窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

龍馬伝-02「大器晩成?」

出演

雑感

42〜43分というのはひとつのテーマで話をまとめるのになかなか区切りのいい時間だと思う。

龍馬は江戸行きを父に願い出るも、却下され、「世間を知りたければ仕事をしろ」と、堤防工事の差配を命じられる。工事現場に行ってみると、工事が役目の村衆は一応仕事はしているものの、あまりやる気はなさげで、ささいなことから喧嘩を始める始末。龍馬があれこれ指示を出そうとしても、「上士は政治を行なう、百姓は米を作る、あんたら下士は何をしている? 土佐に不要なのは下士と糞じゃ」などと言われ、返す言葉もない。

一計を案じて酒をふるまってみたがダメ、一緒に歌を歌おうとしたがダメ、堤防工事の大切さを訴えたがダメ、雨が降ったらさっさと仕事を切り上げて帰ってしまう。残された龍馬は一人黙々と作業を続けるが己の無力さを悟るばかり。が、そんな龍馬の姿を見て、村衆は協力を申し出、ついに堤防が完成する。

堤防工事をやり遂げた龍馬に、父・八平は、剣の修行に打ち込むことを約束するなら江戸行きを許すと告げる……

差配の仕事が全くうまくいかず、己の無力を知る、という設定は良かった。しかし、雨が降ったら現場仕事は早じまいが鉄則ではないか。足元が緩む雨中の作業ははかどらないし、危険だし、風邪でもひいたらのちのちの作業に影響が出る。一人で無謀な作業をしている姿を見て村人が改心……という設定は、いかにもクサイ。

マネジメントで重要なのは、自分の言うことを聞いた方がメリットがある、ということを相手方に納得させることにある。人柄の問題や言い方の問題もあるが、指示の内容が一番大切である。つまり、村人だってこんなイヤな作業はやりたくないが、藩命を無視してすっぽかすことはできない。となれば、効率よく作業を終えて、早く終わりにするのが一番いいことになる。

この時点であまり学問のない龍馬に、図面がどこまで正確に読めたのかは怪しい。中途半端な指示をしようとするから、現場の人間から「うるさいなあ」と思われた可能性はある。仕事中の龍馬を弥太郎が覗きに来る場面があるが、どうせ弥太郎を絡めるなら、弥太郎が図面を見て、それはこういう風に積んだ方が効率的だとか、こちらの作業を先にやれば早いとかアドバイスをして、それに基づいて指示を出すようにしたら、仕事がどんどん進むようになり、村人が感心して見直すようになった……とかの方が面白かったと思うがどうだろう。

龍馬が最初に江戸へ出ていくのは19歳の時。平井加尾は龍馬の三歳下。従って今回登場したシーンでは15〜6歳だったということになる。いくら童顔でカワイコちゃんのヒロスエでも、少女役はもう無理だと思うなー。