窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「ブギウギ」(013)

第3週「桃色争議や!」(水)

放送日

  • 2023年10月18日

概要

大和礼子は演出のメインとして「ラインダンス」を考案する。劇団員が一糸乱れぬ踊りをすることで、一致団結する象徴として絶対にやりたいと稽古を始める。しかし、桜庭和希は相変わらず稽古を休んだままだった。なんとかしたいスズ子は、ツヤと梅吉、そしてはな湯の常連客に相談するのだが、なかなか答えが見つからない。そんなある日、和希が劇団をやめると言いだす。(NHKオンデマンドの解説より)

和希は、母が入院して家が大変だからと言うが、もちろんそれが本当の理由ではない。リリーから「それでええんか」と問われても「死ぬ気で考えた」と答えるのみ。

帰宅すると梅吉が酒を飲んで悪酔いしていた。必死で書いた脚本がまた没になったという。父は言う。やめたいけどやめられない、それはツヤが期待しているから。自分は必死でやっている、でも才能のある者はたくさんいる、つらい、死にたいと。それを見て、どうしようもないことはあるよなあ、とスズ子は考える。

翌日、礼子が和希を呼び止め、「あなた、逃げているだけよ」と言っても、横から「辞めたらええねん」と言い放つ。自分だって才能はない。礼子やリリーには絶対に敵わないと。じゃあなぜ続けるのかと和希に訊かれたスズ子は、「好きやねん。歌って踊るのが、どうしようもなく」「私かて好きや! でも負けるのが悔しいてたまらんねん」「悔しいよなあ。二人して、後輩に抜かされよ」。アオイが駆け寄って和希の頭を抱く。リリーはスズ子に「なんで泣いてんねん」と醒めた声を。そこへ礼子が「私だって、どうにもならないことはある」と告白。「でも、脱落者を出したくない、みんなでやりたいの」。最後は全員でUSK四か条を明るく斉唱する。

ようやく雨降ってなんとやらでひとつにまとまり出した。ラインダンスも皆が揃うようになってきた。そこへ社長から、給与カットと人員削減の令が……

感想

才能のあるとかないとか、やる気のあるなしとか、メンバーに気の合わない人がいるいないとか、そういう問題を乗り越え、一丸となったと思ったら非情な命令が。これはどうにかなるのか? 

昨日、スズ子はダブスタだと書いたが、訂正する。スズ子と梅吉は同じ立場ではない。正反対だ。スズ子は曲がりなりにも歌劇団のメンバーで、給与ももらっている。スターにはにはなれないかも知れないが、必要な存在であり、ちゃんと舞台にも立っている。歌劇はスターが一人いたところで成り立たないのだ。しかるに梅吉は、そのレベルにも達していない。努力しているのなんのと言っても、全くお金になっていない。それで家族もいるのだから、本来ならどこかで諦めて、お金を稼ぐことを考えるべきだっただろう。

スズ子のいいところは、ひと前で練習するところだ。日々居残り練習をしているから、周囲の人は彼女の努力を知っている。和希は居残り練習をよしとせず、自宅(のそばのどこか)で黙々と練習していた。だから周囲は彼女の努力を知らない。一方リリーは、今回の一件で皆が目を赤くしている時に、何を深刻ぶっているんだかとケロっとしている。

アオイ先輩は和希に駆け寄って抱き寄せたり、礼子が皆に心情を吐露した時に、だからラインダンスなんか、ほな練習しよか! と声をかけたり、さりげないけど要所要所で他人の心情に寄り添った行動を取っている。人一倍の人情家なのだ。ストイックな礼子といいコンビでUSKを支えている。

秋月はどういう存在になるかな。


映画ランキング