肢もあるんだぞ。

アイロンがけをしている最中ウメが食事を持って来、大きな声で「ヘブン先生」と叫ぶ。ヘブンは執筆中で大きな声を出すと怒るから、トキは慌ててウメのところへ行き、表情だけでそれをウメに伝えるが、アイロンを点けっぱなしで服を焦がしてしまう。それに気づいたヘブンは怒ることなく、トキがケガをしていないか安否を尋ねる。自分の代大事な服を台無しにされても、まず安否を気遣うのはヘブンのいいところだ。



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「ばけばけ」(038)

  • 第08週「クビノ、カワ、イチマイ。」

放送日

  • 2025年11月19日(水)

登場人物

概要

なんとかヘブンが求める「ビア」を手に入れ、女中クビの危機を乗り越えたトキ。ヘブンに習ったスキップを司之介、フミ、勘右衛門やサワと練習したり、ヘブンとのコミュニケーション方法もできてきて、余裕が生まれる。しかし、仕事の最中にヘブンを怒らせてしまい再びクビの危機を迎える。(公式サイトより)

感想

予告編で流れたスキップ祭り。いきなり見たら笑えたろうが、予告でさわりを見てしまったから、ここでこれが始まったのねという感じで興奮が半減。予告なんて見たくないと思うけれど、金曜日の放映の後強引に流されるのがなあ。以前は、予告は、土曜日の一週間の総集編のあとに(だけ)流れるものではなかったっけ……?

それはそれで、コメディ回は今日がピークかな。コメディ回といいつつ、なかなか重要なシーンもあった。

トキは、英語は一気にはわからないけれど、少しずつ覚え、覚えた言葉を使ってみて、意思疎通の努力を見せる。一方、言葉で言えないことを絵に描いて見せるという方法を駆使する。そういえばトキは子どもの頃から絵がうまかった。母の内職も手伝っていた。ところで内職で描いている絵、あれはなんなんだろう。

今日はヘブンが快適に眠れるよう、蚊帳を吊るした。その作業に大きな音が出てしまい、執筆を邪魔されたヘブンは怒る。怒られてまたしてもクビだ! と落ち込むが、蚊帳を見たヘブンは満足する。ほんのちょっと二人の距離が縮まったか……? それにしても蚊帳を吊るすということは季節は夏なんだろうが、その割に布団が厚くないか。当時の夏はそんなものだった?

ヘブンがトキに木刀で指示をしてスキップを教える様子を見たおじじ様は「武士の魂をなんと心得る!」と怒鳴り込むが、トキにスキップをするように言われると難なくこなしてしまう。剣道の足さばきが功を奏したか? 褒められてにやけるおじじ様。ヘブンについて、単なる(忌み嫌う)ガイジンではなく、少し解像度が上がってきた。

司之介はスキップではないが、意外にリズム感よくステップを刻む。これはトキの尾行をした時の足取りなどからも想像はついたことだが。錦織は絶望的に下手だ。

おじじ様がいつも偉そうに剣を教えている近所の子の祖母と邂逅。もしかしておじじ様に恋の予感?



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「ばけばけ」(037)

  • 第08週「クビノ、カワ、イチマイ。」

放送日

  • 2025年11月18日(火)

登場人物

概要

ヘブンの女中クビを回避するため奮闘するトキだったが、空回りが続いていた。ヘブンが求める「ビア」を見つけようと、家族にも相談するが的外れな答えばかり。クビだ~と嘆くトキに、錦織は「ビア」は山橋薬舗で購入できると教える。店主の山橋才路と出会い、無事に「ビア」を手に入れたトキだったが、まさかの事態がトキとヘブンを襲う。(公式サイトより)

感想

今日も前日に引き続きコメディ回でさほど深刻な話にはならなかった。今週は、ヘブンが、これまでトキのことをどこにでもいる女中の一人と思っていたけれど、ゆっくりと「トキ」だと認識する週か。

錦織はビアは山橋薬舗で売っていることを知っていた。ということは当然、ビアがどんなものかも知っていたということだ。それならもう少しトキにもわかるように説明してやればいいのに……

山橋は英語はまるでわからないといいながらも、ヘブンが来店するとカタトトで挨拶すると手を差し出し、握手をする。相手の目を見て、コミュニケーションを取ろうとする。その態度に気を良くしたのか、ヘブンは店先で、「一人で飲んでも楽しくない」と言って山橋、トキと三人で乾杯する。ヘブンはようやく飲みたかったビールが飲める嬉しさ、トキは謎が解けて望むものを手に入れられた嬉しさ、山橋は商品が売れた嬉しさ。全員が楽しく乾杯する。ヘブンはもしかして、現地の人と気持ちが通じて何かを一緒に楽しめたのは、来日以来初めてだったのではないだろうか?

最初おトキはビールが手に入った嬉しさで瓶を振ってしまう。案の定、栓を抜いたらビールかけが始まる。この時、ヘブンはとっさにイライザの写真を(ビールがかからないように)手にした。ああ、大切にしているんだなあ、と思った。

前回、ヘブンのところで働くことをちゃんとサワに話して理解してもらっていたんだなあと安心したが、今日、「クビになるかも知れない」というトキにサワが「なったらなったで、他の仕事を探せばいいよ!」と励ますと、いや20円くれる仕事はほかにないから辞めたくない……と漏らしてしまう。この時のサワの表情は複雑だった。自分は何年にもわたってコツコツ勉強してようやく代用教員に就き、それが月4円だ。らしゃめんではないのに20円……。

作劇上の都合もあるのだろうが、トキは簡単に収入を口にし過ぎる。サワとの一枚岩の友情にひびが入らなければいいが。



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「ばけばけ」(036)

  • 第08週「クビノ、カワ、イチマイ。」

放送日

  • 2025年11月17日(月)

概要

家族公認のもと、ヘブンの女中となった、トキ。しかし、錦織が原因で広まった誤解のせいで、ヘブンはトキに対して気まずさを感じていた。その空気に耐えかねたヘブンに、トキは「おトキさん、クビ!」と宣告される。松野家と雨清水家の両家を支えるには女中の仕事をクビになるわけにはいかない。クビ撤回のために奮闘するトキに、ヘブンはある“おつかい”を頼む。(公式サイトより)

感想

先週まではずっと重苦しい流れだったが、今回はコメディ回。ヘブンはトキにビールを買ってくるように依頼。しかしビールが何かわからないトキは、いろいろな人に相談し、琵琶(楽器)、ヒエ、鎌、独楽、胡麻などを集めて披露した。最後はサワを連れて来る。てっきり通訳を頼むのかと思ったら「サワー」だと。ビールじゃなくてサワーか。

ダジャレはともかく、サワからは「女中は絶対にやるな」と言われていたにも関わらず女中を引き受けたことについて、いつどうやって説明するのか気になっていた。この一件で、既に伝えていたことおよびさわの了解を得ていたことがわかり、ほっとした。

ところで、当時ビールなんて言ったって誰も知らないだろうと思ったのだが、日本におけるビールの歴史は意外に古く、徳川吉宗に献上された記録もあるそうな。明治2年には日本最初のビール工場が建設され、明治9年には北海道で官営のビール事業が営まれ、翌年からサッポロビールの製造を開始。明治21年キリンビールが販売され、明治23年にはヱビスビールが発売開始、明治25にはアサヒビールの販売が開始された。松江で入手可能だったかどうかはわからないが、ビール自体は既に日本でそこそこ広まっていたようだ。

錦織は毎朝ヘブンを迎えに行くのみならず、授業中ただうしろずっと控えている。彼ほどの人材をもったいない。授業はヘブン一人に任せて、錦織は別の授業を受け持てるだろうに。「付き人&何かあった時の防波堤」はつらい役目だが、江藤知事にはよほどの弱みを握られているのだろうか?



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温情家の借金取り(七週目までを見て)

33回、深夜に借金の取り立てに来た森山銭太郎に、トキは家族の目の前で5円を渡し、さらに帰途の銭太郎を追いかけて5円を渡す。さすがに10円を渡しては不自然過ぎるとトキなりに考えたのだろう。が、金を受け取った銭太郎は驚愕していた。その目は「堅気の仕事ではこんなに稼げるわけがない、あんた、もしかして……」と言っているように見えた。

その上銭太郎は、せっかくのトキの配慮を無視し、追加で5円を返しに来たことをフミに伝えた。もちろん、何月何日にいくらの返却を受け、その結果、残金はいくらであると明確にする必要があるわけだから、隠し通せるわけがないのだが、銭太郎の「告げ口」は松野家のことを気遣ってのことのように思える。

銭太郎によれば、亡父・善太郎は生前、「もっと厳しく取り立てればよかった」と言っていたという。そのため銭太郎は奇声をあげたり、そこいら中をひっかき回したりと、血も涙もない取立人風を装っているが、これは演技で、本当は心優しい人間ではないのか。だから家に入る前に何度も深呼吸をし、さあこれから仮面をかぶるぞと自分に言い聞かせる必要があるのではないか。

そして、亡き善太郎もそうだったのではないか。

第4週、トキが銀二郎を置いて東京から帰って来た時、トキの運命は遊女になる一択だったはず。そうでなければ借金は返せないし、善太郎もそう言っていた。だからこそトキが呑気にしじみ売りなどを4年も続けている姿を見て驚いたのだ。

借金を返すという観点ではそうすべきだったのだろうが、善太郎は口ではそう言ったものの、さすがにそれは忍びず、とにかく女郎になる以外の方法でなんとか借金の返済をしてもらうような話し合いがなされた……ということだったのではないか。

トキが身を売ったとしか考えられない金を手にしているのを知った銭太郎が、「ようやく覚悟を決めたか、これからはサクサク返してもらえるな、よし」ではなく、即座にフミに報告に来たということは、銭太郎も「自分の顧客(の娘)を遊女にはしたくない」と考えているのだろう。

ただ、そうなると不思議なのは、そもそもなぜ司之介に金を貸したのか、ということだ。商売を始めて、最初はうまくいき、小金を得た。これをさらに増やすべく「借りられるだけ借りた」ということだが、いつの時代でも無担保で金を貸す人はいない。金を貸した側は、「いざとなったら娘を売ればいい」と考えて、いわばトキを担保に金を貸したのではないかと思われる。森山が今回考察したような人情家なら、そういう貸し方をするとは思えない。

もしかして、最初に貸した人は森山ではなく、あちこちの借金を一本化し、最後にその権利を持って行ったのが森山ということだろうか。それなら辻褄が合う。
(2025-11-17 記)

「ばけばけ」(035)

  • 第07週「オトキサン、ジョチュウ、OK?」

放送日

  • 2025年11月14日(金)

概要

家族にヘブンの女中であることが知られてしまったトキ。さらに司之介、フミ、勘右衛門に、物乞いとなったタエの存在も知られてしまった。トキがタエのことを黙っていたことについて家族が問おうとした矢先、三之丞が松野家を訪れる。トキが家族に隠していた秘密がすべて明るみになる。(公式サイトより)

感想

三之丞は自分一人でなにかおいしいものでも食べているのでは、と邪推していたが、そうではなかった。梶谷記者に差し出した以外は一切使っていなかった。よかった。もらったおむすびを犬にやってしまったのは、このお金をどうしようと思うと、気が重くて、食事どころではなかったということか。

三之丞が梶谷に渡した金は、公式サイトにはトキからもらったお金を全額やってしまったかのような説明になっていたが、あげたのは一円だろ? と昨日のブログに書いた。それは当たっていた。それにしても梶谷、本当にその一円を受け取ってしまったのだな。それは記者として許されることなんか?

昨日、トキの仕事について松野家で嘘がなくなり、ほっとしたのに続き、雨清水家の件についても秘密がなくなった。秘密を抱えているのは見ている方もつらいので、本当によかった。あとは三之丞がタエさんに正直に話すだけだ!



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