窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「らんまん」(025)

第5週「キツネノカミソリ」(金)

放送日

  • 2023年05月05日

概要

万太郎に「東京にはついてこなくて良い」と言われた竹雄。戸惑う竹雄は、タキに相談するも、「自分で決めたら良い」と言われさらに悩む。自分の気持ちを見つめ直し竹雄は、綾のもとへ向かい、今まで秘めてきた想いを告げるのだった。そして春。いよいよ万太郎が東京へ旅立つ日がやってきた。竹雄が下した決断は!?(NHKオンデマンドの解説より)

竹雄の決断は「若と一緒に東京へ行き、炊事洗濯、生活費稼ぎ、研究の手伝いをすること」。二人で東京へ行くことになった。

感想

よい最終回だった。(最終回じゃない)

ドラマとしては竹雄がついていないと進まない。だからこれはこれでいいのだが、普通に考えたら現実味がない。

「惚れた女の側にいるか、親友についていくか」の二択のように見えるが、これまで万太郎の世話をしていたのはタキの命によるもの。つまり峰屋の業務の一環。綾の手助けをする、つまり商いに精を出すのは、もちろん峰屋の業務。家を出る万太郎についていくというのは、竹雄も峰屋を出るということだ。

峰屋を出たら、お給金ももらえない(それどころか、生活費は自分が稼ぐという)。そもそも、それで万太郎は将来何者かになるかも知れないが、その時竹雄は何者になっているつもりか。現在の竹雄はまだ若いのだから、何ものでもないのは当然だ。これから商売を覚えて修行をすれば、やがて立派な商人になれる。万太郎が家を出るのはいい機会だ。峰屋を出るというのは、そういう未来と将来をも捨てること。それでいいのか。

それに、市蔵とふじには、竹雄のほかには子がいないようだ。万太郎は槙野の家のことは綾に託せたが、竹雄が家を出たら市蔵の後継ぎはどういうことになるのか。10年後、20年後に竹雄が戻ってきたところで、もう商人にはなれまい。そう考えると、よく市蔵やふじが許したものだと思う。

それでもなお、「圧倒的な才を持つ者をそばで見ていたい」ということだろうか。


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