窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

面白いじゃん「バトルシップ」

「フェイシズ」「ロボット」「ファミリー・ツリー」など、観たい作品は目白押しなのだが、本作は今週一杯で観られなくなりそうなので。観て良かった。こういう作品は好きである。

題名バトルシップ(原題:Battleship)
監督ピーター・バーグ
出演テイラー・キッチュ(アレックス・ホッパー、米海軍士官)、浅野忠信(ユウジ・ナガタ、海上自衛隊一等海佐護衛艦みょうこう艦長)、ブルックリン・デッカー(サマンサ、理学療法士でアレックスの婚約者)、リアーナ(コーラ・レイクス、アレックスの部下)、アレクサンダー・スカルスガルド(ストーン・ホッパー、アレックスの兄・米駆逐艦サンプソンの艦長)、リーアム・ニーソン(シェーン提督、米海軍総司令官・サマンサの父)、グレゴリー・D・ガトソン(ミック・キャナルズ、米陸軍退役中佐、両足が義足)、ハミッシュ・リンクレイター(キャル・ザパタ、国際ビーコンプロジェクトの研究員)、他
公式サイト映画『バトルシップ』公式サイト 大ヒット上映中! TOHOシネマズ 日劇ほか全国ロードショー
制作USA(2012年4月13日公開)
劇場新百合ヶ丘:ワーナー・マイカル・シネマズ

粗筋

地球と似た環境の惑星を発見。生命体がいるのではないか? と交信を試みると、先方は友好的生物ではなく、こちらに攻撃を仕掛けてきた……という話。

敵機は5機で来襲。1機が人工衛星? にぶつかって大破、破片が香港などに降り注ぎ大きな被害を被る。4機はハワイ沖に着陸、ハワイをしっぽりと包む範囲に電磁バリアをはりめぐらせた。バリアの内外は行き来不可能。戦闘機が突っ込むが大破。

ちょうど世界14ヶ国の海軍将兵2万人が参集する環太平洋合同演習の真っ最中だったが、指揮艦隊はバリアの外。バリア内にはUSSサンプソン、護衛艦みょうこう、USSジョン・ポール・ジョーンズの3艦のみだった。サンプソンは攻撃を受けて沈没、ストーン・ホッパはじめ乗組員は全員死亡。ジョン・ポール・ジョーンズも攻撃を受けて艦長・上級士官が死亡、自動的に繰り上がったアレックス・ホッパーが臨時の艦長を務める。みょうこうも沈没、乗組員を救出し、以後、外界との連絡がつかないまま、アレックスとナガタが反撃を開始することになる。

戦力的には歴然たる差がある中、智恵を振り絞ってなんとか相手にダメージを与え、磁気シールドが解けた瞬間にシェーン率いるロナルド・レーガンおよび戦闘機の攻撃を受けてボカン。ああ後半はしょり過ぎ(笑)。

感想

このエイリアンが何をしにわざわざ地球までやってきたのか全くの謎。無理やり解釈すれば、調査・観測のために太陽系を航行していたところ、地球付近で通信機が破損。母国との交信のため、地球の(ハワイにある)通信機を使うことにし、邪魔する者を排除した、ということではないかと思うが(そういう風にしか考えられないと思うのだが)、どうも地球に侵略にきたらしい。これは全く不可解だ。

科学技術力には差がありそうだが、なんといってもたったの5機で地球を攻められるわけがない。事実、シールドが解けた途端にあっさりボカチンくらっているんだから。偵察隊なら、いくら通信の必要があるといっても、正面切ってコトを構えるのはアホだ。まあ、バトルの話だけを描きたかったので、その辺は突っ込むなよということなんだろうか。「E.T.」が、地球にきたエイリアンと人間との友情のみを描いていて、このエイリアンがどこから何しに地球にきたのかについては突っ込んではいけないように。

実際、戦闘の場面はよくできていた。アレックスとナガタはもともと仲が悪く、演習直前も殴り合いの喧嘩をして、アレックスはそれが元で懲戒処分をくらったほどだったが、一緒になって外敵と闘ううちに次第に信頼と尊敬の念が互いに芽生えてきた、というのは、ベタだけどうまく描けていた。

女性クルーのコーラ・レイクスが、八面六臂の活躍で、魅力的だったのも良かった。

日米の軍事演習で、場所がハワイということで、日本人にとって侮蔑的な表現があったらイヤだなと思ったのだが、それは懸念で、自衛隊に対して敬意のある描き方がなされていたのも、気分よく観られた理由のひとつ。

敬意といえば、退役兵に対するリスペクトが実によく描かれていた。アレックスらが海戦を挑んでいる頃、通信基地のそばでは、両足を失った退役兵のミック・キャナルズと、そのリハビリを務めるサマンサが事件に巻き込まれ、脚を失った時に俺の人生は終わったんだ、リハビリなんかやる気ねえ〜と言っていたミックがサマンサをかばってエイリアンと闘う場面もそうだし、味方の船が全滅した後、あの船(名前なんていうの?)が登場してやはり退役兵の協力で敵に反撃をくらわしたりといったくだりは、いかにもハリウッド映画らしい。

そしてシールドが解けた途端にアメリカ海軍の主力の攻撃によって一瞬にしてエイリアンが殲滅するという、海軍の強さを見せつけたところもいかにもな部分だが、スカッとする。

ところで、バーで知り合った女性にブリトーをご馳走し、兄から海軍に入れ! と言われていたと思ったら、いつの間にかその女性は婚約者で、海軍でも既にそこそこの地位に就いていた……なんかすごい飛躍があって、最初ついていかれなかったんだけど……。

原案

バトルシップ」というゲームを元にしているとあとから知った。ナガタがレーダーなしで敵艦をしとめるところにその名残があるらしい。ルールを読んだら、類似のゲームを子供の頃にやった覚えがある。「戦艦ゲーム」とか言っていたのではなかったか……?

配役

コーラ・レイクス役は、世界で1200万枚以上のアルバムを売っている歌手。本格的な映画出演はこれが初。

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