首都圏では「ヒューマントラストシネマ渋谷でしか上映していない(というか、全国でも2箇所だけらしい)。もう少し多くの劇場で上映されてもいい作品だと思うが。
題名 | ラブクラフト・ガール |
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原作 | シンマミサ(ラブコメディエッチ漫画) |
監督 | 平林克理 |
出演 | 安藤聖(小倉茜)、中村倫也(田村幸基、茜の上司)、羽鳥名美子(神谷真帆、先輩)、黒瀬友望(鈴木幸恵、先輩)、千葉雅子(東陽子、倉庫係)、矢柴俊博(聖拓海、社長)、神戸アキコ(佐藤純、茜の男前な友人)、木野花(夏樹治子、11時のオバサン)、小村裕次郎(桜田、夏樹治子の部下)、他 |
公式サイト | 11月22日(金)公開!映画『ラブクラフト・ガール』公式サイト |
制作 | 日本(2013年11月22日公開) |
劇場 | ヒューマントラストシネマ渋谷 |
内容紹介
勤め先をリストラされ、同棲中の彼氏に浮気され、引っ越しをしたら貯金ゼロ。大急ぎで仕事を探さなければ……と思った矢先に、デザーナーになれるという言葉に飛びついて就職した会社・ラブクラフト社は、ラブグッズ(女性のためのセクシャルグッズ)を取り扱う会社だった。入社後にそれを知った茜は、こんなはずではなかったと慌てるが……
雑感
「デザイナー」という言葉は非常に幅広い職種をカバーする用語である。だからデザイナーと言われただけでは仕事の中身は全くわからない。なぜそんな事態になるかというと、「デザイナー」という言葉がカッコいいからである。できればデザイナーと呼びたいし、呼ばれたい。そんな心理が働くため、猫も杓子もデザイナーになってしまうのである。
そうやってカッコつけたり、人を持ち上げたり羨んだりするだけなら実害はないが、仕事として受ける時には、できるだけ具体的に話を進めないと大火傷をする。茜はデザイナー志望だけれと、プロのデザイナーではなかったから、引っ掛かってしまったんだなあ。しかし、採用する側も、こんなことですぐ辞められたら結局損をするのだから、面接のときにちゃんと説明すればいいのになあ。
ただ、この作品は、単にアダルトグッズだからという表面的な話ではなく、仕事をしている時に、こんなはずじゃなかった、と空しさに捕らわれることは、誰しも多かれ少なかれあるのではないか。そうした時にどうするか、というテーマを扱ったものなのだろう。そして少々出来過ぎの感もあるが、茜の成長ぶりは見事だ。
正直、予告を見た時は、茜が(あるいは、他の女性スタッフが)会社の製品を使って試すシーンが出てくるものとばかり思っていた。しかし、そのような場面は一切出てこない。登場人物はエッチもしないし、セクハラシーンもなし。普通の会社であればたちまちセクハラ認定されてしまう業務だけに、むしろ慎重にそのような態度は避けていることが窺える。かなり真面目に作られた、硬派な作品だ。
原作の漫画は期待通り(?)のエッチ漫画らしい。一度読んでみたい。

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配役
登場人物は全員知らない人だった……と思ったが、そうでもなかった。下記、いずれも印象はないのだが。
- 安藤聖は「踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!」で婦警役、「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」では居酒屋の店員役で登場している。
- 中村倫也は「妖怪人間ベム」第一話でゲスト出演。
- 千葉雅子は「週刊真木よう子」第11話に登場。
- 矢柴俊博は「新選組!」「のだめカンタービレ」(音楽講師役)「風のガーデン」(第一話ゲスト)「ストロベリーナイト」(第六話ゲスト)
- 木野花は「嫌われ松子の一生」「はやぶさ/HAYABUSA」(恵の母)「鍵泥棒のメソッド」(香苗の母)
- 小村裕次郎は「カイジ」「SP 革命編」「はやぶさ/HAYABUSA」
過去記事
- ドキュメンタリーじゃないのが惜しい「はやぶさ/HAYABUSA」(2011/10/01)
- 広末の好演が光る。「鍵泥棒のメソッド」(2013/04/30)