龍馬伝-12「暗殺指令」

出演

雑感

相変わらず、適確にまとめている。突っ込みも、当を得ている。こんなのを読んだら、何も書けない。(でも、書く)

前回は龍馬が土佐勤王党に入ることを迫られる場面で終わったが、その場で血判を押す。結果的に吉田東洋の誘いは断わる羽目になる。あれだけの人間に囲まれたら断われるわけがないのだけど、自分が東洋のそばに行き、勤王党のスパイになった方がなにかとやりやすいはずだと言って言い逃れする道はあった。もっとも、龍馬としては東洋の下につくのも厭だっただろうが。

龍馬は長州藩随一の攘夷の徒だという久坂玄瑞に会いに長州へ行く。ここで、単に外人が嫌いだから攘夷、攘夷のための攘夷ではなく、無理やり結ばされた現在の通商条約は非常に不平等なもので、このままでは日本の国が潰れてしまうという話をする。こういう根拠のある説明がなされたのは(少なくともこのドラマでは)初めて。しかし、これが理由だとすると、外国人を排斥するのではなく、不平等な項目を撤廃してフェアな取引をしましょう、という方向に持っていくのが自然に思える。なぜ攘夷なのかは納得できないが、彼ら的には筋が通っていると思っていたのだろうか。

土佐勤王党を結成したはよいが、具体的に何をすればよいかが見えない。数の力でプレッシャーをかけ、上士が以前のように勝手なことを言ってこなくなった、というだけである意味目的は達せられたようにも思えるが、若くたぎる血はそれだけでは収まらなかっただろう。藩政を司る吉田東洋に意見をしに行くが、全く取り合ってもらえない。しかも、他の党員が見ている前で足蹴にされ、屈辱感を味わった武市は、ついに東洋を暗殺することを決意。「もっと早くこうしていれば良かった」と……

というわけで、幕末に猛威をふるう暗殺集団・土佐勤王党が、その第一歩を踏み出すことになる。

いろいろな人の感想をみていると、吉田東洋には好意的な人が多いように思われる。それに比べて武市半平太はいかにも小さい。いまさら攘夷が実行できるわけもなし、土佐のことしか頭にないのも視野が狭い。東洋の指摘は当たっている、と。吉田東洋は(嘘かホントか)能力があれば下士でも取り立てるという。武市を取り立てないのは、武市が下士だからではなく、能力がないからだ、と。

武市を弁護するわけではないけど、じゃあ下士は一体どうやって視野を広げればいいんだよ、とは思う。能力があれば取り立てる、などと呑気にいっているだけでは、リーダーとしては物足りない。能力を引き出し、育てることができてはじめて一人前なのではないか。

西郷隆盛だって、ほっておいたら武市とたいして変わらない考えしか持てなかったのではないか。それを、島津斉彬が徹底的に仕込んだのである。視野を広く持て、薩摩の都合だけで動いてはいけないと(それでも結局は、徳川幕府に代って島津幕府を作るくらいの考えしか持てなかったように見えるが)。長州には吉田松陰がいた。だから桂小五郎、久坂玄端、高杉晋作、伊東博文ら俊英が出てきた。吉田松陰には佐久間象山がいた。吉田東洋は、自分がわかっていると思うなら、武市半平太を足蹴にするのではなく、きちんとしつけるべきだった。それをしなかったのだから、吉田東洋もちぃっちゃいよなあ、という気がする。

ところで、「久坂玄瑞」の「久坂」は「空気」と同じイントネーションになると思うのだが、テレビではみな「おなら」と同じイントネーションで発音していた。だから「草加ゲンズイ? 誰?」と思ってしまった。