窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

俳優を知らない

普段、滅多にテレビを見ないのだが、そんな僕が久しぶり(本当に久しぶり)にドラマを見て面白いと思ったのが「踊る大捜査線」だ。1997年のドラマだが、僕が見たのは恐らく2000年のこと。あれは最初の映画が大ヒットして、周囲でさんざん話題になって、それが落ち着いた頃、何度目かの再放送をやっているのにたまたま気付き、ふと見てみたのである。そうしたら、これがめちゃくちゃ面白い。それでビデオを借りてきてテレビドラマ編全編を見て、スペシャル版を3つとも全部見て、映画も見て、結局すべてDVDで買って何度も見返し、……というようにハマっていったのだったが、その話は置いておいて。

最初にテレビドラマ編を見た時に驚いたのは、和久さんを演じたいかりや長介さん以外、誰も俳優を知らなかったことだ。

織田裕二は、名前は知っていたけど、顔を見るのは初めて。へーこの人が織田裕二かあと思った。それ以外は、深津絵里も、ユースケ・サンタマリアも、水野美紀も、柳葉敏郎も、初めて聞く名前である。まして、小林すすむ佐戸井けん太甲本雅裕遠山俊也らに到っては……。後から思うと、北村総一朗小野武彦ぐらいはどこかで顔を見ていたのではないかとも思うのだが、顔も名前も記憶になかった。

まあ、テレビドラマなんてまともに見るのはもう随分久しぶりだから、仕方がないなあ。と思う一方で、テレビドラマからスペシャル版、映画まで、大勢の登場人物がいて、かなり熱心に見たから主要な人は印象に残っている。これだけたくさんの役者さんをこのドラマを通じて知ったのだから、次に何かのドラマを見た時には、きっと何人も知っている人が登場するに違いない、とも思った。

次に熱心に見たドラマは「のだめカンタービレ」である。2006年のドラマだが、僕が見たのは2008年である。テレビ放映されていた時、僕の周囲で割に評判がよく、へーと思いながらも、途中から見てもなーとその気になれずにいたところ、2008年の正月にスペシャル版が放映されて人気が再燃し、DVDも出ていることだから始めからレンタルしてみようかと途中まで借りたが続きが借りられず、購入を決意。最終的には何度も繰り返し見ることになるのだが、その話も置いておいて。

このドラマを見た時に驚いたのは、知っている俳優が一人もいなかったことだ!

玉木宏という名前は聞いたことがあったような気がしたのだが、顔は知らないし、上野樹里も、水川あさみも、瑛太も、名前すら知らなかった。

正確に言えば、秋吉久美子宮崎美子は知っていた。でも秋吉久美子は、小学生の頃にドラマによく出ていたのを見て「素敵なおねーさまー」みたいに思っていた時以来であって、記憶の秋吉久美子と同一人物とは認めがたかったし、宮崎美子に到っては、高校生の時に、Tシャツとジーンズを脱ぐあのミノルタのCMに胸をときめかせていた僕としては、あのコメディエンヌのおばさんが同一人物だとはどうしても思えないのである(あとから知った時も、当初は同姓同名の別人かと思ったくらいだ)。

伊武雅刀は、デスラー総統の声とか、「子供たちを責めないで」の歌とかでよく知っていたけど、顔をまともに見るのは初めて。竹中直人も名前は(景山民夫のエッセイで)知っていたけど、ああこの人がそうなのかと初めて知ったほど。ああ、西村雅彦は「交渉人 真下正義」で指揮棒を振るっていたから、知っていたはずですね。あの時の人だということはあとから知ったんだけど。

知っている人がいない、ということは、話の展開が読めないということでもあり、いい方向に作用することもある。最初、瑛太演じる峰くんは、最初のエピソードだけの使い捨てキャラかと思ったのだが、瑛太の熱演ぶりから、この峰くんは、結構最後まで絡むキャラなのかな、などと考え直したりした。原作を知らなくても瑛太を知っていれば、メインキャラの一人であることは初めから予想がつくわけだが、知らなかったからこその楽しみでもあった。

とはいえ、こんなにも知らない人が大勢いることに驚くと同時に、これで随分たくさんの役者を知ったから、「踊る大捜査線」と合わせればかなりになるぞと思ったのだった。

次にハマってDVDを買うドラマは「ガリレオ」である。で、またしても、知っている役者がほとんど誰もおらず……と言いたいところだが、確かに福山雅治柴咲コウ北村一輝品川祐渡辺いっけいなどは知らなかったのだが、真矢みきは知ってた! 「踊る大捜査線」の映画化第2弾「レインボーブリッジを封鎖せよ!」に登場した沖田管理官である。また、湯川ゼミの学生に伊藤隆大がいた。「のだめカンタービレ」で瀬川悠人をやった人である。ゲストは、第一話の唐沢寿明はわからなかったけれど、第二話の石井正則は「交渉人 真下正義」の広報・矢野君であり、第三話の広末涼子はさすがに知っていて(なんで知ったんだろう?)、甲本雅裕は緒方警官であり、第四話の香取慎吾はもちろん新撰組近藤勇であり、第五話の水野美紀はもちろん雪乃さんであり、第七話の深田恭子はもちろんよく知っていて(なんで知ったんだろう、「富豪刑事」かな?)、……と、ようやく勉強(?)の成果が出てきた。

ここ2〜3年はそれなりにいろいろドラマも映画も見ているため、新しいドラマを見ても全く誰も知らない、ということはない。しかし、知っている役者より知らない人が多いのは変わらない。日本には一体役者さんが何人いるのだろう。