バリの陽射しがまぶしい。
題名 | 神様はバリにいる |
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原案 | クロイワ・ショウ「出稼けば大富豪」 |
監督 | 李闘士男 |
出演 | 尾野真千子(照川祥子、借金を負ってバリまで逃げてきた女)、堤真一(アニキ、大富豪)、ナオト・インティライミ(杉田、祥子を追ってバリまできた男)、玉木宏(リュウ、眼科医)、菜々緒(香奈、リュウの元カノ)、他 |
公式サイト | 映画『神様はバリにいる』公式サイト |
制作 | 日本(2015年1月17日公開) |
時間 | 106分 |
劇場 | TOHOシネマズ 川崎 |
内容
祥子は幼い頃から成績優秀で一流大学を一流の成績で卒業。その後起業し「社長」に収まるが、社員が居つかず経営不振で借金を背負う。生命保険で借金を清算すべく、自殺しにバリにやってくるが、そこで怪しげな関西弁をしゃべるやくざ紛いな男と出会う。なんと彼は「アニキ」と呼ばれる地元きっての大富豪だった。
しばらく仕事を手伝えと言われ、行動を共にするうち、胡散臭く思えた「アニキ」の人柄や経営方針に惹かれはじめた祥子は、失敗の原因を他人のせいばかりにしていた自分を反省。アニキの思想を世に伝えるべく本を書く決意をする……
雑感
久しぶりに映画らしい映画を観た気がする。映画のために書き起こされた脚本で、原作なしだと思ったが、「アニキ」にはモデルがいて、元になる書籍作品もあるようだ。この作品は読んでいないので想像だが、恐らく設定だけもらってストーリーは独自に作ったのではないか。
通常の漫画や小説の映画化は、一定の観客動員の見込める手堅いやり方なのかも知れないが、原作を知らないとよくわからないエピソードがあったり、原作を知っているとここがおかしい、ここが違うというところに気が行ってしまい、映画として素直に楽しめない。もちろん、「るろうに剣心」のような名作が生まれることもあるのだが、もっとオリジナル脚本を積極的にとりあげてほしい。
映画は、バリの「暑さ」がよく表われていた。こうした、違った世界を垣間見るというのは映画の楽しみのひとつであり、それだけで星一つ献上したい。堤真一も玉木宏もよく日に焼けていた(白い肌の尾野真千子と対照的)。あの肌の色は化粧では出せないものだと思うけど、れはどうやったのだろう。日焼けサロンにでも通ったのか、それとも撮影に何週間か先行して現地に行き、リハーサルなどを繰り返しつつ日に焼けたのか。
堤真一が、眉毛を抜き、妙な関西弁をしゃべる、いかにも「怪しい」人物を熱演。この存在感でずっと惹きつけられたようなものだ。モデルがいるなら、あまり変なことをすると失礼に当たらないかと余計な心配をしてしまったが、本物の「アニキ」のホームページを見る限りでは、本人は輪をかけて怪しい人物のようである。
尾野真千子が服をすべて脱ぎ、すっぽんぽんで川に飛び込むシーンもある。ロングショットなのではっきりとは見えないのだが、オノマチのオールヌード!? にはビックリした。
その他
尾野真千子はいまやすっかり大女優であり、こういう役ばかりになってしまったのは個人的には残念。「こういう役」というのはうまく言えないのだが、「クライマーズ・ハイ」や「のぼうの城」のような、脇役なんだけどキラリと光る、というああいう役をまた観たいと思う。でも、もうこうした役は回ってこないだろう。脇役でくるのは「謝罪の王様」のような役どころになってしまうのだ。
(2015/2/22 記)
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