またしても邦画。しかし、邦画にしてはかなり面白かった。
- 宣伝では堤真一ばかりがクローズアップされているが、堺雅人がカッコよかった。最初の方で、命懸けで現場取材を行ない、締め切りのデッドライン直前に電話で原稿を送ってきたが、それが載らない。なぜ落としたのか? と堤に詰め寄る場面はゾクゾクするほどの迫力があった。一方、ラストの方で、社長に辞表を叩きつけた堤を追って、乗客の遺書というスクープ写真を見せ、「明日の一面で使ってください」(=辞表を取り下げ、デスクとして指示してください)と頼む場面はお約束とはいえ、感動的。堺は「新選組!」の山南総長以来だが、存在感のある役者だなあ。
- しかし、少しでもいい記事を書くために全社一丸となるわけではなく、社長の一声に言い返すことのできない現場(それでもジャーナリストか?)、若手に追い越されることに嫉妬する先輩社員の執拗な嫌がらせ、派閥争いなど、日本映画らしいといえばそれまでだが、そういう部分にはうんざりした。
- 背景説明は短く、専門用語・業界用語らしきものも次々に飛び出すが、早口だったり、音が必ずしも拾えていなかったりして、聞き取りにくい。なので、背景や全体の流れが今ひとつつかみにくい。それでも、映像の圧倒的な力で感じ取れればそれでいいのかも知れない。もう一回観ればもっとよく理解できるだろうし、もう一回くらいは観てもいいかな、という気にはさせられた。