「記憶にございません!」を見ていて、何か既視感があるなと思ったら、先行するハリウッド映画に「デーヴ」があったことを思い出した。これはVHSビデオで持っているのだ。
題名 | デーヴ(Dave) |
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監督 | アイヴァン・ライトマン |
出演 | ケヴィン・クライン(デーヴ・コーヴィックおよびビル・ミッチェル大統領:二役)、シガニー・ウィーバー(エレン・ミッチェル、大統領夫人)、フランク・ランジェラ(ボブ・アレグザンダー、大統領特別補佐官)、ケヴィン・ダン(アラン・リード、大統領補佐官)、ヴィング・レイムス(デュエイン・スティーヴンソン、護衛官)、ベン・キングズレー(ゲイリー・ナンス、副大統領)、チャールズ・グローディン(マーリー・ブラム、町の会計士)、アーノルド・シュワルツェネッガー(本人役)、ラリー・キング(本人役)、他 |
制作 | USA(1993年8月28日日本公開) |
時間 | 110分 |
概要
デーブは職業紹介の事務所を運営する市井の人。容姿が大統領に似ていることから、大統領の物真似芸も時々披露している。
ホワイトハウスのスタッフが、どうしても大統領の影武者を用意する必要に迫られ、デーヴに目を付けた。実はお忍びで愛人に会いに行く間のアリバイ作りが必要だったのだ。一晩だけということで納得して話を受けたデーヴだが、愛人とイタしている時に脳梗塞になり、危篤状態に陥ってしまう。
本来ならば副大統領の出番なのだが、ボブはアランと語って、デーヴを本物のビルとして存続させ、彼を操って自分らの傀儡にしようとたくらむのだ。これは重大な憲法違反であり、デーヴはそれは問題だと感じるが、バレれば自分もタダでは済まないとボブに脅され拒否できず、ボブ役を続けることになる。
当初はボブらに言われるままに行動していたデーヴだが、福祉予算を削ろうとする動きに対して反対意見を述べると、お前は意見を言うなと封じ込められる。そこでデーヴ時代の知人マーリーをひそかに招集し、予算の修正案を作成。閣僚会議の場で披露する……
雑感
- さすがはハリウッドという見事な作品。これと「記憶にございません!」を比較すると、後者が中身のないスカスカなものに思えてしまう。
- 最初は政治のことなど何もわからないので、言われるままに動くしかなかったが、徐々に政治に目覚め、自分らしさを発揮していく変化が興味深い。
- デーヴに感化され、次第に影響を受けるアランと、目覚めたデーヴとよりいっそう対立していくボブとの対比が面白い。
- いくら仲の冷え切った仮面夫婦とはいえ、一緒に暮らす相手が夫本人かどうか、妻が気づかないわけはないと思うが、一緒に孤児院を訪問した時はまだボブ当人だと信じていたように思われる。ただ、バレた時にそのきっかけを訊かれて「一緒に出かけた時に私の胸をチラチラ見ていたから。あの人は私の胸なんか見ない」というのはおかしくもあり、哀しくもある。このエレンがデーヴに徐々に惹かれていくところがいい。やはり、どんな話もロマンスがからんでいた方が盛り上がる。うまく絡められれば、だが。
- デーヴは、福祉予算の増額という施策を、とにもかくにも実行する。福祉予算の増額がただちに善政なのか、議論の余地はあろう。また実際には大統領でもなんでもないデーヴがそんなことを決めてよいのかという問題もあろう。だが、あとを引き継いだゲイリー副大統領がこの施策に影響を受け、自分はボブのやってきたことを受け継ぐだけだと言い切るほどなのだから、確かな足跡を残したと言えるだろう。
- 大統領のためには命を投げ出す、とためらうことなく言い切っていたデュエイン護衛官が、大統領と思っていた人が実は民間人だったことを知った時に、自分はこの人のために死ねるだろうかと悩むところがいい。そしてデーヴのことを知ったあと、あなたを守るためなら命を懸けると告げるところもいい。
- デーヴが再び大統領役をボブと入れ替わるところも見事である。元々(売れない)芸人であるという設定が生きている。
- 一歩一歩階段を昇ることにしたと、市会議員を目指すデーヴ、そしてホワイトハウスを出てデーヴのもとに来るエレン。ラストもうまく締めくくっている。
- さすがに映像の鮮明さには欠けていた。ブルーレイで買い直そうかな?
配役
- シガニー・ウィーバー若い!(44歳)
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(2019/10/30 記)