窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「らんまん」(087)

第18週「ヒメスミレ」(火)

放送日

  • 2023年8月1日

概要

文部大臣・森有礼の号令のもと、東京大学の理学部は帝国大学理科大学と改められ、田邊がその初代教頭に就任した。一方の万太郎は、大窪の協力を得ながら、ムジナモ発見の論文を書き直すが、田邊の気持ちは変わらなかった。大学への出入りを禁じられ落ち込む万太郎に、寿恵子はいつも通り明るく接する。そして、万太郎はもう一度、田邊の元へと向かうが……。(NHKオンデマンドの解説より)

今日の田邊教授

「私はもう持たざるものは数えない」

感想

結局雑誌は擦り直したようだ。植物画は槙野が描き、それは自宅で印刷したから手間はかかっても費用は抑えられただろうが、他の人の分や文章の部分はどうしたのだろう。印刷費を工面するのは簡単ではなかったと思うが、誰が負担したのかは触れられなかった。

万太郎は一縷の望みを託して田邊の許へ直談判に向かうが、田邊の気持ちは変わらず。東大でも植物図鑑を刊行する計画があるという。だからダメだと。

槙野は、言葉遣いはていねいだが、田邊と自分が対等であるかのような口の利き方をする。「同じ植物を愛する者として」とか「ともに植物学の発展を」とか。しかし槙野が「これがないと何もできない」と考える東大の膨大な標本や文献、図鑑、資料などはすべて田邊が用意したものだ。どこにでもあるものではない。それを自由に利用できる者は限られているはずだが、槙野は自分がその限られた一員に含まれるのは当然だと思っている。田邊ならずとも、そこがちょっと引っかかるところだ。言葉は悪いが、槙野はフリーライダーなのだ。

一方、田邊は、国の予算が使える、東大の名前が使える、全国の研究者の協力が得られる、そのような仕組みを築いたのも自身の手柄なのだが、その強大な力をもってして、たかが一個人の槙野と張り合い、槙野の才に嫉妬するとは、小さい男だなあとも思う。理屈で言えば田邊の言う通りだろうが、そこは年の功。若い槙野をもっとうまく使うことを考えたらいいのに。


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