窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「ばけばけ」(034)

  • 第07週「オトキサン、ジョチュウ、OK?」

放送日

  • 2025年11月13日(木)

概要

物乞いとなったタエの前に記者の梶谷が取材をしたいと現れる。三之丞はタエを守るための口止め料として、トキに渡された生活費を渡してしまう。一方、松野家ではトキへの疑いが未だ晴れず、司之介、フミ、勘右衛門が跡をつけることに。花田旅館に入って行ったはずのトキが、なぜか裏口から出ていく様子を三人は目撃する。(公式サイトより)

松野の三人はヘブン宅に押しかけ、大騒ぎになるが、とにかく、三人はトキが何をしていたか(しようとしていたか)を正確に知ることとなり、また、ヘブンは決して妾を求めていたわけではないことが明らかになる。結果、トキは家族公認で女中を続けることになる。

一方、「なぜ雨清水家は没落したのか」という失礼な記事を書こうとした梶谷に、頼むから関わってくれるなと頼み込む三之丞は、なんと一円を握らせようとする(お札一枚に見えたから一円だと思う)。それを見たタエは、その金はどうしたのか問い詰め、三之丞は、ついに自分も社長になることができました、あれは支度金です、もう少しの辛抱です」と伝える。タエは「そう、よくやりましたね」と声をかける。

感想

とにかくトキが家族に嘘をついているのがつらくて仕方がなかったので、松野家で秘密がなくなり、本当によかった。しかし、三人は「らしゃめんではない、ただの女中だ」と知り、納得して引き下がったが、それでいいのか。たとえ単なる女中だと家族は知っていても、周囲はそう見ないかも知れない。それでも、そんな仕事はさせられない! とは思わなかったのだろうか。

梶谷記者。そうきたか。「士族の没落」といっても、視聴者の大部分は具体的な状況がわかっていなかった。このドラマを見てはじめて、それはトキ、サワ、チヨ、セン、あるいはフミ、タエといった人たちを大量に生み出したことだと知ったわけだが、これらは個人の努力が足りなかったのではなく、社会の変革に伴う犠牲者であり、政府の失策でもある。従ってそれを記事に起こし、新聞で訴えるのは意義があるかも知れない。

とはいえ取材される当事者にはたまったものではなかろう。梶谷は手土産ないし取材費を渡すべきだった。そうやって恩に着せて聞き出さなければ。あれは断わってくれと言っているような聞き方だった。それをタエが受け取るかどうかはわからないが。

さて、三之丞である。取材を断わるのは当然であろうが、お金をつかませるとは下手を打ったもの。それで引き下がる梶谷も梶谷だが、あれはその場だけで、また取材に来るのではないか。それはともかく、そんなことに金を遣うなよ……。そして母に、社長になると言ってしまい、これからどうするつもりか。いや、今後はともかく、まとまった金を持っていることを納得させたのなら、さっそく食べ物を買ってこいよ。暖かいところへ引っ越そうよ。

ところで、タエは三之丞の報告を聞いてどう思ったのだろうか。褒めはしたけど全然心がこもっている感じがしなかった。これは、見透かしてのことではないかと思うが、三之丞に対してはいつもこんな塩対応なのか。

その他雑感

  • ヘブンがトキを「おトキさん」と呼びかけた。名前は知っていたんだ! ずっと「シジミさん」と呼んでいたから、いまだ名前も知らないのかとやきもきしていた。



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