第17週「ムジナモ」(月)
放送日
- 2023年7月24日
概要
万太郎が植物採集の旅から帰ってきた日、寿恵子は無事に長女の園子を出産。新しい家族が増え、幸せな日々を送っていた。ある日、万太郎、波多野、藤丸の三人は、久しぶりに集まり牛鍋を囲んでいた。植物採集旅行の話や、園子の話で大盛り上がり。一方田邊は、万太郎の作った図譜を見ていて……。(NHKオンデマンドの解説より)
田邊の許に森有礼から手紙が来ていた。日本人の言語を、今後、日本語ではなく英語にするという案が出ているがどう思うか。田邊は、代案としてローマ字を使うことを進言。これでタイプライターが使えるし、日本語の音が残ると。そのような話を聡子に聞かせる。が、また寿恵子に会いたいと言うと、急に顔を強張らせ、槙野がこの家に来ることはもう二度とないと答える。
波多野の卒業と助手就任が決まった。藤丸は、槙野との植物採集旅行で、動物と植物の中間のような不思議な生物を見つけた。それが何かを研究するために近々大学に戻ると言う。三人とも意気軒高だ。
感想
寿恵子が質屋通いを続けているというのに、万太郎は牛鍋屋かぁ……というのが一番の感想。悪い人ではないのだが、この経済感覚のなさは致命的。波多野や藤丸は万太郎の懐具合を知っているだろうに、もっと安いところに行こうよ、という気はないのだろうか。
子どもの頃、戦後日本語に替えて英語にする、フランス語にするという主張が多々あったことを知った時、母語を大切にできない者が国際社会で尊敬されるものか、阿呆かと思ったものだが、考えてみれば敗戦国である。戦勝国の言語が公用語になるのは、ごく普通に見られること。日韓併合の際は日本語を強制したのだ。ローマ字論者は、せめてもの折衷案だったのだろう。
今日の目で振り返ると、日本語が一切使えなくなったとしたら問題だが、英語が公用語になっていた方が、日本にとってはよかったようにも思える。