風のガーデン 最終話「ナツユキカズラ」

録画しておいたものをようやく観る。

うーん、最終話というのは、本来もっと盛り上がるものだと思うが、全11話の中で一番つまらなかった……というと、言い過ぎか。でも、いろいろなリンクを全部クローズさせようとしているだけで、今回のお話というと、何があったんだろう?

疑似結婚式を実施。前回も書いたが、こんなの、嘘でやるようなことじゃない。ちょっとぶっ飛び過ぎ。貞美(中井貴一)が芝居だということに気づいていたから救われたけど。

しばらく音信不通にしていた内山妙子(伊藤蘭)に手紙を書く。東京での生活は葬り去ったこと、家族と過ごせて幸せだということ、これまでのことに対する感謝の念を伝える。つまり、別れを告げているわけだ。まあ、あれっきりというのもナンなので、きちんと手紙を書いたのは良かったな、と思った。

ところが、その内山が富良野へやってきてしまう。ものすごーく後味が悪い。離婚したわけでもないくせに、旦那を置いてなにやってんだよ。だいたい、富良野で自分の名前を出したら、迷惑がかかると考えないのか? 貞三(緒形拳)は穏やかではあるが、家に入れずに喫茶店で会い、「家族だけで過ごさせてくれ」と拒絶。当然だ。

麻薬で意識が朦朧とした状態でも、少しでも冗談を言って周囲の人を笑わせようとする、そんな貞美の姿を少しだけ映して、あっという間に永眠。永眠の瞬間は見せず、旭川で働く岳(神木隆之介)が貞美の声を聞く……という演出は良かった。

2ヵ月半ほど経って、札幌に来た氷室茜(平原綾香)を訪ねたルイ(黒木メイサ)は、カンパニュラの押し花を渡し、貞美の死を告げる。「私も先生と連絡を取りたかったんですよ」と呑気に話す茜は、貞美の死を知って愕然とするが、半年くらいメールも電話も一切のやりとりがないのに、「連絡を取りたかった……」程度の話なのか? 病院にでも連絡をすれば、病院を辞めたことも、病気のことも、知り得たであろうに。あっさりしているのは今どきの若い子らしい、ともいえるが、それでプロの歌手がステージで歌えなくなるほどショックを受けるというのも解せない。

茜の歌う「カンパニュラの恋」を聞きながら、それにしても救いのない話だなあと嘆息。これでルイは両親を失う。祖父・貞三も、そうそうあと何年もは生きまい。岳は、おそらく一人で生きていくのは難しいだろう。しかも、ここ数ヶ月の父のことは、岳には話せない。何かひとつくらい、希望の持てる話はないのか、と思っていたら、歌が終わってもまだドラマは終わらない。これがラストシーンじゃないのか、と思ったら。

春。富良野に戻ってきた岳が、ほたるを見た気がして、駆けだすと、そこにはエゾエンゴサクが咲き乱れている。カメラが俯瞰した時、キャンピングカーの停まっていた周囲に咲いていることがわかる。貞美が思いを込めて植えた花は、今こうして芽吹き、ルイと岳に伝わっただろう。このラストシーンは良かった。いや、かなり泣かされた。

妙子の話も茜の話も全部飛ばして、貞美の闘病生活、死去、そして翌春のエゾエンゴサク、とこれだけで良かったんじゃないだろうか。

風のガーデン DVD-BOX

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