窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「ブギウギ」(095)

第20週「ワテかて必死や」(木)

放送日

  • 2024年2月15日

概要

スズ子は靴磨きの少年・達彦に会いに行く。達彦にタイ子との思い出話をし、達彦からは、タイ子の近況やこれまでのいきさつを聞く。なんとかタイ子の力になりたいと考えるスズ子は、おミネにある相談をすることにする……。おミネの協力で、いつもより多くの売上を得た達彦だったが、タイ子はお金を返してくるよう言う。見かねたスズ子は、タイ子の家の中に乗り込んでいく。(NHKオンデマンドの解説より)

感想

達彦はいい子だ。タイ子に追い返されたスズ子が、翌日も達彦に靴を磨いてもらいに現われると「昨日はかあちゃんがごめん」と謝る。スズ子が「あんたのお母ちゃんとは親友やったんや、ワテが歌手になれたのもタイ子ちゃんのおかげや」と話すと、目を輝かせて聞き入る。達彦にとっては、自分を育てるために必死になっていた母か、病気で臥せっている母しか知らない。母を褒めてくれる人がいるのが嬉しいのだろう。こんな素直な態度を見れば、タイ子がこの子をどのように育てたのかはわかる。タイ子も立派なのだ。

どうしたらタイ子を助けられるかスズ子はおミネに相談する。スズ子は恐らく、タイ子が受け入れてくれるなら、病院代や達彦の生活費一切を自分が出してもいいくらいの気持ちでいたのだろうが、かつての親友から見下されるのはつらいはず、というアドバイスで、彼女らに達彦の客になってくれるよう頼む。

達彦の靴磨きにパンパンガールズが列をなす。おかげでいつもの何倍ものお金を稼ぐことができたが、帰宅するとタイ子は、そんなに急に客が増えるわけないから盗んだに違いないと思い込み、達彦を叱りつける。様子を窺っていたスズ子は思わず「盗んだんちゃうで」とタイ子に告げる。

恐らく、スズ子から施しを受けるのはタイ子には耐えられないことなのだろう。命の瀬戸際にある今なお、それを拒否する誇り高い女性なのだ。直接お金の援助を受けるのは無論だが、スズ子がこんな風に達彦の世話を焼き、客を紹介したりするのも同じこと。それをバラしてしまったら、タイ子は強く傷つく。何より興奮させては身体に障る。ここはもうちょっと黙って見守るべきだった、と思うが、スズ子のおせっかい癖はこれ以上我慢できないのだった。吉と出ればよいが。



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