「荒川アンダー ザ ブリッジ」第10話(最終話)

感想

冒頭のニノの日記はいじらしい。いじらしい分、化粧のどぎつさが際立ち、違和感が残る。もちろん一般のレベルでニノが厚化粧だというわけではない。しかし河川敷でその日暮らしをし、魚を取りにたびたび川に潜ることもあるニノが、眉をばっちり揃えていたり、唇に常にルージュを塗っていたりするのはやはり不自然だと思うのだ。もう少し美少女っぽいメイクがあったのではないか。

シリーズを通しての感想

リクもとい一ノ宮行の秘書(高井、島崎)は登場せず。ニノが荒川開発のためにやってきたという伏線も回収されることなく終わり。ニノが金星人だというのは、村長が河童でビリーがタイハクオウムであると同様、単なる「設定」という以上の意味は持たず。

それはそれでいいのかも知れない。ここの世界は、現実世界でさまざまに傷ついた人が自然に集まってできた集落で、お互いに本名を知らず、名乗らず、一部の人は素顔すらさらさず、それでもそこに新しい人間関係が生まれ、秩序ができていく……。そういう世界を描いたものである。自分は、ここには行かない、と思うか、仲間になりたい、と思うかは人それぞれであろうが、誰でも傷つくことはあるだろう。思い悩むこともあるだろう。そうした時に思い浮かべる場として荒川アンダー ザ ブリッジは存在するのだ。

ただし、そうであるなら……10回にわたるドラマの中で、過去が明かされたのはビリー(とジャクリーン)のみ。星の前歴はまあ明らかで、シロもちょっと触れられたが、どうして荒川にたどりついたのかは明らかにされない。登場回数もメンバー間で格差があったが、もう少し各人を掘り下げて描いても良かったのではないかと思う(原作ではニノ以外は過去が明かされている)。

また、河川敷の開発など、伏線だけ張っておいて回収せず、続きは映画で、という手法は、近年流行りのスタイルだが、詐欺に等しい行為だと思う。ドラマはドラマできちんと完結させてほしいものだ。

その他

ドラマの冒頭で「前回までのAUTB」というのが2〜3分挿入される。このAUTBの意味がわからなかった。粗筋のことを最近はそう呼ぶのか? で、タッタ今気付いたのだが、これはArakawa Under The Bridgeのことだったのですね。一言くらい説明入れろよ。

荒川アンダー ザ ブリッジ 1 (ヤングガンガンコミックス)

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