ウィリアム・ラスティグ監督による1980年の同名映画のリメイク。
題名 | マニアック(原題:Maniac) |
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監督 | フランク・カルフン |
出演 | イライジャ・ウッド(フランク)、ノラ・アルネゼデール(アンナ)、他 |
公式サイト | 【公式サイト】映画『マニアック』│6月1日(土)、ロードショー |
制作 | フランス、USA(2013年6月1日日本公開) |
劇場 | シネマサンシャイン池袋 |
粗筋
フランクの母親は売春婦だったのか、単なる好色なのかわからないが、不特定多数の男性と大胆な性交を繰り広げていた。当然フランク少年もしばしばその行為を目撃することになり、恐らくはまともな愛情を注がれる機会もなかったであろうことと相俟って、生身の女性を愛することのできない引きこもりに育ってしまう。
それだけならいいのだけど、やがて若い女性を殺し、頭髪をはいでは自分が作ったマネキン人形にかぶせるという行為を繰り返すようになる……
雑感
「覚悟はいいか!? これが今年一番の衝撃映像」「『羊たちの沈黙』を超えた衝撃の傑作誕生」「『アーティスト』の制作者が贈る2013年最大の問題作」……いずれも公式サイトからだが、このようなアオリを目にしたら何としても観てみたいと思うだろう。結果は……自分としては期待外れであった。
「アーティスト」はもちろんだが、「ハンニバル・ライジング」を劇場で観て面白いと思い、「羊たちの沈黙」「レッド・ドラゴン」をレンタルで見て感動した身としては、これらの名作を引き合いに出されるだけでもチョット……と言いたくなる。
主人公がどういう世界観により女性の頭髪を剥ぎたくなるのかが、全く以て不明。そのため主人公に感情移入できない。ところが本作は主人公自身はあまり映らず、主人公が見ている風景が主人公の視点で映される。だからその風景にも入っていけない。ある種の効果を狙ったのはわかるが、狙い過ぎて外している。
アンナの態度も腑に落ちない。さんざんフランクに思わせぶりな態度で接しておきながら、フランクが迫ろうとすると、彼氏がいることを匂わせるのはひどいと思う。友人として好きだっただけだというのかも知れないが、ああいう態度で迫られたら、この女は自分に気があると思うのが普通だ。だから殺されてもいいということにはならないが、今ひとつ同情がわきにくい。
腑に落ちないというなら、あれだけ何人も殺しておいて、これまで何も追求がなされていないことも不思議。あんな猟奇的かつ衝動的な行為は、すぐに足がつきそうなものだが。
スプラッタに徹するならそれでもいいが、少なくとも「羊たちの沈黙」と並べるべきではないと思う。
過去記事
- ハンニバル・ライジング(2007/05/04)
- 羊たちの沈黙(DVD)(2007/05/05)
- レッド・ドラゴン(DVD)(2007/05/07)
- ハンニバル・ライジング (2)(2007/05/07)