サブタイトル
「過去への旅」
放送日
- 2020年10月6日
概要
玲子と慶太はともに眠れない夜を過ごす。異性関係にウブな玲子は、ゆうべのキスに戸惑い、なぜあんなことをしたのか気になって。慶太は、勢いでキスしてしまったが、やり過ぎた、と思って。朝起きたら、慶太は既にどこかへ出かけていていなかった。
玲子の両親は離婚しており、玲子は母に育てられた。第二話で逮捕のシーンがチラと映ったが、実は玲子は幼少の頃通っていたテニススクールで才能ありと言われ、父はその才能を開花させるため高額なレッスンに通わせ、さらにアメリカ留学の費用を捻出すべく、横領をしてしまったのだ。逮捕後、サチと離婚すると、行方知れずになっていた。
と玲子は思っていたのだが、キッチンの棚の奥に、知らない男の人から毎月送られてきた現金書留が、封を切らずにしまってあるのを見つけ、これは養育費で、差出人が父だと察する。しばし逡巡したものの、父に会うべきだと判断し、伊豆に向かう。
テニスの才能を伸ばしてやれない甲斐性なしの父で済まない、と謝る父に、自分は現在経理の仕事をしていること、毎日楽しく過ごしていることを話し、これからは自分のための人生を生きてほしいと伝えて去る。
雑感
完全に三浦春馬の追悼回だった。
三浦春馬パートは第四話まで撮影が済んでいるので、一部ストーリーを変えて第四話で完結にする、という説明だったが、三浦春馬は冒頭の寝姿(眠れずにいる様子)だけ。あとは回想シーンは何度も出て来たが、ドラマには一切登場しないのだった。そして周囲の人が慶太の思い出を語り出す。経理部の同僚が、板垣が、慶太の両親が。そして最後は玲子が。これは慶太のことではない。出演者が三浦春馬のことを語っているのだ。
翌朝、誰かがみずよう館にやって来、出迎えた玲子がゆっくり微笑んだところで終わる。朝帰りした母、あるいは一般客であればこんな顔はしないだろうから、この笑顔は慶太に向けられたものと考えるのが妥当だろうが、表情の変化がゆっくりだったことや、言葉を発しなかったことから、気配だけが帰って来て、これは慶太さんなんだわ、と感じたのかも知れない。こんな風にひょっこりと返ってきてほしい、と多くの人が三浦春馬に対して抱いているであろうことを表現したものとなった。
今回のほとんどの部分は三浦春馬がこの世からいなくなったあとで撮影されたものだろう。慶太を偲ぶシーンは、演技ではなく、それぞれの役者が、三浦春馬に対する気持ちを乗せて発したのだろうと思う。
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リンク
- 三浦春馬のいない最終話 『おカネの切れ目が恋のはじまり』が発した表と裏のメッセージ(堀井憲一郎)(2020/10/7、Yahoo!ニュース)
- 三浦春馬さんへの愛を語った登場人物たち 奇跡の最終回となった『おカネの切れ目が恋のはじまり』(小田慶子)(2020/10/8、Real Sound)