ブルーレイ視聴。
過去記事
- 「野性の証明」(1982/1/31)
- 「野性の証明」(二度目)(1982/2/1)
雑感
ちゃんと見るのは40年近くぶりだが、相変わらず面白かった。いとも簡単に人が死ぬ(殺される)が、長井頼子が死ぬシーンはやはり感動的。
中野良子が控えめだが実に色気がある。薬師丸ひろ子は可愛い。特殊工作隊の連中のアクションはすごい。しかし何と言っても三國連太郎の存在感が群を抜く。だからこそ悪ぶってはいても舘ひろしの「小ささ」が際立つ(舘ひろしが小さいわけではなく、そういう演技をしたということだろうが)。
味沢岳史と長井頼子の親子関係、味沢と越智朋子との友情とかすかな愛……という横糸に、東北一帯を覆うどす黒い陰謀という縦糸が絡まる。そして途中からは大場一族からも自衛隊からも命を狙われる命懸けの逃走劇。
それにしても特殊工作隊も大場一族も人を殺し過ぎだ。大場は、越智朋子や北林谷栄扮する老婆を殺す必要はなかった。前者は暴走族による暴行、後者は自殺に見せかけたとはいえ、見る人が見ればわかるし、それは、そこに自分らの弱みがありますよと告白しているようなもの。ほっとけばよかったと思う。
また特殊工作隊は作戦以外で一般人と関わることが硬く禁じられており、たとえ目の前で肉親が殺されても傍観していなければいけないそうだ。大量虐殺犯である長井頼子の父を味沢が手にかけたのは規約違反かも知れないが、長井頼子を救うために手を出しました、ということであれば、罪に問われることはなく、むしろ自衛隊の本文を果たしたということで表彰ものなのではないか。それをもみ消そうと警察署に圧力をかけるから、北野刑事のような人を生んでしまう。
頼子が殺されたあと……浜辺ではしゃぐ頼子が走馬灯のように映し出される。あれな反則だよ……可愛いよ頼子……