ラストシーンの印象度という点では、これまで観た映画の中でも一、二を争うかも知れない。
題名 | LIFE!(The Secret Life of Walter Mitty) |
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原作 | ジェームズ・サーバー「虹をつかむ男」/同題の映画(1950年)のリメイク |
監督 | ベン・スティラー |
出演 | ベン・スティラー(ウォルター・ミティ、LIFE社員)、クリステン・ウィグ(シェリル・メルホフ、ウォルターの同僚)、ショーン・ペン(ショーン・オコンネル、冒険カメラマン)、シャーリー・マクレーン(エドナ・ミティ、ウォルターの母)、キャスリン・ハーン(オデッサ・ミティ、ウォルターの妹)、アダム・スコット(テッド・ヘンドリックス、ウォルターの新しい上司)、パットン・オズワルト(トッド・マハール、出会い系サイト「eHarmony」の担当者)、他 |
公式サイト | 映画「LIFE!」オフィシャルサイト |
制作 | USA(2014年3月19日日本公開) |
時間 | 93分 |
劇場 | TOHOシネマズ 川崎 |
内容紹介
ウォルター・ミティは雑誌「ライフ」の写真管理部に永年勤めている。独身。思いを寄せる人はいるが、告白することもできない。そんな内気な彼は、空想の中でヒーローを演じ、その世界にたびたび思いを馳せ――現実には「ぼんやり」していることが多かった。
ある日、ライフ社の事業統合に伴い、「LIFE」誌が廃刊されることになった。部内はリストラの嵐が吹き荒れる。新しい上司テッド・ヘンドリックスはウォルターもリストラ候補に挙げていた。そんな矢先に専属カメラマンのショーン・オコンネルからテッドの元に電報が届く。最終号を飾るに相応しい写真が撮れた。表紙にはぜひ25番の写真を使ってほしいと。しかしウォルターの手元には、その25番のネガだけが見つからないのだ。
大事な写真を、それも最終号の表紙を飾る写真のネガを紛失したなどということになっては大問題になる。クビは確実。いくら探しても見つからず、ショーンは携帯電話を持っていないので連絡も取れない。ついにウォルターはショーンの行方を追って旅に出る……
雑感
話の展開がダイナミック過ぎて、どのように収まりをつけるのかまるでわからず、ついていくのは大変だったし、不安にもなったが、最後はちゃんと話を落としてくれる。最後まで観てようやく安心できる。
紛失した写真を探すというミステリーでもある。そうなれば、当然、その写真はそこまでして探す価値があるものなのかという疑問が生じる。従って、それは何を写した、どんな写真なのかというミステリーでもある。それは最後に明かされるのだが、その写真は、LIME誌の最後を飾るのにこれ以上相応しいものはないと思われるものであり、すべての疑問を明解に説明するものだった。
ちなみに、実際のTIME誌最終号の表紙はなんだったのか、調べてみたが、これとは全く異なるものであった。画面に映し出される過去の表紙は実際にあったものだが、これは創作である。誰が考えたのかわからないが、この写真で行こう、というアイデアが、この映画のすべてを決めたように思われる。
ただし、気になる箇所がないでもない。ショーンがこれを表紙に使うよう提案したのはわかるし、多くの人はその考えを支持するであろうが、テッドはなぜそれを飲んだのか。「ふざけるな。表紙にもっと相応しい写真はある」と突っぱねることもできたはずだ。また、もしこの写真を受け入れるなら、ウォルターのクビは撤回しないとテッド自身の信用が失われるはずである。テッドがクビを撤回し、ウォルターが「誰がお前の下でなんか働くか」といって自分から辞めるというならテッドの顔も立つが、そのようなやりとりがあった風でもなかった。この点は疑問が残る。
リンク
- 「LIFE!」見たよ(子持ちししゃもといっしょ、2014/03/22)
- 『LIFE!』 赤か青なら、赤を選ぼう!(映画のブログ、2014/03/25)
- LIFE!/世界はずっとそこにあって、ただ、僕がそれを知らなかった(映画感想 * FRAGILE、2014/03/24)