窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「どうする家康」(14)

題名

  • 「どうする家康」第14話「金ヶ崎でどうする!」

放送日

  • 2023年4月16日

今日の柴田勝家

「徳川様がおられる時だけでござる。我が殿の機嫌が良いのは」

概要

信長と共に、朝倉義景との戦に臨んだ家康。その裏では、浅井長政が謀反を決意していた。浅井・朝倉に挟み撃ちにされれば、織田・徳川連合軍はひとたまりもない。長政の妻・お市の心中を察した侍女・阿月は、謀反を知らせるため、信長が陣を敷く金ヶ崎へ向かう。一方、家康もまた、浅井軍の不審な動きに胸騒ぎを覚え、撤退すべきと主張するが、信長の怒りを買ってしまう!(公式サイトより)

阿月は幼い頃から足が速く、駆けっこでは男にも負けなかったが、父から走ることを禁止され、行儀作法を仕込まれる。そして一人目になるとはした金で売り飛ばされてしまう。その後食うや食わずの生活を送るが(阿月を買った家から逃げ出したか?)、小谷城内へ盗みに入って捕まったところが市の目に留まり、拾われる。それからはきちんと人間らしい生活が送れるようになった。前回は、高価な高価な金平糖を、家康がわざわざ市にとくれた、たった一粒しかない金平糖を、日頃の褒美だと言ってくれた。

阿月はその市のために命がけで金ヶ崎まで走る。一晩で約40kmの道を、傷だらけになって。家康の顔を見た途端に「お引き候え」と呟いて息を引き取った。それを聞いた家康は信長に退却を進言。自分ではない、市様の進言だと言って。信長は秀吉にしんがりを言いつけ、去る。

雑感

「走れあづき」の回だった。こんなに阿月に尺を取るとは思わなかったが、親に金で売り買いされた女が、市の元で人間としての尊厳を取り戻し、市のために命を懸ける展開はよかった。阿月は架空の人物かも知れないが、この時代、貧しい家の親が娘を売るのはよくあったのだろう。市に救われるが、その市もまた、女であるが故の絶望を味わってきた。今回は(も)非常に面白かった。

阿月からの報告の前に、徳川勢は浅井の裏切りの可能性について考えていた。信長以下、浅井を信じ切っているのに家康だけが危機に気付いていたとするのは、主人公補正だろうが、その「気づき」がなんら根拠がなく、「そういう可能性がある」だけというのは寂しかった。連合軍だから、誰かが裏切る可能性は(可能性というのなら)常にある。しかし義理の弟でもあるわけで、そこをも疑い出したら、誰も信用できなくなる。何かの証拠を持ち出してほしかった。

しんがりを言いつけられた秀吉は家康に手を組もうと持ち掛け、家康は、金ヶ崎で朝倉軍を迎え討ち、信長殿の逃げる時間を稼ぐと臣下に告げるが、これはいただけない。信長の部下である秀吉は自分の命を盾にして信長を守って当然。しかし家康は部下ではなく同盟者だ。三河の者が信長を守る筋はない。ここはさっさと逃げるべき場面のはず。

浅井長政が信長を裏切る理由は、「信長協奏曲」に描かれたものと共通する。信長は自分が気に入らない相手を滅ぼす。浅井も言うことを聞かなければ滅ぼされるかも知れないのだという。言うことを聞けばいいのではないかと思うのだが。

次回は姉川の合戦まで進むようだ。

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