窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

ハードなサスペンスドラマ「外事警察―その男に騙されるな」

21日、試写会を観に行ってきた。邦画でこうしたハードなサスペンスというのは、あまり例がないのではないか。もちろん、「アンフェア THE MOVIE」とか「交渉人 THE MOVIE」とか思い浮かぶのはあるのだけど、そうした作品に比べると、かなり細かいところまで作り込んである印象である。

題名外事警察―その男に騙されるな
監督堀切園健太郎
脚本古沢良太
原作麻生幾外事警察 CODE:ジャスミン
出演■TVドラマからの登場:渡部篤郎(住本健司、警視庁公安部外事4課)、尾野真千子(松沢陽菜、警視庁公安部外事4課)、北見敏之(金沢涼雅、警視庁公安部外事4課、住本班最年長)、滝藤賢一(久野秀真、警視庁公安部外事4課)、渋川清彦(森永卓也、警視庁公安部外事4課)、山本浩司(大友遥人、警視庁公安部外事4課)、遠藤憲一(倉田俊貴、警視庁警備局長)、石橋凌(有賀正太郎、内閣情報調査室調査官)、余貴美子村松久美、内閣官房長官)/■本作初登場:イム・ヒョンジュン(奥田正秀・金正秀、奥田交易社長)、真木よう子(奥田果織、正秀の妻)、豊嶋花(奥田琴美、果織の娘)、キム・ガンウ(安民鉄、奥田交易従業員)、田中泯(徐昌義)、他
公式サイト映画『外事警察 その男に騙されるな』公式サイト
制作日本(2012年6月2日公開)
劇場よみうりホール
期待に違わぬ作品だ。 「外事警察モノ」が一般のミステリー&サスペンスと大きく異なるのは、一般人を「協力者」として使うことにある。そのため、その「協力者」をどう「落とす」のか、落とした「協力者」をどう「使う」のか、その「協力者」は信用できるのか……というあたりの駆け引きが見せ場となる。 映画版での協力者は真木よう子。テレビ版の石田ゆり子片岡礼子も良かったけど、真木よう子は存在感が違う。これはいいキャステイングだった。尾野真千子との怒鳴り合いは迫力があった。男前女優の対決! 真木よう子の娘役を演じた豊嶋花の名演技も光る。何もしゃべらない演技は、大人でも難しいのに。映画初出演の5才児だが、1才の時からNHK教育の「いないいないばあっ!」にレギュラー出演していたようで、キャリアは十分ということか。雰囲気がちょっと芦田愛菜に似ている。 もちろん田中泯の存在感は群を抜く。この映画は、もちろんしっかりした脚本あってのことだけど、配役がすごくうまいと思った。渡部篤郎尾野真千子余貴美子はテレビ版からさらに進化。一方、尺の問題で致し方ないが、再集結された住本班の面々――北見敏之滝藤賢一、渋川清彦、山本浩司らは、出番はあるが見せ場はなく、存在感が薄れていたのが残念。 さて、ストーリーだが……実はよくわからなかった。キーとなる(はずの)徐昌義がどういう人なのか最後までわからなかったし、そもそも韓国人が出てくると、顔の区別がつかなくなって何がなにやらになってしまう。また、ラストシーンの住本の行動も意味不明。公開されたら、改めて確認してみよう。