大河枠で放映。「秀吉」は1996年放送。原作は堺屋太一。
「秀吉」主要出演者:カギ括弧内は役者の誕生日後の満年齢
雑感
評判になった大河だが、自分はこの作品を見たことがない。今日見た限りでは、見なくても惜しくない作品だったとは思った。第一回からいきなり竹中直人と村上弘明が出演したようだが、恐らく日吉は10歳以下であろう。子役を立てずに幼児期から本役の人に演じさせる大河の悪習慣は、この年も生きていたようである。佐吉を演じた小栗旬などはいい例だが、子役から将来の名優が育って行くのだ。どんどん子役を使えばいいのにと思う。
毎年必ずそうというわけではないが、子役を使わないのは、大河ドラマに巣食う三大悪癖のひとつである。今年もそうだ。
それはそれとして、明智光秀をイケメン・善人に描いた大河は今年が初めてだと思い込んでいたが、少なくとも「秀吉」に先例があった。村上弘明は見目麗しく、教養もありそうな、いい武士であった。
竹中直人が泥だらけの大根にかぶりつくシーン。ドラマにはよくそうした場面があって、汚いけど役者さんもよくやるなあ、と思っていたが、あれはチョコレートで泥のように見せかけていたのだそうである。「甘いのやら酸っぱいのやら、変な味でした」とのことだったが、それで合点がいった。味はともかく、清潔な食べ物だったことがわかって安心した。
あと、竹中は「堕ちてこそヒーロー、もしまた秀吉を演じることができたら、晩年の嫌な秀吉をしっかり演じたい」と言っていたのには少々驚いた。「軍師官兵衛」でまさにそうした晩年を演じたのではなかったか。おねしょをしたり、耄碌していく秀吉を描いた初の大河と言われたが、竹中的にはそれでもまだ物足りない思いがあったということだろうか。それとも、「秀吉」が終わった時はそう思っていましたが、「軍師官兵衛」で思いが果たせました、ということなのか。後者のようにも受け取れた。