窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「ちむどんどん」(08)

第02週「別れの沖縄そば」(水)

放送日

概要

やんばる小中学校の運動会。足の速い比嘉暢子は、例年通り一等賞まちがいなしと思われたが、そのとき、意外なアクシデントが……。予想もできなかった最下位に終わり、悔しい思いを抱える暢子。そして母・優子の見守る中、後を走る兄妹たちが気持ちの入った走りを見せる。父を失い、母を支えたい。そんな思いをそれぞれに込めた運動会の行方は……。(NHKオンデマンドの解説より)

良子は結局汚れた体操服を着て運動会にやってくる。駆けっこは前年3位からひとつ上がって2位。中3男子の部は島袋、賢秀、智、和彦の争いとなる。島袋が賢秀に「お前は負けても靴のせいにできていいなあ」と毒づくと、賢秀は「俺はアベベだ」と叫び靴を脱ぎ捨てる。それを見て智も和彦も靴を脱ぐ。結果は賢秀と智の一位争いになり、賢秀が勝つ。

賢秀、智、和彦、暢子が山で遊んでいると、高校生三人を連れた島袋が優子を侮辱し始め、喧嘩になる。そのことで優子が学校に呼び出されるが、教師は喧嘩両成敗だと不問に、が、暢子と歌子の給食費とPYA会費が未納だと告げる。歌子が熱を出し、優子の背負われて早退。

帰途、賢吉と和恵が、優子に今月分はいつ払ってくれるのかと詰め寄る。

帰宅すると優子にどこからか手紙が届いている。そのことで優子は前田善一に相談。

夜、賢秀が水汲みをさぼってラジオで大相撲を聞き、暢子が優子を手伝って夕食の支度をしていると、優子が倒れる……

雑感

なんというか、とにかく見ていてつらい。楽しく見られるところがない。

島袋がなぜ執拗に悪態をつくのか不明だが、運動会の場であんな大声を出して、なぜ教師が注意しないのかがわからない。賢秀が靴を脱ぎ、智と和彦も靴を脱ぐ。それを見て島袋が靴を脱ごうとするが、スタート係の教師はそれを無視してスタートさせてしまう。これもわからない。島袋なりにフェアに走ろうとしたのであろうし、靴を脱ごうとしているのがわかっていてなぜ待たなかったか。

口で言うだけでなく、高校生を連れて賢秀らを襲うのはかなり悪質だが、賢秀らは、優子がバカにされたことを母に伝えるのが忍びなく、理由については口をつぐんだ。が、理由が不明だからといって「喧嘩両成敗」はまさかだ。あり得ん。高校生4人を含む男子5人が、小学生女子を含む4人に暴力をふるったのだ。島袋らに厳罰が処せられてしかるべきだ。それに、普段の島袋の態度を見ていれば、原因も想像がつきそうなものだ。やはり島袋の父は教師にとってアンタッチャブルなのか?

さて給食費とPTA会費の未納問題。それはそれとして、優子は、月々何にいくらかかるのか、把握していないのであろうか。学校にいくら、電気代にいくら、自分の収入がこのくらい……。ちゃんと収支を見極めたうえで、無理のない現実的な生活設計をしないと、誰かにお金のことを言われるたびに「すいませんすいません」をひたすら繰り返して先延ばしにするだけでは、何一つ問題は解決しない。あっという間に目詰まりを起こして空中分解する。賢吉だって、病人を背負った母親に借金の催促などしたくないだろうが、優子が納得のできる絵を描いてくれないから、こうするしかないのだ。

優子が倒れるが、こんな生活を送っていたら、そりゃ倒れるだろうよと思う。

いろいろとおかしくて、どういう立場で何を感じればいいのかわからない。貧乏は大変なのです、ということが言いたいのだろうか。矢口高雄の「ボクの手塚治虫」を読むと、矢口は賢秀の十歳上で、地域は東北、両親そろっていて借金があった様子はなく、比嘉家よりはゆとりがあるように見受けられるが、それでも小学生の頃から、水汲み、堆肥作り、草刈と、家の仕事を手伝っている。当時はどこの家もそうだったんじゃないかなあ。



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